http://www.jca.apc.org/femin/

« お知らせ | Main | 政治 »
 
KIの映画評vol.3 [2006年10月01日(日)]
オダギリジョーの、なんかけだるい退廃的な雰囲気は好きなんだけど、でも演技というよりそれは持って生まれたキャラで、その辺、彼は得してるよねえって思ってたけど、でも「ゆれる」ではちょっと違ってた。それとやっぱり彼らしい「メゾン・ド・ヒミコ」も紹介します。(KI)

■「ゆれる」★★★★☆
東京で写真家として成功している弟(オダギリジョー)と、地方に残って実家の商売を継いでいる兄。兄にかけられた殺人の嫌疑をはらすため弟は奔走するが、裁判が進む中で沸きあがってくる兄弟の葛藤…。まず、兄役の香川照之がすごくうまい。素朴で誠実な人柄の兄が、飲み込んできた自分の人生と弟への複雑な気持ちを凄みのある、彼の中から立ち上ってくる空気のようなものとして表現する。そして、オダギリジョーがそれをけなげに真正面から受け止める。血のつながる者同士の「大嫌いだけど大好き」な感じがこのタイプの全く違う二人の男の間で火花を散らす。それにしても、監督の西川美和という人は今後も注目だ。28歳の時の長編デビュー作「蛇イチゴ」から4年、この作品もうまい。香川は、「西川監督と出会えて、金鉱を掘り当てたような感覚を覚えました」と言ったとか。


■「メゾン・ド・ヒミコ」★★★☆☆
「メゾン・ド・ヒミコ」はゲイのための老人ホーム。そこで働くことになった沙織(柴咲コウ)が繰り広げる濃いキャラの住人たちとの暮らし。住人それぞれが個性的で魅力にあふれ、やさしい。で、その経営者(田中泯)の恋人オダギリジョーと柴咲コウがからむんだけど、やっぱり彼女じゃいまひとつリアリティがない。彼女はノーメイクでがんばったそうなんだけど。私としては、「ハッシュ!」で、ゲイである2人の男性と暮らすことになる朝子役の片岡礼子さんが好き。彼女にはゲイの男性たちに負けない大人の女のリアリティがあった。まだ「ハッシュ!」見ていない人はおすすめ。ところで、オダギリジョーだけど、この映画では、恋人を癌で失う孤独な、綱渡りしているみたいなゲイの男性を、繊細に演じていてなかなかいい。
Posted at 23:32 | 映画 | この記事のURL

KIの映画評vol.2 [2006年09月22日(金)]
持ち味の違う作品だけれど、各地で賞を受賞するなどそれぞれ高い評価を得ている女性の新人監督のドキュメンタリー2本。(KI)

■「Dear Pyongyangディア・ピョンヤン」★★★☆☆
大阪生野区に住む在日1世のアボジ(お父さん)を一人娘のヤン・ヨンヒが10年かけて撮り続けた。朝鮮総連の幹部である父は、日本で生まれ育った3人の兄たちを祖国に送る。最愛の父が信じるものにどうしようもない違和感をいだきながらも、カメラを回し続ける彼女だが、ステテコ姿で路地裏を自転車で走る父を追うそのまなざしはやさしい。彼女の目を通すと、駄々っ子のような愛嬌のある父親の姿と共に、祖国を一途に思う気持ちと現実のギャップに引き裂かれる彼の深い悲しみが浮かび上がる。下町の庶民の生活、カメラをかまえる娘に始めは抵抗していたアボジが映画の進む中で彼女に向ける笑顔が可愛らしい。政治的な難しい話になりがちな題材をヤン・ヨンヒ監督の気負わない視線でしみじみとした良い作品に仕上がった。ベルリン国際映画祭 最優秀アジア映画賞など多数受賞。


■「チーズとうじ虫」★★★★☆
癌を宣告された母親の看病のために群馬に帰省した加藤治代は、「退屈しのぎに、あるいは遊びの道具として」カメラを回し始めた。母の病気が治ることを信じ、その奇跡を記録するためにというつもりで彼女は祖母と母との3人の生活を記録し続ける。平凡で単調な日々、歯を磨きながら笑う母、三味線の練習をしながら笑う母。映画って、普通存在するのはカメラの前に現れる人たちで、カメラを回す人間はたいていその場面にいないことになっているじゃない?でもこの映画では加藤は、一緒に暮らす人間の一人として、カメラを回しながら祖母と語り、母と笑い合う。祖母も母もカメラにまっすぐ向かい、その視線は、加藤に向ける視線そのものだ。だから映画を見ていると、このまっすぐで温かな視線に包まれる。加藤は母の苦痛をともなう闘病生活の間はカメラを回せなかった。その死後、淡々と表現されていく出来事、穏やかだが喪失感に胸がつまる。そして記憶の中から、生前の母とのなにげない生活がきらめいて立ち現れてくる。山形国際ドキュメンタリー映画祭小川紳介賞、国際批評家連盟賞など受賞。
Posted at 22:50 | 映画 | この記事のURL

KI(編集部スタッフ)の映画評vol.1 [2006年09月15日(金)]
おもしろい映画、話題の映画をネタにおしゃべりします。
おすすめ度は★★★★★が最高、私の好みで勝手に決めちゃいます。
今回は韓流や、セカチュウ―お涙ものなどに対抗した作品を二つ。(KI)


■「LOFT ロフト」★★★☆☆
現在公開中の「LOFT ロフト」、主役の中谷美紀が着ている昔っぽい大きな花柄のワ
ンピースがステキ。監督は、「CURE キュア」、「回路」などホラー映画で有名な黒沢清。彼のホラーには、いわゆるお化けというのではなくて、日常の中でのふとした怖さ、そのくせ忘れられないようなゾーっとする怖いシーンがいっぱい。
この映画は、もうホラーはつくらないと言っていた黒沢監督の3年ぶりのバリバリのホラー。千年前のミイラが沼から出てくる。彼の作品では珍しく女性が主人公で、「なんとなく一人で生きている、年齢から自由な女性主人公を描きたかった」というように、中谷美紀が、彼女特有の不思議な立ち振る舞いでその主人公を演じていておもしろい。相手役の豊川悦司も不思議な雰囲気。


■「ローズ・イン・タイドランド」★★★★☆
10歳の少女、ジェライザ=ローズと暮らすのは、ドラッグづけの両親と、頭だけのバービー人形たち。ある日、ママが死んでしまって、元ロックスターのパパと故郷のテキサスにある荒野の古い一軒屋にたどり着く。都会で住んでいる時は、なんとも悲惨な女の子だったけれど、その日からローズにはテキサスの荒野での冒険の毎日が始まる。「不思議の国のアリス」のように、現実と幻想が折り重なってお話は次々と進んでいく。監督は「12モンキーズ」、「ブラザーズ・グリム」などを世に出したテリー・ギリアム。いかにも彼らしい、はちゃめちゃなストーリーと刺激的な映像、結構くせになる。彼の奇想天外な世界観がブラッド・ピットやジョニー・デップら多くの俳優たちに指示されているというのもうなづける。
Posted at 15:35 | 映画 | この記事のURL

前へ
プロフィール


ふぇみん編集部
プロフィール
生い立ち
ブログ
リンク集
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
2006年10月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31






 
(c) 1999-2007 Cafeglobe.com All rights reserved