思えば、ろう梅との出会いは、かれこれ20年前に訪れた北京での事でした。
チベット仏教の寺院、雍和宮の中庭を散策していた時
どこからともなく芳しい香りが漂ってきたのです。
公衆トイレの惨状を目の当たりにした直後だっただけに
余計に芳しく感じたのかもしれませんが
香りの元を辿ったところ、黄色の花を咲かせたろう梅の木でした。
丈の低い樹木で、目の高さの位置に黄色の花が咲きほこり
花の蜜を求めて、蜂が何匹も飛び交っていたのが印象的でした。
ろう梅の花が咲く季節になるとこの光景がいつも頭に浮かんでくるのです。
庭にろう梅の木がある友人が、数本届けてくれ
香りのおすそ分けにあずかりました。
ろう梅の香りに包まれながら、お気に入りの紫砂の茶壷で
いただくお茶は格別で、まさに至福の時といえます。