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「街場の中国論」

2007-07-07 13:00:31
2007年7月6日(金)
内田樹著「街場の中国論」を読んだ。
これは神戸女学院大学教授である著者が、大学院の演習で取り上げたテーマをまとめたもので、ご本人も学生も中国論に関しては全くの素人であるとのこと。

だからこそ、更に無知な私が読んでもよくわかっておもしろい。
○○論、なんていうと、事前知識がなければ読み通せないものが多いが、この本はアヘン戦争以降の中国近代史の入門書として、日中の外交問題の解説書として、中華思想の手引き書として大変読みやすい。
「中華思想」なんて、知識もないし考えたこともなかったが興味を持った。
さすが教育者だけあって、まるで興味の範囲外だったことに関しても、もっと知りたいと思うようにチクチクと知識欲を刺激してくれる。

内田先生は中国・韓国含めて、近隣諸国との友好的で安定した外交関係こそが日本の平和の基本、という考え方で、憲法9条は今のところ変えるべきではない、という考えの持ち主だから、中国・韓国嫌いの改憲派ナショナリストの方は、読んでも面白くないだろう(そういう人こそ読んだ方がいいと思うけれど)。
けれど、だからと言って内田先生が「親中派のコテコテ左翼」というわけではなく、どちらかというと自国や自国民について冷静ではあるが、かなり贔屓目で偏った愛国者だし、日本の諸問題に対しては楽観的。

更に私は、そのえこ贔屓を大目に見ているけれど、それは、おそらくそういう楽観性こそ、困難な問題を解決したり、次世代につながる大事な何かを編み出したり、夢物語を現実に変える原動力になると思うからだ。
夢や希望やモチベーションというものは、否定や悲観や偏見や対立からは生まれてこないもの。

世の中は憂う問題ばかりでお先真っ暗、とばかり思っていたが、何事も叶わぬことはないと教えてもらったようで、一筋の希望の光が見えたことがこの本を読んだ一番の収穫。

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