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彼は20歳年下-アラフォーOLのレンアイ事情

バブルを駆け抜けたアラフォーが辿りついたのは
20歳年下の草食男子との恋愛でした・・・

最後の写真
だって、会っている時に言ってしまいたいから。

「昨日草男くんが、京都で働いている時、私が電話に出てくれるだけで
嬉しかった、って言ってたでしょ?
あれを聞いて、胸が痛んだよ。
あの頃、自分が、忙しいとか疲れてるとか言って、
草男くんの思いに、なかなか応えようとしなかったものね。」

「いいんだよ。もう。」

「あ、草男くんの写真を撮ろうと思って、カメラ持ってきたんだった。」

「遺影?俺死なないよ。」

これで3回目だ。言われるのは。
それで諦めた。

「草男くん、それからね、私・・」
2012年2月28日(火) 22:30 [ 草男 ]
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二人の携帯
そして手をつないで歩きながら、私達は、色々必要な事を話していった。

「一緒に買った、携帯はどうする?」

「まだ、しばらく持っていよう。」

「二年の期限は、10月までだものね。
今解約したら、解約料がかかってしまうから。」

「うん。
結局、一年しか持たなかったね。
これがつながらなくなったら、みらのさん、
ふっきれたのかと思うよ。」

「そんなこと、言わないで。
今朝早く目覚めて、草男くんが以前手紙を送ってくれたことを思い出したの。
引っ越して、合鍵を送ってくれた時の。
思わず、読み返したわ。
読む?」

「いや、やめておくよ。」

「それから、草男くんにメールの書き方とか教えてもらった。
改行するように、とか絵文字を出来るだけ使う事、とか。」

「そうだね、みらのさん絵文字を最初全然使ってなかったものね。
どういう人や、って思ったもん。」

「それから・・」

と、言っておくことを書いたメモを見ているみらのに、
俺、死ぬみたいやな、とまた草男くんが言った。
2012年2月27日(月) 23:31 [ 草男 ]
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音楽のない指輪交換
「婚約指輪を、本当は返さなければいけないよね。」

「いいよ。みらのさんに、あげたものだから。
でも、あれを売って二人で分ける、って手もあるよ。」

「そんなお金、もらえないよー
あれはこれから、勇気をもらいたい時に、つける事にするわ。
それに死んだ時、お棺に入れてもらおうと思ってる。」

「俺、その時、即効、灰の中から、取りに行くわ。
で、すぐ売る!
自分で買った、一番高価な物だよ。
しかも、それを人にあげた、ってすごい。」

「お母さんが指輪の事を知ったら、怒るよ」

「言わないよ〜」

ファッションビルの地下に到着した時、みらのは草男くんがつけていた
以前おそろいで買った指輪を抜いて、左薬指にはめてあげた。

そして、みらのがつけていたおそろいの指輪を草男くんに渡すと
草男くんは、みらのの左薬指にはめてくれた。

草男くんは、何も言わなかった。

「あのね、おととい神戸で、草男くんが、
今までみらのさんが、嬉しくて泣いたことなかったから残念だ、って
言ってたでしょ?
だから、嬉しくて泣きたかったの。」

と言って、涙をこぼした。

「悲しいんじゃないの?」

「違うよ。
嬉しいの。ありがとう。」
2012年2月22日(水) 22:51 [ 草男 ]
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俺、死なないよ
「草男くん、みらのやっぱり、神戸に行く事にする」

家族で年末に淡路島に行く草男くんは、
1日に、ひとり新神戸から帰る予定でいた。

「遠いし、いいよ」

「行きたいから。
もし行かなかったら、ずっと後悔するような気がして。」

「俺、死なないよ。」

そう言って、草男くんは少し笑った。

「31日、年が変わったら電話くれる?
今年、一番最初に話す人になって欲しいもの。
それから、メールも送って。」

「うーん、努力してみる」

「それから、お願い。

別れた事を、お母さんにまだ言わないで欲しいの。
草男くんがお母さんに、みらのと別れた、と言ったら、

お母さんは、きっとほっとした顔をすると思うんだ・・・

その顔を見て草男くんは、この判断が間違ってなかった、って
きっと思うはずよ。

そう思って欲しくないから。

お母さんには、電話で言って欲しい。」

「そんなの、考えすぎだよ」

草男くんは、こう言ったけれど、力がなかったのは
図星なのかもしれない。
2012年2月19日(日) 21:43 [ 草男 ]
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力をください
翌日も、早く目が覚めて、しばらく泣いた。

そして、父のお墓参りに向かった。

「お父さん、元気ですか?
報告です。
去年の春にここに来てくれた、草男くんを覚えていますか?
彼と別れることになりました。

喜ばせてあげられなくて、ごめんなさい。
でも、仕方ないです。
これから辛い日々だと思います。なかなか立ち直れないかとも思います。
でも、みらのは、お父さんの子です。
力をください。お願いします」

そう言って、ぽろぽろ泣いた。

草男くんとの待ち合わせは、15時に紀伊国屋前で。
早めに行って、先に草男くんを見つけたかった。
なのに、みらのが見つけたのは、草男くんの後ろ姿だった。

草男くんは、きょろきょろして
電話をかけようとしていた。

あの時、なぜ名前を呼ばなかったんだろうか。

振り返った草男くんがみらのに気付き、電話を切った。

はい、これ、と、草男くんは、クリスマスプレゼントのipodを差し出した。
さようなら、と言って。
やっぱり、返すのは惜しかったんだろう。

「一度返品して、新たに刻印して注文するね。」

歩き始めてみらのが右手を出すと、うん?という顔をして、
草男くんがこっちを見た。
ほらっ、と手を振ると、やっと気付いて手をつないだ。

「何か、くれるのかと思ったよ。」

「どうしてそんな事言うの?」

笑いながら、みらのは、腕を叩くふりをした。

草男くんの、職場へのお土産を買うのに付き合い、
その後、みらののもう一つのお願いを実現する為に
私たちは、ある場所へ向かった。
2012年2月17日(金) 00:51 [ 草男 ]
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大胆になったね
駅までの道、人通りが途切れると、私たちは向かいあって軽いキスをした。

「大胆になったね。」

そう言って、草男くんは笑った。

「以前、○○でデートした時、みらのが「10年後にここで待ち合わせしよう」
って言ったのを、覚えてる?
草男くん、嫌がったよね。」

「あれは、音信不通になったケースだからそんな約束をしていたんだよ。
僕たちはそうではないから、そんな約束しなくても大丈夫。」

駅に着き、しばらくして電車が来た。
草男くんは、電車に乗ってからいろんなジェスチャーをして、
みらのを笑わせようとした。
そんな二人は周りから見れば、幸せそうなカップルに見えただろう。

手を振って草男くんを見送ってから、同じ道を泣きながら帰った。
2012年2月15日(水) 01:13 [ 草男 ]
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Kiss and goodbye
「久々に、泣いたよ。
さあ、行かなければ。」

時間は、18:30になっていた。

どうしても行くの?、と聞いたみらのに、

「うん、行くよ。」

そう言って、草男くんは、みらのの顔を見つめ、もう一度唇にキスをした。
それはそれは長いキスで、私たちは、過去に思いを馳せていた。

喧嘩をした後、

「僕らが、一番仲良くできる場所に行こうか?」

と言って、草男くんはベッドに誘った。

そこでは、ただ抱き合っているだけで、
ぬくもりを感じているだけでよかった。
2012年2月12日(日) 22:46 [ 草男 ]
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いつまでもきれいでいてね
今度は、獣のように吠えながら泣き、

寂しいよー

怖いよー

と、子供のように泣き続けた。

「草男くんは、今まで一番の相談相手だった。
味方だった。
草男くんといたら、安心したの。
それを失くすのは、本当に辛い。
みらのが、どこかに行ってしまっても、探し出してね。
おばあさんになっても、優しくしてね。」

いつの間にか、草男くんも泣いていた。
ごめんね、ごめんね、と。

「草男くんは悪くないよ。」

「この二年間、本当に楽しかった。

成長できたよ。みらのさんのおかげ。

色々教えてもらったし。

いつまでも、おしゃれなみらのさんでいてよ。

いつまでも、きれいでいるんだよ。

おばさんくさくなったら、ダメだよ。

会社も、辞めたらダメだよ。

せっかく、ここまで頑張ったんだから。」

それを聞くと、もっと泣けてきた。

コンタクトを使うようになってから、コンタクトをつけている時は、
泣けないものなんだと、ずっと思っていた。
涙は、少し浮かんでも、すぐ消えた。
それは間違いなんだと、やっと気付いた。

草男くんは、泣いている私の唇にキスをした。
深いキスだったけれど、いつのもようには応えられなかった。

いつの間にか、窓の外は暗くなっていた。
少しだけ電気をつけて、薄明かりに草男くんの顔が見えるようにした。
二年前とは全く違う、精悍な顔をした青年が、そこにいた。
2012年2月8日(水) 22:22 [ 草男 ]
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こんな素敵な人だから
「いや、絶対、忘れないよ。」

草男くんが、ぽつんと言った。
そしてまた、黙ってしまった。

「いつかは、こういう日がくることがわかっていたけれど、
こんなに突然だとは、思わなかったよ。
わがままで、草男くんの言うことを聞かない私についてきてくれて、
ありがとう。

いい彼女じゃなくてごめんね。

もう、こんなおばさん誰も相手にしてくれないわ」


「そんな事ないよ。
みらのさんなら、きっとまた見つかるよ。
こんな、素敵な人だもの。」

そう言って、草男くんは、私の顔にキスの雨を降らせた。
そして、手にも。
みらのの手は、寒さの為、乾燥してかさかさしていたけれど、
草男くんは、何も言わなかった。

一度、落ち着いたみらのだけれど、
もう一度、草男くんにきつく抱きしめられると、また涙があふれ出てきた。
2012年2月7日(火) 22:09 [ 草男 ]
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忘れられるのが怖いの
「草男くん、草男くんのお母さんが、言ってらっしゃる事はよくわかるよ。
草男くんの気持ちも、よく理解できる。

草男くんはまだ若くて、将来があって、可能性が沢山ある。
それを止める権利は、私にはないの。どうする事もできない。

今まで草男くんにいっぱい支えてもらって、教えてもらって、
色々ほめてもらって、自信がついたし、なんでもできるような
気になっていた。

こんなに人を好きになった事はなかった。

こんなに愛された事はなかった。

だから辛いの。

朝が来るのが怖いの。

また、ひとりぼっちになるのが怖いの。

忘れられるのが怖いの。

怖いの・・・」

泣きながら、一気に言った。
2012年2月5日(日) 23:41 [ 草男 ]
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