学習塾講師の母・くみこの突然のがん宣告(正確には悪性リンパ腫)。
職場と塾と母宅と病院をうろうろする娘・みちこが書く、母・くみこの病状記録。
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着付け教室その後(くみこ) [2008年05月25日(日)]


この数週間は着付け教室はお休みである。毎週はきついので、ちょっとうれしい。さすがに着物が似合う先生も、結局は着物関連商品を売りたい業者に雇われている講師ではあるし、目が肥えてくれば本物がいいのに決まっているから、偽物(付け帯とか、新素材の着物とか)はやっぱりいけません、本物でなければ発言を度々なさる。

Tシャツ1枚でも、600円のと6000円のでは質の良し悪しは一目瞭然だから(でなきゃ困るが)、本物の良さは十分に分かる。でも、本物でなければ偽物かというと、そうは思えない。

私が今のみちこ位に若かった頃、前の夫は転勤族で群馬に住むことになった。そこの町内会での集まりは、よくあることだが古い会長が仕切っていた。ずっと続いていた慣習にみんなうんざりしていたが、誰も反旗を掲げず帰路で不平や悪口をぶつぶつ言うのみであった。

私がこれに同調する訳が無い。手を挙げて反対意見を言いましたね。もちろん、誰もついては来ません。ただちに却下されました。帰り道、みんなから「私は心の中で拍手していた」「よくぞ言ってくれた」との無意味な同調を受けたのはもちろんの事。

その時の会長の台詞を、着付け教室で再び聞く事になりました。「伝統は守らなければいけません。」私が当時心の中でつぶやいた事をまた心の中で繰り返した。「だったらもっとさかのぼって弥生・縄文の暮らしを守ったらいいじゃん。あんたのいう伝統だって、歴史の中で見ればごく最近のことじゃん?」

伝統が尊いのは、ただ変わらなかったからではない。少しずつ時代にそって進化してきたからだと思う。変わらないのが偉いなら、人類はシーラカンスにその座を譲ろうではないか。と、極論に走るから私は周囲からよけい支持されないのね。

話は戻って、では私は付け帯やポリエステルの着物をよしとするのか、というと、「時と場合による」(昔LL教室でこれを It depends. と教えたっけ)
どちらにもいいところがあるのだから、それは認めよう。頭から否定するのはいけない。宗教だろうと、文化だろうと同じスタンスで考える。

それにしても、着付け教室で発見した事は、いかに自分が和服が似合わないか、ということだった。着物が合っていない(そりゃそうだ、自分のではない)のも理由の一つだが、それにしても、である。こんな風体で出歩く勇気は私にはない。私の技術は、みちこの着付けを手伝うときに発揮する事にする。(親の欲目だが、彼女の着物姿は美しい。家事をしなくてよい、お飾り用に妻が欲しい人、手を挙げてください)
Posted at 11:04 | この記事のURL
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