芸術の秋 [2006年10月08日(日)]
「 田中一光 」
この大きな山はつねに柔らかく、
いまなおふだんに成長しつづける山なのだ。
いまなおふだんに成長しつづける山なのだ。

田中一光のような存在について言葉をもって直接的に語ることは難しい。というより不可能に近い。しかたがない。比喩という間接的方法を奥の手として使うことにしよう。
私が田中を考えるとき、かならず連想するイメージがある。それは山だ。大きな山だが、けっして人間を拒む嶮しい山ではない。あくまでも優しく、なだらかで、登る人を受け容れる登り口をいくつも持っている山だ。
それらの登り口を便宣的にロゴタイプ、ポスター、カレンダー、ブック・デザイン、グラフィック・アート、あるいはトータル・イメージ・メーキング・・・・・・などと呼んでみてもいいだろう。
(1993年4月 詩人:高橋睦郎 評論より抜粋)
私が若い頃から最も尊敬する、世界を代表するグラフィック・デザイナーの一人「田中一光」先生。2002年1月10日永眠。 享年71歳。青山の自宅近くで倒れて、急逝したことで私は大きなショックをうけました。

1930年奈良市生まれ。1950年京都市立美術専門学校(現京都芸大)卒業。
鐘淵紡績、産経新聞等を経て、1960年日本デザインセンター創立に参加。1963年田中一光デザイン室主宰。日宣美会員賞、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ銀賞、毎日デザイン賞、芸術選奨文部大臣新人賞、ニューヨークADC金賞、東京ADC会員最高賞、毎日芸術賞、日本文化デザイン大賞、TDC会員金賞、朝日賞、第一回亀倉賞などを受賞。また、N.Y.及び東京ADC殿堂入り、紫綬褒章受章、文化功労者表彰。西武美術館、N.Y.クーパーユニオン美術大学、L.A.日米文化会館、奈良県立美術館、パリ装飾美術館・所属広告美術館、メキシコ現代美術文化センター、ミラノ市現代美術館、富山県立近代美術館、サンパウロ現代美術館、東京国立近代美術館フィルムセンター、バウハウス・アーカイブ・ミュージアムなどで個展。
著書に『田中一光のデザイン』、『デザインの周辺』、『田中一光デザインの世界』、『デザインの仕事机から』、『デザインの前後左右』、『田中一光自伝 われらデザインの時代』などがある。


他界される数年前に、中野の料理屋で田中一光先生と会食をする機会に恵まれました。その際に著書と本人直筆のサインを戴きました。何よりも大切にしている私のお宝です。







