いよいよ最初の抗がん剤治療が始まった。抗がん剤は点滴で入れる。いかにも抗がん剤です、という真っ赤な点滴だったそうだ。
私(みちこ)は、医師の話、看護士の話、薬剤師の話・・・と、いっぱい話を聞いたせいで脳内メモリの大部分が埋まってしまい、脳内情報を整理するのが大変であった。ただでさえ聞き慣れない話題なのに、薬の名前だの細胞の名前だの専門用語が飛び交い、1分間あたりの情報量がものすごく重たい。かつ、聞き漏らすまいと集中しているので、聞いているだけでものすごく疲れる。頭の横にUSBのソケットがついており、メモリスティックを差し込んでこの重たい情報を記憶できればいいのにと心底思う。
ともかく重要なことは、抗がん剤の副作用で免疫力が低下するということ。
普段だったら寝てれば治るような軽い風邪も、免疫力がないために肺炎をひきおこしたりなど、致命的になり得るので十二分に注意するようにと念を押される。
確かに病棟は二重扉になっており、病棟に入る時には全員必ず問診表に記入し、合格した上で手を洗浄したのちに消毒し、風邪をひいている人、熱がある人などは入り口で追い返され、菌を病棟に入れさせないようになっていた。
では具体的にどのように注意すればいいかというと、とにかく菌を体内に入れないよう、予防するのが大事との事。手洗い、うがいはまめに行う、食器、衣類を清潔に保つ、マスクをつける、などなど。
塾には風邪をひいた生徒がよく来るので、うつらないか心配である。
生徒、保護者のみなさん、セキ、くしゃみが出たら塾を休んでください。
どうかご協力をお願い致します。
病室を出たあと、院内にある美容院で、来たるべき脱毛に備えかつらを予約する。前回骨髄センシで来院したとき、目星をつけていたかつらが入荷されていたので試着する。
さすが院内の美容院だけあって美容師さんも詳しく、今は髪がありますけど、脱毛が始まったらこんな感じになります・・・、次の点滴はいつですか?じゃあ血液検査の時に来てください、などなど慣れた対応でスムーズに試着・発注が終わった。
何点か試着させて頂いたが、やはりヅラにも似合う・似合わないってあるのね。 |