お葬式のきもの。 [2007年10月11日(木)]
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父の葬儀の朝、
その母親である90歳の祖母が言った。 「この喪服ね、30年前に作ったんやけど 今日初めて下ろしたの。 ちりめんの上等な着物なの」 ![]() わたしはわたしで通夜のとき 妹の帯が新しいことを羨ましく思い、 翌日の葬儀のときは妹の帯と取り替えてもらった。 また、とある未亡人はわたしにこう語った。 「主人の葬式のとき、それは悲しかったけど 昔、好きだった人が弔問に来てくれて、 もう、30年ぶりよ。 そしたら、急に自分がどう見えていたか 気になっちゃったの。 妹に、わたし、髪振り乱して みっともなくなかったかしら?って。 そしたら、おねえさん、 喪服は未亡人をとても魅力的に 見せてるから大丈夫よって言ってくれたの」 不謹慎でしょうか。 不謹慎ですよね。 でも、不祝儀のときですら、きものが気になってしまうのは 日本女性の性ですね、きっと。 愛する人を失い、胸が潰れそうでも きものへの執着はあり続ける。 わたしたちは白いきものに包まれ、 お棺に入って焼かれる日まで きものと関わっていくのでしょう。 |
Posted at 20:08
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