少し前に「
横暴な」というエントリで伊田広行さんの話を書いたので、伊田さんと言えば「シングル論」ですので、その紹介を彼の著書から書こうと思っている内に、何やら日が過ぎてしまいました。思い出したのが吉日と、ご紹介。
伊田さんの本は2冊持っているのですが、今回は「シングル化する日本」より。
帯に「結婚しない、子どもを産まない時代に必要な処方箋は何か?」とあります。
そこで「シングル単位」と言いたいんだなって、表紙を見た時点で感じます。
今の日本は、男女が異性愛結婚して、子どもをもって、家族を単位として労働、家事、育児、介護をおこない、行政も企業も家族を単位として扱っており、それを「家族単位システム」と伊田さんは呼んでいる。それを維持するに、男性に世帯賃金を与え、女性に無償の家事、育児、介護を任し、それをもとに社会保障や税制度が設計されてきており、今、それがあちこちでほころびつつあるという。
それに対し、シングル単位の社会とは、個人の自立に基づいた選択の保護、生き方に中立的な制度設計をおこなう、とあり、法律婚をしているとか、同居している家族がいるかどうか、子どもがいるかどうか、などに関わりなく個人が平等に制作・制度の恩恵を受けるようにする。世帯主の概念が廃止され、戸籍や住民票は個人ごとになり、社会保障なども個人単位になります。基本的にみんなが働き、夫婦でも独立所得で、家族の機能を社会化し、社会全体で助け合うということになる。結婚するかしないか、「普通・標準」かそうでないかなどが差別につながらない、伝統的役割(男女、夫婦役割)や血縁を重視するのではない、個と個が対等な新しい関係を作り上げていく社会であり、みんなが働くことによって、一人当たりの労働時間が少なくなり、失業率は低下し、その結果、男女間・世代間・雇用形態間での総合的なワークシェアリング社会となる、とあります。
あまりにかいつまんでのご紹介なので、ちゃんと伝わりにくいのは自覚のうえなのですが、いわゆるスウェーデン式とでもいうのかしら。個人単位になるから家族がなくなる、と言うわけでもないのですけど、どこかで腑に落ちないのですね。2冊も本を買って読んではみたけれど、今の日本社会が変わるわけないと思っているわけでもないのですが、このシングル単位論は、都会の人たちには良いけど、地方で農業や漁業をして生業を立てているようなしているような人たちにも果たして有効なのかしらん。。と思うのです。何となくそんな気がするだけで、きちんと理論立てて書くことはできないのですが。
もちろん、いいな、と思う部分もあるにはあるんですよ。これもきちんと説明できないのですけど。。
伊田広行 「シングル化する日本」 2003年 洋泉社