| フィギュアスケート私見 |
いやあおもしろかったね、一昨日のオリンピック、フィギュアスケート。
今週は締切に向けての夜中の作業が多かったので、1〜2時間寝た後目覚ましかけて明け方起きてテレビ観戦。という日々が続いたため、寝不足溜まって締切明けの昨日は頭痛、というか、起き抜けに肩が上がらず顔面が痛い、というコワい調子を体験してしまった。すわ、四十肩か?と思ったが、幸いしばらくしたら動けるようになり。齢だね、これは…。
で、そのフィギュアスケート、あちらこちらで喧々囂々やっているので、じゃ、私もひとつ、参加をば。
オリンピックのときくらいしか見ない程度のファンなので採点方式など詳しいことは知らないが、私はあの順位に納得。
ショートプログラムのときからその差は既に見えていたと思うけどな。キムヨナの方が、圧倒的に上手かった。
いや、真央ちゃんも上手かったけど、なんというか、キムヨナの方が余裕がある滑りで、かつ自分をよくわかっている演技だった。ゆえに完璧に演技ができれば、それは自分を表しきったと言えるんだろうな、と納得できる演技。
日本のメディアは、実は真央ちゃんの方が実力があったとかいろいろ書いているが、うーん、どうだろう。
何をもって実力というか、にもよるけどね。
ジャンプの高さは真央ちゃんの方が高いけど、スピードや安定感はキムヨナの方があった。それに腕から指先にかけての滑らかな動きはキムヨナのそれは他の選手よりもすば抜けて美しかった。
そして自分の見せ方もよくわかっている。選曲は振り付けは、彼女の長所をよく引き出している。
比べて真央ちゃんは、そして表現力が豊かと書かれている安藤美姫も、私にはそう思えなかったよ。
技術力があると言われる高いジャンプを繰り返してもそれだけで、それ以外の見所がなかった。話が少し逸れるが、安藤選手のクレオパトラも試みは買うけど、彼女の体つきにあってなかった。ああいうくねくねした細かい動きは、真央ちゃんみたいな手足の長い人が踊ってこそ引き立つと思うのだけど、どうでしょう?もっともまだ真央ちゃんにはクレオパトラの表現は難しいかもしれないが。
日本のメディアはこぞって彼女たちの表現力を褒めるのだけど、そうだろうか。真央ちゃんもとても上手いと思うけど、私は以前から彼女の表現がいまひとつだと思っている。なんというか、深みや迫力がないんだよね。今回のラフマニノフの曲でも、ロシア帝政時代の状況の重さを表現したらしいが、彼女がどんなに切羽詰まった顔つきを作っても、大きく手を広げても、その重さは表現しきれてなかったよ。身の丈に合っていないというか。
そういう意味では鈴木明子はとっても魅力的だった。振り付けは彼女の得意技や長所をよく生かしているし、本人も実に自分の魅力を顔も体も全て使って表現していて、心を動かされた。ユーロスポーツ(チャンネル)のコメンテーターも、息を呑んで彼女の演技を褒めていたっけ。
今回見ていた中で、鈴木明子とキムヨナが、自分にぴったり合う表現を見つけて演技をしていた、というのが私の思うところ。
キムヨナが演技表現を中心にし、ゆえに身体能力を競う作戦を取っていなかったことを批判する声もあるが、アスリート的じゃない、という見方は狭いと思う。
アスリートは身体能力だけじゃない、知性も必要だ。身体能力を駆使したからといって勝てたりするものではない。
ふと思い出したのが、相撲取りの舞の海。
彼はプロの力士になるための標準身長がなかったゆえ、身体検査のときだけ、頭のてっぺんにシリコンを埋め込んで検査をパスしてプロになった。そのあとも、体の小ささをカバーするべく、あれやこれやの技を考え抜いて戦った人だ。
それはどのスポーツであっても同じこと。
キムヨナがジャンプで浅田真央に勝てないならば、別の角度から作戦を練って勝負を打つことだって、それはアスリートとしての戦い方として真っ当だ。
さて戦いが終わって、あれこれニュースサイトの記事を読んでいて知った。
キムヨナってさぞかし金持ちの娘かと思いきや、普通のお家で家族皆が協力し合って彼女を支えてきたとのこと。
選手村に入らずにホテルに缶詰になる状況がいいのか、幸せなのかどうかはわからないが、でも彼女の精神力の強さがどうしてあるのか、ちょっと納得した。
きっと彼女も支えてくれる家族や自分を取り巻く経済的な状況に対してものすごいプレッシャーと責任も感じていた筈。這い上がりというか、そういう強さが自信となって演技にも表れているのかもね。
浅田真央は確かに天才かもしれないけど、そして彼女のおっとりした愛らしさも魅力だとは思うけど、それは戦いの場ではやっぱり残念ながら負に出たのかもと思う。彼女の今のところの感性ではあのラフマニノフは表現しきれないだろうし、そしてやっぱりキムヨナの気迫にも負けてしまっている。
もしもっと明るい選曲で演技をしたとしても及んでいたかはわからないな。
それだったら、一度挫折を経験している鈴木明子が魅力的に踊った演技の方が強さがあると思う。
芸術家は貧乏か金持ちか、どちらかの状況からしか出てこない、という話をよく聞くけど、この2人はなんとなくその話を思い起こさせて、さらに言えば、やっぱりそのテーマ以外の人生で苦しさを体験している人間の方が、やっぱり強さや深みが出るよな、と思ったのだった。
滑り終えた途端に涙を見せたキムヨナ。私はとっても素晴らしい、そして人間味のある選手だと思えましたよ。
あそこに行きつくまでは涙を見せないプライドもあっただろうけど、到達できたところで初めて(だそうです)見せた表情は素敵だった。
そしてフォローする訳じゃないけど、表彰台に上っても悔しさを隠しきれなかった浅田真央も、ある意味魅力的でした。彼女はこれからが本当の戦いかもね。頑張れよ。
なんて、熱く語ってみました。
テレビで寝不足になるなんて久しぶり。ふと思えば4年前、ちょうど引っ越してきた直後でまだ家具もなくがらんと薄ら寒い部屋で、荒川静香の金メダルの演技を見たのでしたっけ。早いなあ…、もう4年経つのか。次の4年後はどうしているやら。 |
2010年2月28日(日) 07:27 [ ブログ ]
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