小学生の野球といえば、硬式ボールを使ったリトルリーグが頭に浮かぶが、
宮本さんが総監督を務める葉山巨人軍は
あえて軟式野球に取り組んでいる。それはなぜか?
「プロ野球OBによる野球教室で全国を回っていたときのこと。
たまたまリトルリーグに入っている子がいたので、
バッターボックスに立ってもらったんですよ。
すると、その子はボールをなぜか避けてしまう。ボールが怖いんですよ。
練習中にボールが当たって痛い思いをしているから、
恐怖心が先に来るわけ。それを見て、成長の途中にある小学生にわざわざ
硬式野球をさせる必要はない、とはっきり思いましたね」
宮本さんによれば、読売巨人軍に所属する25歳以下の現役選手15名に
アンケートをとったところ、小学生時代に硬式野球を経験した人はゼロ!
ソフトボールもしくは軟式野球経験者だったという。
「子どものうちは、とにかく早くボールに慣れ親しんでほしい。
どれだけの力を込めれば、どこまで飛ぶのか。
どんな軌道を描いて、どこに落ちるのか。
そうした感覚は経験しなければわかりませんから。
まずは、ボールに対する恐怖心をなくす。だからこそ軟式野球なんですよ」
指導者としてのこだわりはボールだけにとどまらない。
その教え方も然り。
3年前にロサンゼルスでスポーツ心理学を学び、
メンタルトレーナーのライセンスを取得した宮本さんだからこその持論がある。
「いまの時代、どういうふうに子どもたちを育てていくか?
なかなか難しいですよね。
ガツンとこちらが強く言うと、シュンとなってどこかに行ってしまう子たちも多いから(苦笑)。
だからこそ、叱ったときには必ずフォローの言葉を入れるようにしていますね」
宮本さんいわく、叱ることは大事。
でも、ポジティブな言葉を使うことで、
モチベーションを上げることがいちばん大切と、きっぱり。
「たとえば、『キミ、足は速いけど、バッティングはイマイチだよね』
と言えば、聞いたほうは『そうなんだ…』とがっかりしてしまうけど、
『キミ、バッティングはイマイチだけど、足は速いよね!』
と言えば、『ハイ、ありがとうございます!』ってうれしくなるはず。
事実はひとつだけど、
言い方次第で落ち込みもすれば、俄然やる気にもなるんですよ」
確かに、そのとおり! 大人だって後者のように言われれば、
気持ちが自然と前向きになる。純粋な子どもであれば尚のこと。
「人の心をつかむには、褒め上手、聞き上手になること」
と宮本さん。
なるほど、普段の子育て生活にもぜひ取り入れたい教えである。