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KIの映画評vol.5 [2006年11月18日(土)]
どちらも女性が主人公だけれど、全く違う後味。だから映画はおもしろい。両方とも映画を見た人の口コミで観客がひろがったおすすめの2本。(KI)

■「フラガール」★★★★☆
福島県いわき市常磐炭鉱を舞台に、石炭にかわって街を支える常磐ハワイアンセンターができるまでを描く。東京からダンスを教えに来た松雪泰子演ずる元花形ダンサー、気位が高く、盆踊りしか知らない素朴な炭鉱娘たちをばかにしていた彼女が、娘たちのひたむきな熱意に動かされてフラダンスの真髄を教え込んでいくという事実をもとにしたストーリー。誰もいない練習室で踊る松雪のタヒチアンダンスは鬼気せまるものを感じさせ美しいし、教え子に暴力をふるったその父親のいる公衆浴場に殴りこんでいく松雪の怒りの表しかたは、思い切り激しく、これまた美しい。最近こんなストレートな怒りの表現を見たことはなかった。スッとした。彼女ってこんないい女優さんだったんだ!炭鉱娘を演じた蒼井優、南海キャンディーズの静ちゃんもそれぞれ美しく、センター開きに披露するハイライトの華やかなフラは、大迫力!泣いて笑って映画のおもしろさを満喫できる。9月の公開以来、上映館が増え続けているそうで、米アカデミー賞外国語映画賞を狙う日本代表作品にも選ばれた。

■「かもめ食堂」★★★★☆
フィンランドのヘルシンキにオープンした「かもめ食堂」。お客さんはまだゼロだけど、店主のサチエさんは、今日も食器をピカピカに磨いている。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこという、実力派、個性派の女優たちがふんわり、ほんわりいい味を出す。清潔でおしゃれな「かもめ食堂」で繰り広げられるおとなの女性たちのやさしい関係。なによりいいなと思うのは、3人の女性たちが、なにかの専門家であるとか、特別のキャリアを積んだとかではなくて、それぞれ自分の暮らしをまじめに繰り返してきた普通の女性として描かれていること。彼女たちは、ご飯を作ったり、片付けたり、人を思いやったり、そういうことを積み重ねて時間を経てきた人たちで、それだからこそ異国の地、フィンランドにもスッとはまる。映画に流れるおだやかな空気は、攻撃的でないやさしい会話のせいなのかしら。フィンランドで人気のブランド、マリメッコのファッション、インテリアもこの映画の空気にぴったり。ビデオ、DVDでレンタルしてます。
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