女のきもの道

2007年06月
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「東をどり」はおいしい [2007年06月28日(木)]
わたし、あまりに好きなもので、「東をどり」には
ほぼ毎日出かけてしまいました。

だって、舞台は素敵。
セレブなお客さんを見物するだけで楽しい。

何度行っても行きたりないくらいでしたが、
今年はおいしくって新しい試みがいくつかありました。

おいしかった〜!!! その1
●6料亭のお弁当

コーンや枝豆ごはんの「米村」(左上)、
焼き空豆ごはんを舞扇形に抜いた「金田中」(右上)、
鶏の炊き込み豆ご飯の「やま祢」(左下)、
卵の色紙散らしグリーンピースごはんの「吉兆」(右下)

新橋を代表する
「吉兆」「金田中」「新喜楽」「やま祢」「松山」「米村」
の6つの料亭が二階席の券とセット販売でお弁当を出していました。

これらの料亭は当然、一見さんお断り支店はあっても、
本店であるこれらの料亭の料理が外に出回ることなどありません。

劇場ではなく、昼に地下食堂でいただきます。
おもしろかったのが、どの店のお弁当があたるかは
ふたを開けてのお楽しみだったこと。

4人で訪れたわたしたちは
「吉兆」「金田中」「やま祢」「米村」を引き当てました。
豆ごごはん、牛肉のしぐれ煮、「東をどり」の焼き印付き
玉子焼きなど、献立はすべて同じ。

それを各料亭がそれぞれの解釈で表現したということで、
どれも顔つきが違う。全部食べてみたかったけど、
「吉兆」だけで十分満足できました。

おいしかった〜!!! その2
●泡酒処のドン ペリニヨン


これまで幕間のブレイクスポットといえば、
芸者さんがお点前を披露するお茶席でした。

それが、今年はドン ペリニヨンが飲める
「泡酒処」が設置され、人気を集めていました。
ドン ペリニヨンは1杯2000円。
おつまみに「金田中」製の鯛の昆布締めが付くんだから、
かなりお買い得だったと思います。

おいしかった〜!!! その3
でも、一番おいしいのはやっぱり…
艶やかなキモノ美女ですよね。

●原色キモノ美女図鑑 no.008
新橋の芸者 のりえさん


おみやげ売場では新橋グッズも販売。
のりえさんが持っている
「東をどり 新ばし花柳界 発祥百五十年記念」うちわや、
芸者さんの名刺である、千社札も売られました。

このうちわ、よーく見ると新橋色で縁取られ、
下に新橋ブルーの房が付いてるんですよ。

これに1枚100円也の千社札をペタペタ貼って
カスタマイズするのです。


だから、山テンコに千社札付きな
のりえさんお持ちのうちわなんぞ、
すごい高級品というわけです。

主演女優 羽田美智子 [2007年06月25日(月)]
友人である羽田美智子は
日本で最も着物の似合う女優のひとり。

というわけで、
●原色キモノ美女図鑑 No.005
女優 羽田美智子さん


美人女優である彼女と親しく付き合うようになって
そうかあ、とわかったのが
顔でお金がとれるほどの美女であっても
女の子としての悩みは一般ピープルとまるで同じだということ。

「もうちょっと私が美人だったら悩みなんてなくなるのになあ」
なんてことはないのです。

わたしたちと同じように恋や仕事で悩む“みっちゃん”もまた、
山あり谷ありの人生を必死で生き抜く女性のひとり。

そんな彼女が主演した映画
Watch with Me 〜卒業写真〜
観て参りました。


40歳そこそこの夫が末期ガンだと判明。
残りの日々を彼の生まれ故郷で過ごし、看取るという
話ですから、「あーおもしろかったー」というスカッと感はありません。

ですが、身近な人の死に目に合う機会が増えてくる
30代以降のわたしたちが観ると、いろいろ考えさせられる
ことがあるとてもいい映画です。

近づく死と向き合いながら、生きていく夫婦の
関係にはリアルな緊迫感があり、
2年前にガンで夫を亡くした私の母や、
現在、転移したガンと闘う夫をもつ叔母には
この映画は見せられない、と思いました。

映画を観るまでは絶対泣いちゃうからマスカラは
付けないでいこう、ハンカチじゃなくてタオルを持っていこう
と号泣に備えていたわたしですが、
結局、ひと筋の涙も流しませんでした。

いつかは誰にでも訪れる、死という現象。
またいずれ経験するであろう、家族を見送るということ。
そういったことを泣いて騒ぐのではなく、
静かに受け止めつつ、
その後も生きていく自分の足元を固めていきたい。
そんな気持ちで映画館を後にしました。

超セクシー! ビバ80代 [2007年06月21日(木)]
どうして女性の一部は年を取ると「おばさん」ではなく「おじさん」みたいになっちゃうんでしょうね。女性ホルモンが減ってくるからしょうがない、というのは色っぽい2人のおねーさんを見る限り、言い訳のように思えてきます。

●原色キモノ美女図鑑 No.006
新橋の芸者 小千代さん(右)

●原色キモノ美女図鑑 No.007
『小すが』の女将さん(左)


女性の年齢を公開するのはマナー違反なんですが、ざっと6千万人はいるであろう日本女性の未来への希望のために言っちゃいます。小千代さんは御年、なんと82歳!!! 新橋で最長老の現役芸者の方なんであります。

「東をどり」千秋楽では舞台の真ん中に座し、「さあ、みなさまお手を拝借っ!!」と音頭を取り。会場一斉にシャシャシャン・シャシャシャン・シャシャシャン・シャンッ☆ 気持ちよく最後を締めくくられたのは気っ風のいい小千代ねーさんあってのことといえましょう。

小すがの女将さんは今は芸者という立場を退き、『小すが』(料亭? 待合い? 今度聞いてお知らせしますね。とにかく、芸者さんを呼べる小ぶりなお座敷のあるお店です)の女将をされていますが、かつては美貌と芸に秀でた名妓でした。

ちなみに『小すが』は大日本帝国の海軍大将、山本五十六も足繁く通ったというお店。時代の変遷でいろんなお客様がいらしているようですが、今でも海軍系の紳士御用達であるようです。

時代は変わっても、プッツリと分断されずに受け継がれる過去がある。それが伝統となるのでしょうか。少なくとも新橋にはその命脈が生き続けています。

芸妓と芸者 [2007年06月14日(木)]
演舞場の前に黒塗りの車が次々と停まる。
降りてくるのは 
 あ!
IのH社長、あ! S元社長のIさん!
大物財界人の他にも歌舞伎俳優や女優さんなど、テレビでお馴染みの顔を見かける。というのが「東をどり」毎年恒例の風景です。

芸者衆が「よそ地」と呼ぶ、新橋以外の花柳界で活躍する女性たちの姿もみえます。初日には祇園から照古満(てるこま)さんがいらしてました。

●原色キモノ美女図鑑 No.002
祇園の芸妓 照古満(てるこま)さん


3年前、初めて照古満さんと会った頃、彼女はまだ舞妓でした。それが、その数ヶ月後に雑誌で取材させてもらったときには芸妓に姿変わり。その後、会うたびにきれいになって……抜けるように白い肌にため息が出ます。この日、お召しの帯は菊唐草の地模様から察するに、京都『ゑり萬』製と思われます。

京都がはんなりなら、江戸は粋が芸者の身上。
新橋でその名を知られた清葉ねーさんは黒紋付きで舞台に臨みます。

●原色キモノ美女図鑑 No.003
新橋の芸者 清葉さん


気付きました?
祇園は「芸」、新橋は「芸」。
花柳界で芸&接客にいそしむおねーさんの呼称は土地によって違うんです。

それから、清葉さんは清元をうたう「地方」なので顔は白塗りにしてません。白く塗るのは「立ち方」と呼ばれる踊り手だけです。

たとえば、
●原色キモノ美女図鑑 No.004
新橋の芸者 小いくさん


小いくさんは今、新橋で最も旬の男役の踊り手の方。今年は宮本武蔵の巌流島の決闘を踊りで表現した「芸者の四季 三景」で小次郎役を務め、手足がスーッと伸びていく様子、要所要所でスパッスパッとキレのある動きで見せ場を作っていらっしゃいました。

前にお会いしたときは着物も髪型も凛々しい男役のものでしたが、この日は「今日はオカマなの」。色気と粋がブレンドされた女姿も素敵でした。
 

金田中の若女将さん [2007年06月12日(火)]
これからしばらくは世の着物美女という着物美女が
集結した「東をどり」シリーズを展開していきたいと思います。

●原色キモノ美女図鑑 No.001
 金田中 若女将 のりこさん

*ご本人の希望により、写真掲載を
 控えさせていただきました。

芸者が舞台を務める一方、料亭の女将たちは
お客様へのご挨拶やらなんやらに大忙し。

東をどりの期間中、女将さんたちは揃いの着物で
お出ましになります。
東京を代表する名料亭「金田中」の若女将、のりこさん
のお召し物の色にご注目ください。

淡い青緑色と申しましょうか。
この色が「新橋色」という色で、
新橋の芸者さんが好んで身につけるとされています。

クリームソーダのようなトルコブルーのような
色の「新橋ブルー」と呼ばれる色と並んで新橋好みの
着物の色となってます。

みなさん、帯締めでご自分の個性を出されていました。

はじめまして [2007年06月07日(木)]
はじめまして。
今日から着物ブログ、始めます。

ウンチクいろいろは、知識豊富な方々にお任せ。

このブログでは今、生きている着物美人を
ライブなヴィジュアルとともにご紹介させていただきたいと
思います。

たとえば、
銀座のホステス、祇園&新橋の芸者衆、料亭の女将
といった着こなしのプロの方々。
それから、茶道や踊りをされている、マダム&お嬢様方……

見ているだけで、着物ってきれいだなー、
楽しいなーというブログを目指してがんばります。

で、記念すべき第一回目は
不肖、わたくしめのお着物紹介。

新橋芸者の年に一度のフェスティバル「東をどり」の最終日、
5月31日、今年は新橋花柳界が誕生して150年という節目
ということもあり、張り切ってお着物選ばせていただきました。

黒地のちりめんに蝶が舞う小紋。
これはある日突然、うちに送りつけられたものです。

送り主は1年半ほど前、
店を潰し、自己破産して失踪してしまった銀座のマダム。

周りでは消息不明ということで、心配していた矢先、
しわくちゃに丸まった状態で届いたのでした。

同封の手紙には
「他の着物はすべて処分しましたが、
これだけはたえちゃんに着てもらいたかったので送ります」
とありました。

「私には両親が残した遺産があって、お金持ちだから
 働かないほうが儲かるのよ、利息で」
と言っていたマダム。

「お金が出て行くばっかりだけど、
 男に貢ぐと思えば、店やってるほうがずっといい。
 店は浮気しないから」と言っていたマダム。

いつもブランドものを身につけ、
贅沢にとりまきを引き連れて遊び回っていたマダムの、
華やかなりし、往時が偲ばれるその小紋は
高級呉服店「ゑり善」のたとう紙に包まれておりました。



東をどりの大ファンだったマダムも、
今は潜伏中の身の上。
とてもじゃないけど、かつてのお客様たちが
集まる演舞場へは出てこれません。

この小紋はマダムの分身。
身代わりとなって舞台を堪能してくれたでしょうか。

いつかまた、戻ってこられる日がきたら
一緒に東をどり、行きましょう。
その日まで、この着物、大切にあずかっておきます。
体だけは気を付けて、お元気で。

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