読売巨人軍の人気投手として活躍し、
現役引退後はキャスターやコメンテーターとして活動の場を広げる宮本和知さん。
今年3月には、ジェネリーノにとっても縁のある葉山町で
少年野球チームを設立したという。
その名も「葉山巨人軍」。
地域の人たちからは「葉山ジャイアンツ」と親しまれ、
チーム結成からわずか半年ながら、着実に町に根ざしつつある。
宮本さんと少年野球。
その意外にも思える組み合わせに大いなる興味を抱き、
さっそくチームが練習するグランドへと向かった。
すっきりと晴れ渡った日曜日の昼下がり。
「さー、いくぞ!」 午後1時からの練習開始を待たずに、
大きな声で子どもたちを鼓舞しながらノックをするのは宮本さんご本人。
表情イキイキ、「野球が好きでたまらない!」というのが遠目にも伝わってくる!

グランド脇では、奥様の奈緒子さんが笑顔でチャキチャキと
マネージャー業務をこなす。
そう、葉山ジャイアンツは宮本さんご夫妻が二人三脚で作り上げた、
二人にとってはわが子のような存在なのだ。
「2年前に葉山に引っ越してきたとき、
ご近所の方から『ぜひ葉山に少年野球のチームを作ってほしい』
と頼まれたのが、そもそものはじまりです。
葉山ではソフトボールのほうが盛んで、小学生の子どもたちが
野球をする環境がなかったんです。
そういう声を多く聞き、自分たちも葉山に暮らし始めて、
どんどん町が好きになったものだから、『よし、僕にできることであれば…!』
と、女房とふたり、チーム結成に踏み出したんです」
とはいえ、まったくのゼロからのスタート。
まずは場所を確保しなければならない。
ふたりは教育委員会や町内の学校に何度も足を運んだ。
どんなに宮本さん自身が有名人であっても、
宮本さんが率いる少年野球チームは新参者。
ソフトボールやサッカーなどさまざまなスポーツチームで
グランド使用がフル状態のなか、
『なぜ、今、少年野球なのか』を地道に説得していく日々。
グランド使用の目処がたつまで、なんと1年近くかかったという。
こうしてチームが発足してからも二人三脚ぶりは変わらない。
毎週土日の2日間、陽が暮れるまで、宮本さんは子どもたちと一緒に野球少年に戻り、
奈緒子さんは71名の少年少女たちとコーチという名の
大きな子どもたちの母となり、グランドを走り回る。
実は、奈緒子さんは妊娠6ヵ月。
宮本さんとしては母子の体が気になる今日この頃なのだが……。
「あいつも好きなんですよ!
みんなと一緒に大きな声を出してグランドにいるのが。
本当はそろそろ家でゆっくりしてほしいんだけど(笑)」
もし自分一人だったら、絶対、チームづくりなんてできなかったという宮本さん。
奈緒子さんの力強いサポートがあってこそ実現した葉山ジャイアンツ。
いま、ようやく確かな一歩を歩み始めたところである―――。
取材/文 室作幸江