トナリのインド人 なにしてるの〜?

カレーにターバン? いえいえ、他にもあるのです。過去も未来も星座も超える大国インドの今を、ライターさとうがご紹介!

プロフィール
■さとう葉
フリーライター&エディター。08年からインド・ニューデリー在住。現代インドのハイエンドなシーンからサブカルまで幅広い領域を横断的に執筆。時々ラジオ番組のデリー特派員なども。アパレルウェブでインド若者ファッションを定期的にレポート。共編書『皆既日食ハンターズガイド』(INFAS パブリケーションズ)など。
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インドの占星術

2012年5月24日(木) 15:59
ナマステ!

月曜日の金環日食、日本の広い地域でくっきりと観測できたようでなによりです♪ ネットでもtwitter上などで「わあっ!」と人々の盛り上がる様子が西から東へと波のように移動していったのは、かなりの臨場感がありましたね。


LIVE! ECLIPSE さんの金環日食中継まとめ映像。美しいす……



前記事でもちらっと触れたけれど、インドには独自の占星術「インド占星術/ジョーティシュ」が存在します。インドの人口の8割を占めるヒンドゥー教の元祖に、バラモン教というのがあるのですが、その聖典(ヴェーダ)を理解・実践する上での天文分野の実学として発展したのが、このジョーティシュです。ちなみに、もうお気づきでしょうが、日本でもおなじみの「アーユルヴェーダ」もジョーティシュの兄弟みたいなもので、こちらは医療分野の実学です。

実は、去年からジョーティシュ(以下、インド占星術と表記)の勉強を始めてます。別に占い師になるつもりはないけれど、インドの歴史や人々の思考構造をより深く知るための足がかりとして始めました。インドでも、人生の趣味としてインド占星術を学ぶのはポピュラーで、普段はサラリーマンだけど趣味で鑑定しますよ、という人も結構います。ちなみにインドだと、そうした時に無料で見てもらえる場合もあるのだけれど、そこに裏があるとか、あとで何か売りつけられる……ってわけじゃなくて、その人がカルマ・ヨガの実践者であることも往往にしてあります。カルマ・ヨガっていうのは、金銭とか見返りを求めない奉仕で自己のカルマ(業)を精算するヨガの一種です。


生活や宗教と占星術が密着しているこの国では、ふつうは、街角や住宅街に「町のかかりつけ医」ならぬ「かかりつけ占い師」が開業していて、そこに近所の人たちは気軽に相談に行きます。相談料はだいたい100〜300円くらい。相談事は、結婚や転職のタイミングとか、病気の心配、対人関係など色々。初診時(?)に自分の生誕時の惑星配置を示したチャートを作ってもらえるので、それをカルテがわりに今の症状(状況)を判断していく、という流れです。


IMG_2901.jpg
こんな感じの自分のデータを収録した冊子を作ってもらいます


占星術師の資格は特に無いので、町の占い師の多くは、職業カーストのなごりで代々世襲したものだったり、時にはちょろっと勉強して開業する人もいるようです。そんな無秩序な状態に一石を投じ、インド占星術を実践的学問としてアカデミックに体系化したのがK.N.ラオという研究家で、ラオ氏の主宰するインド初の専門的な占星術学校(Bharatiya Vidya Bhavan's Institute of Astrology)というのがデリーにあります。

昨年末の話になりますが、インターナショナル・コースに参加するチャンスに恵まれました。参加者はインド全土はもとより、ロシア、アメリカ、日本など国籍も様々。多くがインド占星術を勉強中、という人達でしたが、中にはプロの占い師の方も。授業は英語で、初心者クラスと上級者クラスが有り。


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講師陣もインドを代表する占星術の研究者がずらり。


朝から晩までみっちり占星術の歴史や意義、法則や技を学んだ2週間。秘技の伝授(!?)やプージャ(祭礼)もあり、まるでハリーポッターの魔法学校に通ってるかの気分で、非常に面白い経験となりました。

長くなったので、インド占星術の話、また折をみて書こうと思います。
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インド人が日食を見ないと言われてるワケ

2012年5月14日(月) 20:44
ナマステ〜♪
最近、日本でもニュースなどで話題に上っている金環日食5月21日(月)日本の太平洋側の地域で早朝に見られるそうで、該当地域にお住まいの方がなんとも羨ましい限りです。

RIMG0246.jpg
2010年1月、インドで11分近くの金環日食が起こった時の新聞記事



ところで、日本の日食のニュース記事によく書かれているフレーズに、

「インド人は不吉なものと見なして日食を見ない」

というのがあります。


ウ〜〜〜ン・・・


当たってるとも言えないし、完全に間違ってるとも言えない

でも、まるで「インド人は三食カレー」みたいな、ざっくりしすぎな感がありますねえ(笑)



じゃあ実際どーなのかと、インドの都市部で(外国人目線で)観察したところによると、

*小学生などのお子さんを持つご家庭は、家族で日食を見る。現代的な教育やレジャーの一環。

*ニュースや新聞にも「日食があり、各地で観測する姿が見られました」的な記事が載る。

*若者グループとか群がり好きな輩は「とりあえず見とけ!」的なノリで、よくわかんないけどワイワイ見る。

*年配やお年寄りはあんまり興味が無い(これは日本も同じか)


都市部の一般人はこんな感じ▲かと。



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2010年、インド最南端カンニャークマリで今世紀最長の金環日食を観測するインド人家族


ただ、これに付け加えると、

*ヒンドゥー教に熱心なお年寄りや信者は、日食の日は外出を避けて、家の中で過ごしたり、断食する人が多いです。

*特にヒンドゥー教の聖地となると、数日前から儀礼があったり、沐浴して過ごす信者が多いようです。


実は、ヒンドゥー教で日食(皆既日食・月食など)はけっこうポピュラーなものでして、創世神話でも、アムリタを飲んだ魔族がヴィジュヌ神にまっ二つにされて「ラーフ」「ケートゥ」という食(エクリプス)を司る存在になったとか、叙事詩『マハーバーラタ』でもクライマックスの戦争のシーンで皆既日食の現象を利用した戦法の話など、色々登場します。


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食を司るラーフ。虚空の存在で、実体は無い。


インド哲学の根幹を支える天文分野の実践的教義ジョーティシュ(インド占星術)から言うと、日食の日には、自分自身を表す「太陽」心の安定を表す「月」が、食を司る「ラーフ」と「ケートゥ」というマイナスの力を持った疑似惑星にそれぞれ強く影響されてしまうので、太陽と月の持つ力、すなわち“自分自身”の“心の安定”がパワーダウンしてしまう、という解釈になるのだそう。

そんな日には、なるべくパワーを無駄に放出しないよう、心を鎮めて、瞑想など精神的な活動を重点的に行い、逆に言えば、買物とか投資とかの物質的な活動は避けるようにして過ごすとよい、と、インドでは言われています。

確かに自分自身の体験からも言えるけど、日食の前って結構気持ちが不安定になりやすいかも。ヒンドゥー教の人達が、この日は断食して食欲で自己が振り回されるのを押さえたり、沐浴で身を禊ぐのも、ちょっと分るような気がします。でも、やっぱり日食も見たいけど。

ところ変われば、いろんな解釈のある日食。みなさんは5月21日、どのように過ごしますか?






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