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ピリカラこんにゃく

流浪の日本語/英語テキストサプライヤー(=フリーランス翻訳者&ライター)がひとりごちる、ピリカラだけどけっこうおいしいじゃない?な日々。

アクセスありがとうございます
2月1日のカフェブロ通信にとりあげていただいたことは、本当に驚きました。このブログは個人的に実験の意味合いが強く、特に宣伝もしていなかったので、これまでのアクセスといえばエントリーを上げた日は1日に10程度、それ以外の日は1つあればいい方だったのです。それが、この10日ほどで開設以来のアクセス数の合計すら上回るアクセスがありました。リピートして訪れてくださった方もいらっしゃるようで、興味を持っていただけるならうれしいです。当分マイペースにやっていくつもりだったんですが、アクセスが増えることで実験は新しいフェイズに進むことになるかもしれません。乞うご期待、と言っていいのかな? まだ自分でもよくわかりませんが、どうぞよろしく。

さてさて、カフェブロがリニューアルして、スキンのバラエティが増えましたね〜
一覧を見て、すぐこのスキンに決めました。ねこ好きです
2009年2月11日(水) 16:33 [ 日記 ]
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明けましたね2009年
って、もう今日は七草ですけれども。

このブログのシステムにも「日別アクセス」というのがあり、またshinobiというやつをつけているのですが、1か月も更新していないのに何日かに一度アクセスがあり、shinobiによれば多くはこんにゃくのピリ辛炒めのレシピを探している人なのですが、それ以外にも同一IPからのアクセスがあり、もしかして“定期購読”ベースの方もいらっしゃるのか?面映い気持ちです(今日はひとりでワインを飲んで少し酔っぱらっているので、調子に乗ってる向きがなきにしもあらず、いえ、おおアリです)。今後もなにゆえなにゆえ(from「下妻物語」。正月2日深夜にテレビでやっていた)よろしくお願いいたします。

このお正月は昨春に95で大往生した祖母の喪中で年賀状を省略した結果、年の変わり目をほとんど意識せずに過ぎてしまいました。年賀状の大切さを再認識。仕事始めの5日になって、年越しで料金交渉をしていた(orz)クライアントから「明けましておめでとうございます」とメールが来て、「おお、新年であるぞ」と実感された次第。ちなみに料金はこちらのオファーが通りました。めでたい。ありがたい。暮れから6日締切で座談会のテープ起こしを編集する仕事を受けていたこともあり、正月ボケはゼロです。付随するテキストをさっき納品したので、これから次の週末(連休ですね!)まで遅ればせながらお休みの解放感を味わうことにします。

テレビの仕事は5日より再開。週に1度はナレーションをしているはずが、去年はほとんどジムに通わなかったせいでやはり筋肉が落ちていて、声の肉がそげつつあることを実感しました。今年は、泳がなくちゃ。ありていですが、new year's resolutionです。今日の現場では昨夏に会食して以来の翻訳者さんと一緒に番組を作る。若い人をインスパイアする、というか後輩に仕事を紹介するのが大好きな翻訳者さんから某老舗エージェントへの登録を勧められる。会社のサイトを見に行ってみると、募集条件は「実務経験2年以上」。うわあ、ワタシもう5年やっとります。フリーになりたてのころは登録できる会社を探してあちこちの会社のサイトを見に行っていたものだけど、最近はそんな余裕もなかった。いつしか実務経験が「ある」ところへ来ていたのだと、今さら自覚する。キャリアとしての翻訳は音声をテクストでアウトプットする映像翻訳から始まったものの、今の生計はテクストをテクストでアウトプットする紙モノ(出版)翻訳が主であるため、件のエージェントの映像翻訳者募集に実際に応募するかどうかはともかく、先輩翻訳者である彼女の「登録しちゃえばいいんじゃなーい?」には励まされる思いがする。駆け出しが駆け出しのままフェードアウトすることも多いこの業界、5年やっていればもう中堅です。堂々と中堅ヅラできるアウトプットを、今年はめざしたいと思います。another resolution for the new year.

翻訳学校のタームも、もう最終コーナー。実力の上昇度はともかく、自分の日本語の虫干しはずいぶんできた気がします。先生が徹頭徹尾励ましモードの方なので、ものすごくありがたい。出版翻訳の学校に行って何かしらわらしべみたいなものをつかめないかとも思っていたのですが、半年でそれは無理みたい。みんなおそろしく気が長くて、8年とか通った後にようやくお金をもらうというのが、システムらしいのだもの。もうしばらく通うか、どうせ投資するなら極私的業界で旬となりつつある日英を鍛える方向に行くか、ちょっと考えなくちゃなんて思ったりもしています。

酔っぱらってると饒舌になりますね。明日には恥ずかしくて削除してたりして(笑)。ともあれ、2009年初回の更新です。今年もよろしくお願いいたします。ではまた。
2009年1月7日(水) 23:02 [ 日記 ]
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師走日記
しばらくマジ!忙しくて、まったく放置してしまった……
久しぶりに様子を見にきたら、下世話なトラックバック、コメント
うっとうしいなあ、もう。
すべてをシャットアウトする以外の何かいい撃退法
あるいは予防法はないものでしょうか。
それはともかく、来ついでに近況記録というか、日記を。

今日は取材行ってきました。
ご紹介いただいた新規のクライアントで、ライター仕事です。
担当編集者さんが入社1年めという24歳の女性で、びっくり。
編集長をのぞくと2人しかいない編集部だそうで
見るからに実践で鍛えられている感じ。
初めての年末進行におびえてましたが
「大丈夫。死にゃあしませんよ」と励ましておきました。
私もこの人を殺さないようにしないと。
(そして、私もこの人から殺されないように気をつけなければ。)

取材対象は映画監督だったんですが
ここのところ映画監督の取材関係は裏方をしている方が多かったので
今日は自分の立場にちょっと不思議な気分がしました。

別件だが、昨日今日とかけそびれている電話が1本あるので
明日は必ずかけること。
To Doリストに書いておこう。
伸びるばっかりでちっとも短くならないリストだけど
書くだけ書いておいておけば忘れないし
済ませたときに赤ペンで線を引くのが快感なのだ☆

そんじゃ、今日の仕事とは別の〆切、明日に向かってGO!
今年の年末進行、例年よりキツくないすか?
2008年12月2日(火) 23:41 [ 日記 ]
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オバマ氏勝利宣言演説

昨日はおかげさまでテレビにかじりついておりました。
こういうメモはいろいろお里が知れるのでナンだなあと思うんだけど、ちょっと自分に課すトレーニングみたいなものです。興味のある人だけ、以下へどうぞ。

...続きを読む
2008年11月6日(木) 18:09 [ 日記 ]
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いながらにして見られる
実は日本にいても、CNNだけじゃなく全米ネットワークの夕方のニュースをほとんど見ることができる。ABC World NewsはNHK BS-1でほぼ生放送(夏時間の時期は午前7時半すぎ、冬時間では8時半すぎ)から、NBC Nightly NewsはBS日テレとCSの日テレNEWS24で午前10時半から、CBS Evening NewsはBS-iでの生放送(ABC WOrld Newsと同じ時間帯)とCSのTBSニュースバードで午前11時35分頃から。(FOX Newsはナショジオチャンネルとのあれこれで今はないけれど、2011年のBSデジタルチャンネル増のときに復活したりしてー。)ここのところ一時的にテレビ環境が充実したおかげで、よくはしごして見ていた。

それが!日テレNEWS24のNightly Newsは今週いっぱいで放送をやめるとのこと! BS日テレのオンエアが残るかどうかは今のところ不明。できれば残してほしいんだけど。

番組枠そのものを確保して内容いかんにかかわらず見せてくれるのって、実は貴重。ふつう海外のドキュメンタリー番組を放送する場合、マーケットなどで番組内容を吟味して購入しているから当然質は高い。でも、日本人視聴者に受けそうな内容に偏る傾向は否めない。一方、番組枠そのものの購入(つまり、上記ニュース番組を日本で毎日見られるようにすること)だと、番組や情報、現地の関心の方向がストレートに入ってくるからいい。たまに日本を扱ったレポートで内容が微妙に正しくなさそうなこともあるが、それも含めていいのです。日本側の手が何も入ってない未編集の放送に価値があります。

「TBSの良心」と呼ばれながら荒海に浮かぶ小舟のように放送枠をたらい回しにされているCBSドキュメント(と言いつつ、ここ3年近くは水曜深夜で固定していますが、改編期にはいつもヒヤヒヤする。60 minutes、たまに48 Hoursを1か月遅れで放送する枠です。1か月遅れる理由は、高品質の日本語版制作には時間がかかるからだと思います)もそうだが、日本の民放における枠購入番組のできるだけ長い存続を願います。安くない権利料に見合う視聴率は取れないのだろうけど、人々の関心を誘導するテレビには情報の門戸を大きく開いていてほしい。いくらインターネットで生の情報が手に入る時代になったとはいえ。

あ、今「アメリカの情報だけ入ってくればいいと思うなよ」と思ったあなた、NHK BS-1では見ようと思えばBBCやアルジャジーラだけでなく、かなり多くの国のニュースを見ることができますよ。
(NHKが提携している放送局リスト)
http://www.nhk.or.jp/kyounosekai/link/index.html
貴重でしょう? NHKのBS波再編後も、今のこの方針は残してほしいです。
2008年10月30日(木) 13:59 [ テレビのはなし ]
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reflective endnotes
ああ、与太話を書いているうちに締切を半日こぼしてしまった。猛省。

今回はアメリカの税制に関わる記述が多くて、日本で言うと確定申告のときに初めて知るようなレベルの話なんだが「所得税率区分33パーセント」って結局、所得が15万ドルとか20万ドルとかの人のことよ? そういうことはあんまり考えないで訳してて、IRS(アメリカの国税庁)のサイトに行って実際に表を見たらいきなり実感してびっくりしてしまった。それでもって、最後はある種の金融商品の話。まったく予備知識がない世界の話。引き受けるんじゃなかったっていう苦労は久しぶりでした。

文芸ものの翻訳をするときには、自分の人生経験が反映されるレベルまで作品に入り込むことがいい翻訳のカギと言われることがあるけど、それは結局マニュアルだろうが契約書だろうが、今回の資料だろうが、同じだと思う。どれだけ「これはちゃんと日本語/英語にしする!」という切実さをもって取り組めるか、そしてその切実さから出た表現こそを信頼するという話だとすれば。

しかしその点、原文の読者ターゲットが自分とはまったく共通点のない、たとえば超富裕層だったりすると、“切実さ曲線”の上昇が鈍くて困る。アートとかファッションとかは目の福になるからいいんだけど、もっとライフスタイルに近い話題になると私の現実生活にはまったく関係ない!(前に書いた、馬に乗ったシングルマザー・セレブの話が象徴的だorz) したがって、切実さってばどう持ちゃいい?というところから仕事が始まってしまうのだ。とはいえ、ほーら、ここの英語は分かるでしょう?ほらここ、面白い表現だねー、あら、向こうじゃそんなことが起きてるの、なんてやっているうちに、まあ最後の方になると、だいたいいつも内容に首まで浸かって「サイコーに面白い!文献買ってもっと勉強する!この分野で日本の第一人者になる!」とか叫んでたりするんだけど(そして、たいてい叫んでるだけで後から文献を買うことはほとんどないんだけどorz)。

それにしても、今回の仕事では余計に引き受けた2ページというのがあって、そこは好奇心に刺激されて引き受けてしまったのだが(翻訳がてら、ちょっと勉強してみたいって……。水曜日夕方の自分を、首を絞めつつ小一時間問いつめてやりたい)、なんと愚かなことをしたことか。ほんと、猛省。風邪が治りきらないのに徹夜しちゃったし。勉強にはなったかもしれないけどね、いろんな意味で。Curiosity killed the catとはよく言ったもんです。

ああ、つくづく「仕事しながら勉強する」ではなくて「仕事するために勉強する」だろ、コノヤローって気分になってきました。以後、気をつけます。引き受けない、っていうのは良くないから、せめて時間を長めにもらうとか、自分の特性をご相談申し上げて訳の精度や体裁について事前に話を詰めるとか、日頃から日本経済新聞をちゃんと読むとか、します(ここのところの金融危機の煽りを受けて、買うようにはなってますけどね)。あと、リサーチするときに寄り道しない強い意志を醸成したい。

以上です。来週は取材/執筆週間。そして翻訳学校の課題も……!
学校の話、一度落ち着いてちゃんと書いてみたいと思ってるんですが。
もしかすると、この後書く、かも!?
2008年10月26日(日) 15:33 [ 翻訳のはなし ]
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着倒れ与太話
オープンして1週間くらいの雨が降った平日に行ってみたら、1時間半待ちと言われて、まじっすか今日は雨ですよ寒いじゃないすか、と並ぶのをやめた銀座のH&M。それからまた10日後くらいに再びトライして、今度はちゃんと店の中に入ったんですよ。もう2週間以上前の話になりますが。やっぱり平日の午後、晴れた日でしたが並んでいたのは10分くらいでした。店内に入ると、たしかに今シーズンのトレンドを前面に押し出したアイテムがどーん!ほとんど山盛りどーん!!そして価格も、金額的にはどーん!とお手頃。なんだけど「来年の冬になったらきっと恥ずかしくて着れないな」っていうくらいのトレンディさと、お手頃値段を反映する質感にかえって迷いが倍増。結局、何にも買えずに店を後にしました。

エコとか不況とかって言うけど、服を作り続ければ資源をそれだけ使い込むわけだし、安い服だって数を買えば金額はかさむし、シーズンごとに買ってればそれもやっぱり経済的じゃないし……なことを帰りの道中で考えてしまったのですが、だからといって服が欲しくないわけじゃない。結局、家に帰ってパソコンに直行、「以前から気になっていたけどちょっとお高いな、どうしようかな、でも買ったら10年は着るな、いや、着てみせる!」と思っていた服をぽちっとな、お買い上げしちゃったのでした。値段は1着でH&Mの服x着分くらいっすかね。われながらちょっとアホかと思いました。H&Mに行った反動で、高い服を買う決心ついちゃうなんて。

数日前にそれが届いて、ほぼ思いどおりで「よかったー、どっか着ていきたいなー」と思うものの、たまに集まりがあるとお好み焼き屋に集合だったりして、まだ着てません。でも全然袖も通さないのはさみしいので、今、仕事しながら着てます。私のほかには誰もいない、木造南向きアパートであります。


追伸:いや、ワンシーズンで引退させるような服の買い方ができないケチな私にはトレンディ過ぎた、ってだけで、H&Mが悪いとか言うつもりはないので、そこのところ、よろしくお願いします。
2008年10月25日(土) 18:38 [ ひとりごと ]
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サラ・ペイリンまとめ
CNNによる各種世論調査の平均値「Poll of Polls」でもオバマのリードが10パーセントを超えた今、マケインのrunning mate(副大統領候補)サラ・ペイリンの賞味期限もあと2週間だろうなあ、ということで。

ペイリンは、オバマを支持しきれないヒラリー・クリントン派の女性を取り込むことを主目的としてマケインの一本釣りにあった女性。実際、党大会で彼女の存在が明るみに出ると(まさに文字どおり。それまではわずかなオタクとアラスカ州住民しか彼女のことを知らなかったはずだ)、気のきいたというかパンチのあるスピーチのセリフでいっときフィーバーを巻き起こした。女性もかなりなびいた。

で、それから2か月。今でもペイリンフィーバーは終わったわけじゃない。でも、それがどんなフィーバーかというと、それは「少女アイドルのファンクラブ」になってしまった。たとえば昨日のニューヨークタイムズの記事:Among Rock-Ribbed Fans of Palin, Dudes Rule

政治集会で「クラクラ来ちゃうぜ!」「結婚して!」とか言う人がいること自体驚きだが(いや、“オバマ・ガール”ってのがいましたな)、ペイリンの集会に集まるのはもはや男性ばかり。それも政治信条なんかじゃなくて、彼女の存在自体が好き、という人たち。どんなところが好きなのか取材してみたようだけど、どうやら紙面に載せるのははばかられた様子。言うまでもなく、女性はとっくの昔に離れた。

先のエントリーで、バイデンとのディベートに臨んだペイリンの目が死んでてコワかったと書いたが、くしくもウォールストリート・ジャーナルのコラムニスト、ペギー・ヌーナンが「(ペイリンは)物をはっきり考えていない。単に口に出しているだけだ」「真剣に話しているわけではなく、単に場を盛り上げようとしているだけ」と書いている。これは、ディベートでイタコみたいにしゃべっているときだけでなく、集会などでするスピーチでも変わらない。特に集会でオバマの悪口を言う時のペイリンの目は、メガネ(ちなみに日本製)の奥でらんらんと光り、オバマのあることないことをいかにも楽しげに、聴衆を煽る効果満載でしゃべる。シカゴを拠点に活動した過激派活動家とつながりがあるとか(たしかに、その後教育学の教授となった活動家とオバマは社会活動系の組織でつながりができるのだが、この人物がテロリストと呼ばれる活動家だったころ、オバマは8歳だった)、オバマの経済政策は社会主義だとか(社会主義、socialismという言葉は、日本人の想像をはるかに超えてアメリカ人にアレルギーを引き起こす。分かって使っているのは明白だ。必ず決め台詞として口にするから)。マケイン陣営は負けを意識してネガティブキャンペーンに磨きがかかるようになり、その先鋒を切っているのがペイリンなんだと思うが、嬉々として、いや、ネガティブキャンペーンのためのネガティブキャンペーン、いや、つまりヌーナンの書いたことは正しい。彼女は何も考えずにあんなに毒の強いことをしゃべっているから、生理的に奇妙な感じすら覚える。ええい、誤解を怖れずに言えば、気持ち悪いです。

「ホッケーママとただガツガツした人の違いは口紅」というスピーチでブレイクしたペイリン。自らの「口紅」性を強く意識していることには当初から違和感があった。美人でやり手で、結婚して子どもも育てて、というスーパーウーマンの自己像を持っていることも伝わってきて、それも変だと思った。彼女のバイオを調べると、高校時代に出場したミスコンテストで2位になり、その賞金で大学に通ったそうだ。文字どおり自分(=女性性、容姿)を資本にして、パワー(実力と権力、どちらにも訳せる言葉だ)への道を切り開いた人物と言える。

それからもう20年は経っているはずなのだが、ペイリンの女性性、容姿という資本は涸渇していない。それどころか、アラスカの田舎町の市長から州知事、そしてアメリカ副大統領候補に抜擢されるまでに活用されている。その証拠に、ペイリンのスカートは今でも、メディアに露出する女性(セレブ系は除く)の平均よりちょっとだけ、短い。ヒールの高さもちょっとだけ、高い。そもそも、公の場で(高いステージに上がってスピーチする時でも)パンツ姿でいるところをほとんど見かけない。

ヒラリー・クリントンはセンスがあまりおよろしくないことが有名なので比較対象にならないが、連邦下院議長のナンシー・ペロシなんかと比べると明白。ペロシの家は代々政治家一家で裕福なので、アメリカの政治家の中でも彼女の服にはお金がかかっている。でも、それがあんまりイヤミじゃない。もう60を超えている(孫だっている)のに色気があるが、それは誰かに向けられたものではなくて、本人が意識せずともそこはかとなく香ってくるものだ。ペイリンに色気があるとしたら、それは利用するために意識して出しているものなんだろう。だから、遠い国でテレビを見ている日本人(女)にとっては生理的な違和感、ひいては嫌悪感になったし、何も考えていないアメリカ人男性はホルモン系を直接やられてしまったんじゃないかな、と思った次第。

マケインの人選というよりは、アメリカで女性がのし上がっていくことの難しさも感じます。貧乏育ちでダサいと陰口を叩かれても実力でのし上がったヒラリー、家柄の良さのペロシ、そして力を得るために女性性を思いっきり利用したペイリン。同じ女性として考えるところはあるけど、あんたみたいに度胸しかないような女(テレビ初露出のインタビューで連発した言葉は「びびってられませんよ」だった)をアメリカ帝国の第2のリーダーなんかに据えることはできないわ。だって、フェミニズムなんか唱えているうちに戦争が始まって、自分の身が危なくなってしまうもの。

<追記>
いやあ、こんなに長いエントリーなのに、追記します。
ペイリンが自分の女性性をも利用して得たい物、それは表面的には「政治家としての地位、権力」かもしれませんが、深層では「自己実現」しかないように思います。辺境とはいえ一つの州をあずかる政治家として、策がなさすぎるし(やったことといえば、アラスカにとって生命線の産業だからよかったが、単に夫がいる業界、自分の生活に一番近い部分である石油産業の誘致だけ)、副大統領になろうって人が、経済や外交に関して期末テスト並みの詰め込み勉強をするものか?国政に対するビジョンさえ、最初から持ちあわせていないのだ。そんな彼女がなぜ政治家として生き、そして高い地位に乗り出していくのか?それは、アメリカの高校でチアリーダーがちやほやされるような感じ、資質と努力をあわせて初めて得られる、あの達成感が欲しいからじゃないだろうか。何千人と集まる集会で決して品の良くない調子でオバマを攻撃しているペイリンは時おり、何千人から拍手やブーイングなどスピーチの反応を引き出しているだけで満足しているような、陶酔感を感じさせる目つきをする。今を生きていることに満足しているような。こんな人が、よもや間違うと世界のアメリカ大帝国を預かっちゃうのかもしれないと思うと(仮にマケインが大逆転で大統領になった場合、任期中に70歳を超える<ー10/22追記ーまちがえた!マケインは1936年生まれなので今年72歳。「すでに70歳を超えている」が正しいですが、こないだ辞めた福田さんと同じ年なんですよね。なので年齢論議は一口に言えないところがありますが、マケインはメラノーマという皮膚がんの一種の病歴があるし、今は福田さんと違ってこの先4年を務めるのかどうかって話ですから、やっぱり言っときます>マケインが倒れたら、継承位のトップはもちろんペイリンです)、本当にこわいのです。
2008年10月21日(火) 14:18 [ ひとりごと ]
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ここが漢の見せどころ
金曜日に「火曜日を締切にお願いします」という“この三連休、あたしにいったい何をさせたいわけ?”と思わず突っ込みたくなるような依頼が来て、どうにか締切を1日だけ伸ばすことに成功。でも、分量はあまり多くないし、三連休のうち一日だけ仕事をすれば何とかなりそうだと、連休の予定を確定した。昨日は渋谷に行ったし、今日は映画を見に行こうと思っていた。

ところが、映画の上映時間を確かめるべく昼過ぎにコンピューターを立ち上げると、一通のメール。フリーに転身した、雑誌の以前の担当編集者氏だった。明日の昼までにしあげてほしい翻訳があるとのこと。ご本人も英語ができないわけではないのだが、ほかのことでいっぱいいっぱいになってしまって、それどころではないらしい。送信は1時間半前。「おいおい、私が気づかずに出かけてしまっていたらどうするつもりだったんだ」とツッコミを入れながら、あわてて添付ファイルを開く。ワードカウントで1000ワードちょい。ざっと目を通して確認すべき点を整理し、本人に電話。相当にせっぱつまっているらしい。「全部に目を通して、ご希望の日時に仕上げられるか判断してからもう一度ご連絡します」と言って電話を切る。時間を計って読み始めたところ、なんと15分もかかった。インド人のインテリ階級の人が、ちょっと哲学的なことを話している。ただ、最後のページを読み終えた時には、最初のページでとまどっていた文法的なクセに少し慣れてきていた。

今日映画を見に行けないと月末まで行けないかも、と思ったが、もう一度電話。先方はなんと打合せ中らしく(だって、三連休の中日の日曜日ですよ)、留守番電話に「お引き受けしました。明日にはかかってしまうかもしれませんが、事情が事情ですからなるべく早くお送りします」そして「覚えていてくださって光栄です。よろしくお願いします」と吹き込んだ。

そうだ、ここが翻訳者の漢のみせどころ。しばらく没交渉だった人に泣きつかれるって、実はものすごく嬉しかったりする。このあと仕事が復活したりすることもあって、それも嬉しいが、何より頼りにされるのが嬉しいのだ。「頼りにされる、必要とされる」を動機とする働き方ってよくないっていうけど、翻訳者にはこういうタイプ、確実に多いと思う。

かくして「グーグーだって猫である」をあきらめ、翻訳にとりかかった。

インド人のインテリの独特の文法と語法は正直言って骨があった。努めて原文に忠実に直訳を心がけて数時間で全訳。一晩寝かせて明朝納品でいいかなあ、と思っていたのだけど、明日は本来の仕事をせねばならないし、掲載レベルでなくていいと言われたのでお言葉に甘えて、さきほど納品。

漢、見せられたかな???

ということで、今日のエントリーは自己陶酔型武勇伝でした。
2008年10月13日(月) 00:16 [ 日記 ]
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酔いどれの思い出話
三浦元社長 ロスで首つり自殺、というニュース。この事件、こういう終わり方をするとは。

当時は「ロス疑惑」と呼ばれていて、「ロス」は「ロサンゼルス」のことだと知りました。サッカーの世界で「みうらかずよし」が出てきたころ、あの人の名前と一緒じゃないか、と思ったりしたのは私だけではないと思いますが、どうでしょう?

マイミクがカーヴァーの「大聖堂」でレビューをあげていました。私の中で「大聖堂」はカーヴァーのみならず、短編小説オールタイムベストワンです。カーヴァーは大学の授業で1年間読み込んだ作家で、それだけでも個人的な思い入れがあるのですが、「大聖堂」については、カーヴァーの後期の作品でもあり、彼も救済のあると言える人生の結末を得たのかとストーリーだけでなく涙した作品です。

授業はアメリカ人の先生に学生は日本人が自分も入れて2人、そしてシンガポール人が1人という超インテンシブな環境でconflictとかrecognitionとかを追究するアメリカ式の読解をたたきこまれました。エッセイを書いても先生に「ここ、意味不明」「ここ、論理の裏付けがない」とさんざん突っ込まれたもんです。当時、授業で扱う作品の英語の解釈に困り、図書館で村上訳をひもといたら、それまで自分が英語で心もとなくも読み取ったのとはまったく違う世界観が広がっていて衝撃を受け、のちには一度もカーヴァーの村上訳を開いていません。
(「ギャツビー」と「ライ麦畑」は村上訳を読みました。村上訳がだめという意味ではないです)
彼にもぜひカーヴァーを原語で読んでみてほしいと思います。

今日は、中学時代の友人が渋谷のタワーでインストアライブをするということで、もう一人の中学時代の友人と行ってきました。ライブをする子は私の2つ下、一緒に行った子は1つ下です。中学校の生徒会室で出会い、3人で全員が大学に入るころまでつるんでいましたが、キャンパスが遠かったり、留学したり、実家を離れたりで10年近く音信不通になっていました。それが、一人が結婚式を挙げ、もう一人がある雑誌の電車の中吊りに登場したことで再びつながることになったわけです。ライブの客はたぶん“身内”が多かったと思うのですが、その中でも私たちは家族レベルの身内度。スタッフの人に「前が空いていますからどうぞ」と言われてもはずかしくて、いちばん後ろで見ていました。

ライブ終了後、その場で彼が出したばかりのアルバムを買って、はずかしいはずかしいと言いながら行列に並び、私たちを前に大汗をかいている本人からサインをもらって、3人で写真を撮りました。
「二人がいるのはステージに上がったかなり早い段階に気づいたんですよ。いやあ、あせりました」
と言われましたが

やつがここで演奏し、それを中学の英語教師と翻訳者になった二人が見ている

という感慨もきっと共有してるんじゃないかと思います。

その子と別れたあとは、二人で演奏者と縁の深いブランドのショップをパルコに見に行き、近くのアジアン系無国籍ダイナーで3時間くらいしゃべって帰ってきました。当時は電話で6時間とかしゃべってたから、だいぶ大人になったもんです。学校は親と教師の個人的なつながりをもっと深めるべきなんではないか、とかそういう話は、当時とは様変わりしたようなしていないような。

ロス疑惑とカーヴァーの体験は、今日体験した2人との時間の前後にあるものです。

たぶん朝には消すと思うので、これを読んだ人は感想いかんにかかわらずラッキーだと思ってください。この連休、いいことあるよ。
2008年10月12日(日) 03:37 [ 日記 ]
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