2008年07月
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7月の読書日記B

2008-07-30 21:38:57
47.東野圭吾 「流星の絆」

殺された両親の敵討ちを誓った幼い三兄妹。
それから14年の歳月が流れ、妹が恋をした相手は仇の息子だった・・・

というストーリー自体に目新しさは無いけれど、それをこれだけ読ませるのだから、やっぱり東野さんはすごい。

ラストはハッピーエンドで読後感が非常に良いです

間違いなくドラマ化(or映画化)されると思うので、誰がキャスティングされるのかなぁ、なんて想像しながら読むのも楽しい。

Amazonの書評では「人物描写に深みがない」など、結構キツめの意見もあり、まぁ確かに「白夜行」「手紙」に比べればその通りかもしれないけれど、とても良くできた娯楽小説で、前作の「夜明けの街で」に比べれば100倍良かった。

私は好きです。
星4つ★★★★

48.M.B. ゴフスタイン 「ブルッキーのひつじ」

ゴフスタインがご主人に捧げた一冊。

ブルッキーとひつじはいっつも一緒。
「めえ めえ めえ」
と鳴くひつじの可愛いことと言ったらもう!

やさしい絵。やさしい言葉。やさしい世界。
やさしさに溢れた愛すべき一冊。

ゴフスタインの絵本にはハズレがありません。
星4つ★★★★

7月の読書日記A

2008-07-29 21:58:14
45.谷崎潤一郎 「春琴抄」

小学生の頃、百恵ちゃん&三浦友和主演の映画で見た春琴抄。(百恵ちゃんのファンだったのです〜
くみさんのブログの影響で私も手にとってみました。
谷崎を読むのなんて高校時代以来か。

句読点や改行が殆ど無いにも関わらず、流れるようにさらさらと読めてしまう。
そして文章のあまりの美しさにただただ圧倒される。

内容は強烈。
恋焦がれるお師匠様・春琴のために、自らの目に針をズブリと突き刺す丁稚の佐助
究極を通り越して倒錯の世界に入っちゃってるんですけど、それでもなお品格さえ感じるのは大・谷崎だからこそ、でしょうか。

ただ、あまりに献身的な愛は、はたから見ると時に滑稽で、どことなくおかしみを感じたりもする。(私だけか?)

日本文学のひとつの美の極致
星5つ★★★★★

百恵ちゃんバージョンの表紙↓ 三浦友和が若い!


46.スティーブン・キング 「セル」上・下巻

その時、携帯を手にしていた全ての人が、頭の中のデータを全消去されてしまう。
たったひとつ、「狂気」だけを残して。

携帯が生み出すゾンビたちの描写があまりに気味悪くて、ホラーが苦手な私は殆どのページをナナメ読み。
それでも夜中に悪夢で目が覚めてしまったり、金縛りにあったり。
スプラッタが苦手な方には絶対にお薦めいたしません。

途中でヒロインがあっさり殺されてしまうという意外な展開には驚き。
本当に残酷なのはゾンビたちなのか、それとも人間なのか。
人間らしさって何なのか。
やっぱりキングは上手いなぁと思います。

読んでる間は非常に怖い思いをしましたが、少しだけ希望の持てるラストにホッとしました。
作品のデキとは関係なく、死人が多すぎるので星3つ★★★

7月の読書日記@

2008-07-27 19:55:50
42.黒川博行 「悪果」

舞台は大阪府警・今里署。
癒着、横領、隠蔽、暴力。
そして本物の極道よりも極道らしいマル暴担当の刑事たち。

あまりにも完成度が高くリアルな展開に、もう他の作家の警察モノは読めなくなってしまいそう。

非合法なシノギに手を染める主人公のマル暴担・堀内と相棒の伊達
つかみかけたと思ったものが指の間からボロボロとこぼれ落ちてゆく苦いラスト。
読後感は、同じ黒川氏の手による美術界の光と闇を描いた「蒼煌」と少し似てるかな。

黒川さんが書く大阪弁は最高。
声に出して読んでみて、私も気分はマル暴担

構想10年はだてじゃない。力作。傑作。
星5つ★★★★★

43.海野晶午 「葉桜の季節に君を想うということ」

随分前に同僚から「面白いよ」と薦められていた本。

タイトルから純愛モノを想像してたんですけど(恋人を不慮の事故で失った主人公の孤独・・・みたいな)、全く違います。

最後の謎解きに、誰もが
えっ? えぇーっ!?
と驚くと思います。私もすっかり騙されました。

人生の黄金時代は老いていく将来にあり、
過ぎ去った若年無知の時代にあるにあらず。

高齢者はパワフルです。
星4つ★★★★


44.奥田英朗 「町長選挙」

「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」に続くトンデモ精神科医・伊良部シリーズ第3弾。

アンチエイジングの強迫観念に悩まされる黒木瞳サンなど、今回は患者のモデルがハッキリ特定できるのが前2作との大きな違い。

中でも読売のドン・ナベツネをモデルにした短編「オーナー」が面白い。
誰からも嫌われていたハズのナベツネが、表舞台から降りたあとに残る強烈な喪失感。
(もちろん本物のナベツネさんは、今もバリバリ現役でいらっしゃいますが)

ただ、前2作に比べてドクター伊良部の存在感がやや薄めで、爆笑場面も少なめだったような。。。
特に表題作の「町長選挙」はどこかで読んだような内容で、パワー不足の感は否めないのがちょっと残念。
星3つ★★★

6月の読書日記A−For You

2008-06-22 16:10:42
41.五十嵐貴久 「For You」

誰にも言えなかった、たった一度の恋。
遺された日記帳には、伯母の意外な青春が記されていた・・・

という帯のコピーに惹かれて手に取った本書。
こういう切ない恋愛モノには非常に弱い私です。

主人公である映画雑誌の新米編集者・朝美と、急逝した彼女の伯母・冬子の青春時代が平行して綴られていくのですが、冬子さんが過ごした80年代がちょうど自分の学生時代と重なって、
そう、そう! 分かる、分かる!!
のオンパレード。
一気に読み終えた後、もう一度最初から繰り返して読んでしまいました。

文化祭、クラスメイトとの小旅行、告白、卒業式、そしてバックに流れるサザンや山下達郎。
当時、地方都市で共学の進学校に通っていた人たちにとっては、もうたまらない1冊ではないかしら。
これって、私すぎる!と思うハズ。

特に文化祭の模擬店でクレープ屋を出すことに決めたものの、クラスの誰も本物のクレープを見たことがない、というエピソードが好き。
私の場合は大阪育ちで、物語の舞台の静岡ほどノンビリした学生生活ではなかったものの、物語の登場人物たちと同じような会話を、確かにあの頃友人たちと交わしていました。

高校2年生で運命の相手に出会ってしまった冬子さん。
その恋には予想外の結末が待ち受けていて、それが現代を生きる朝美の物語とシンクロしていく過程もとても良くできていると思いました。

ただ、ラストがやや説明調になってしまっているのが残念。
でも、突っ込みどころはいくつかあるものの、そんな穴を補って余りある瑞々しい青春物語。

書店で初めて本書を見たとき、
「あれ、随分懐かしい感じの表紙だな〜」
と思いましたが、それもそのハズ。
タイトルの「For You」は、山下達郎の82年の大ヒットアルバムから↓
本の装丁もアルバムのジャケ写と同じく、イラストレーターの鈴木英人さんの手によるもの。


私は80年代は洋楽onlyでしたが、そんな人でも楽しめる本。
誰にとっても普遍的な青い時代が描かれているからでしょうか。

読むと江ノ島に行ってみたくなります。今からではちょっと遅すぎますけどね。
星5つ★★★★★

6月の読書日記−色の本 色々

2008-06-17 21:48:23
37.ヴィッキー・ウォール著 「オーラソーマ 奇跡のカラーヒーリング」

オーラソーマの創始者、ヴィッキー・ウォール女史の自叙伝。

彼女が宝石のように美しい数々のカラーボトルを生み出したのは、彼女が失明した後だったというのには驚き。
過去にカラーセラピー本を読んだ事も無く、色彩の法則について学んだ事も無かった彼女だけれど、子供の頃から他人のオーラが見えたのだそう。

色のメッセージを私たちに伝えるために神様が選んだ女性、それがヴィッキーだったのだと思います。
オーラソーマは単なる色占いではないことが良く分かる本です。
星4つ★★★★

38.Voice style vol.1 オーラソーマ心理診断

こちらもオーラソーマ本。

2年前、ネット上のオーラソーマ診断を試したときも当たってる!と思いましたが、今回この本で試してみても、やっぱり今の自分を驚くほど正確に言い当てていると感じました。
(もちろん本物のボトルを使ってコンサルテーションを受けるのがベストだと思います)

1本目に選んだ魂のボトルは2年前に選んだものと同じだったので、本質的な部分はあまり変わらないみたい。
2本目、3本目に選んだボトルは、将来に不安を抱えている現在の心理状況がそのまま表れていました。

4本目の未来のボトルの
「人生の新しい流れに乗って、自分らしい生き方を貫き、光り輝いていきます」
というメッセージを実現できるような自分でありたい。
星4つ★★★★

39.高坂美紀 「心と体をきれいにするカラーセラピー」

先月読んだ「ハッピーカラーセラピー」同様、高坂さんの本はとても分かりやすく、日々の生活の中で楽しく実践できる方法が沢山載っているのがgood

エステや高価な化粧品といったお金のかかる方法ではなく、
心と体を癒す色をどんどん使って内側からキレイになりましょう
という高坂さんのメッセージには大賛成。

特に「太陽の光による心と体の浄化」というお話は目からウロコでした。
今まで極力太陽の光を避けてきた私ですが、最近は毎朝ベランダで深呼吸しながら日光浴をするようになりました。(僅か1分くらいですけど

これがとっても気持ちいい!
何と言っても、太陽は万物のエネルギーの源ですもんね。
星4つ★★★★

40.高坂美紀 「カラーコーディネーターのすべてがわかる本」

これも高坂さんの本。
10年前に出版された本なので、今の感覚とはややズレも感じましたが、著者のパワフルさが伝わってくる書。

カラーコーディネーターは自分のセンスを売る仕事。
自分自身が商品のようなもの。
もしあなたのヘアスタイルが、同性の20%がしているようなものだったら全然ダメ
とバッサリ切り捨てているところが痛快でした。

自分の外見がなりたい自分を作る、というのは確かにありますからね。
星3つ★★★

水野晴郎さんのお話

2008-06-15 21:37:37
あひるさんもブログで書かれていましたが、映画評論家の水野晴郎さんが先週お亡くなりになった。

私は水野氏のライフワーク「シベリア超特急」を見たことは無いのだけれど、愛すべき超B級カルトムービーだというウワサくらいは知っている。
でも訃報を伝えるワイドショーでは、(私が見た限りでは)シベ超がB級映画だなんていうコメントは一切されていなかったので(当たり前か)、シベ超のDVDに注文が殺到しているというニュースを読んでちょっと心配になってしまった。

訃報を聞いて、20年ほど前に一度だけ水野氏のお話しを聞いたことを思い出した。
ヒッチコック監督の作品特集の司会で来られていた水野氏は、パッと見はヤクザ。
カタギの仕事じゃありませんオーラがビシバシ出まくっていて、
ひょえ〜、怖い!
と言うのが正直な第一印象でした。(スミマセン

でも一度話し出すと、その印象が180度ガラリと変わってビックリ。
TVで見るよりずーっと優しげな喋り方で、ちょっと女性的とも思えるようなその語り口と物腰に、今度は
この人、ホモか?
と思ってしまったほど。(再びスミマセン

もちろん私はどちらであろうと全然こだわりません。
それよりも、ちょっとコワモテの外見の下に隠された氏のソフトな部分が垣間見えたような気がして、
あぁ、こんな繊細な方だからこそ、映画の良さをより深く感じとれるのだなぁ
なんて思いました。

その際に聞いたお話の中で今もよく覚えているのは、ヒッチコック監督の「断崖」の撮影秘話。
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降り注ぐ子象とSEX AND THE CITY

2008-06-09 22:13:14
大好きな人気ブログ「役員秘書のひしょひしょ話2.0」で可愛いブログパーツを発見!
早速マネッコして私も貼ってみました。

←左のサイドバーのブログパーツの中を歩いている小さな象さんをクリックすると、画面に子象が降り注ぎます。
お時間がおありの方はぜひお試くださいませ。面白いです〜

先日BOSSから「お母さん」と呼びかけられた話を書きましたが、上記ブログの管理人・秘書ひしょさんはBOSSのことを無意識に「先生」と呼んでしまわれたそう。(コチラ

もしうちの猛獣さんに「先生」なんて話しかけたりしたら、

ガハハハッ

と大喜びしそうだから、そんな事は絶対に言ってあげないのだ。(意地悪秘書)

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話かわって、ついに全米公開された「SEX AND THE CITY」映画版


入澤依里さんのブログ「ニューヨークの風」にも、社会現象と呼べるほど盛り上がっている様子が書かれていて、日本で公開される8月が本当に楽しみ。
エル・オンラインにも特集ページができているし、期待は高まるばかりです。

TV版では30代だったキャリーたちも、映画版では40歳
自由奔放なsex hunter・サマンサ(4人の中で1番好き)の生き方も随分変化したみたいだし、私もアラフォー世代ど真ん中なので、彼女たちの今に共感できる部分が今回も沢山見つかるんじゃないかな。

「Cafeglobeスタッフのデジログ日記」によると、試写会の案内状には
オシャレをしてきて下さい
と書かれていたのだとか。
そんな遊び心&オシャレ魂もSATCっぽくてステキです。

TV版で見逃しているシーズンがあるので、映画公開までにしっかりチェックして、私もオシャレして映画館に足を運びたいなぁ、なんて思っています。

<オマケ>
三谷幸喜監督の最新作「ザ・マジックアワー」も面白そうだし、見たい映画が沢山あるときって幸せ〜

5月の読書日記−ハッピー・カラー・セラピー

2008-05-21 21:50:14
36.高坂美紀 「愛と幸せを引き寄せるハッピー・カラー・セラピー」

似合う色と好きな色は違う
という言葉をよく耳にするけれど、何となくギモンに思っていた私。
本当はパステルカラーが好きなのに、ハッキリした色が似合うと言われて赤やモノトーンを着たりしても、それでは楽しくないような・・・?

そんな私のギモンを解決してくれたのが本書。
心と身体が求めている色を選ぶこと、今の自分らしい色を心がけることが幸せにつながるというお話は、とても説得力がありました。


この本にはスピリチュアル・カラー・カードという付録がついていて、毎朝目を閉じて深呼吸した後に選んだ1枚を、その日のコーディネートに取り入れるという方法を早速実践しています。

今の自分に必要な色を無意識に選んでいるのだとしたら、何だか面白いし不思議。
身につけたい色がある日は、身体がその色を必要としているので、カードは使わなくてOKとの事。
このフレキシブルさが良いですし、毎朝「今日は何を着ていこうかな〜?」と頭を悩ませずに済むので助かってます。


身につける色の中でもっとも大切なのは下着の色との事。
一番大切なのがショーツの色。これは丹田と呼ばれる大事なツボの近くだから。
次に大切なのがブラの色。これは胸を覆う色でに大きな影響を与えるから。
うーん、これにも納得。

それから、この本を読んですごくショックだったのが、グレーピンクの色あわせはNG!というお話。
愛を増幅するピンク&無気力、老化の色・グレーは、愛を灰に帰す組み合わせなのだそう。

私はこの2色の組み合わせが好きで、グレーのジャケットにはピンクのインナーを合わせる事が多いし、グレー地にピンクの柄のワンピースや部屋着も多い。
あ、そう言えば時計もピンクとグレーのコンビだ。
私が縁遠いのはこの色あわせが原因だったのか・・・?(それとも性格か)

他にも、瞑想して相手に色の気を送る遠隔カラーヒーリングというお話も、とても興味深いものでした。

色を楽しみながら自分の運をよい方向に変えられるとしたらステキだな。
色で誰かを癒すことができたらもっとステキだな。
そんな風に思えた本書との出会いに感謝デス
星5つ★★★★★

<オマケ>
沢山の色のパワーをもらえるように、マルチカラーのネックレスを購入。

この石が全部宝石だったらなぁ。。。

村上春樹がお好きな方へ

2008-05-15 22:02:39
世間には色んなジェネレーターがありますが、私の中で最近ヒットだったのはコレ。
村上春樹さんのファンならとっくにご存知かもしれませんが、私はつい最近知りました。
村上春樹風に語るスレジェネレーター

例えば「歯ブラシ」という単語を入れると、

完璧な歯ブラシなどといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。

とか、

六月にデートした女の子とはまるで話があわなかった。
僕が南極について話している時、彼女は歯ブラシのことを考えていた。

とか、極めつけは

でもね、いいかい、君に同情して泣いたわけじゃないんだ。
僕の言いたいのはこういうことなんだ。一度しか言わないからよく聞いておいてくれよ。


 僕は・歯ブラシが・好きだ。

あと10年も経って、この番組や僕のかけたレコードや、
そして僕のことを覚えていてくれたら、僕のいま言ったことも思い出してくれ。


なんてスレッドが出来上がるのです。
「ノルウェイの森」をこぞって読んだワタクシ世代にはたまりません。
とは言え、当時は「ノルウェイの森」の良さがイマイチ分からなかった私ですが。

春樹さんの中で私が好きなのは「遠い太鼓」
これを読むと、すぐにでも旅に出たくなってしまう。。。

最近すっかり春樹さんの本から遠ざかっている私ですが、久しぶりに何か読み返してみようかな。

5月の読書日記@

2008-05-14 22:21:37
33.浅田次郎 「中原の虹」第四巻

前作「蒼穹の昴」から数えれば10年以上に亘る、中国・清王朝の滅亡と革命を描いた大河ロマン。
大傑作。
それ以外の言葉でこの本を語ることはできません。

天命を持つ王の証である龍玉のゆくえ
極貧の中で生き別れ、馬賊になった兄・春雷、そして宦官になった弟・春児の再会
革命に敗れ日本に亡命した中国の知性・梁文秀の帰国
西太后と中国を心から愛したアメリカ人ジャーナリストの死

そして何よりも今回の主役であり、ついに長城越えを果たす真の勇者・張作霖のカッコ良さと言ったら!

読みどころ、泣かせどころがこれほどテンコ盛りになった小説は他にないでしょう。
もう一度、最初から読みたい。何度でも読みたい。
もちろん星5つ★★★★★

34.奥田英朗 「空中ブランコ」

常識の枠外で生きているトンデモ精神科医・伊良部シリーズ第2弾。

患者に
「この医者、脳みそにシワは入っているのか?」
と疑問を抱かせるほど、相変わらずぶっ飛んだドクター伊良部。

前作の「イン・ザ・プール」同様、向かうところ敵なしの伊良部のキャラにやられた!という感じ。
彼が医師の国家試験に受かったのはフリーメーソン関与説もある、というくだりに爆笑。

でも、患者は最後には必ず治っているので、もしかしたら天才医師かも?
と思うけれど、それは気のせいでしょうね。

今回登場する患者さんのひとり、女流作家のセリフ

「人間の宝物は言葉だ。
一瞬にして人を立ち直らせてくれるのが、言葉だ。
その言葉を扱う仕事に就いたことを、自分は誇りに思おう。
神様に感謝しよう。」


これは作者の思いそのものかもしれません。

こんな面白い小説を読む機会を与えてくれた作者と神様に、私も感謝しよう。
星5つ★★★★★

35.海堂尊 「チーム・バチスタの栄光」

難易度の高い心臓手術・バチスタ手術の成功率100%を誇る栄光のチーム・バチスタ。
しかし、3例続けて術中死が発生。果たして医療ミスなのか、それとも手術室という密室で行われた殺人か。。。

デビュー作ということで、多少の読み辛さはあったものの、キャラの立て方がとにかく上手い!

不定愁訴外来(通称:愚痴外来)の万年講師・田口
心臓移植の権威、チームバチスタを率いるMr.パーフェクト・桐生
一筋縄ではいかない歴戦のツワモノ、病院長の高階

この3人だけでも充分濃くて、ストーリーにぐいぐい引き込まれるのだけれど、後半登場する厚生省の変人役人・白鳥のキャラが更に強烈で、どんどん話が面白くなっていくところがスゴイ。

大学病院の旧体質
麻酔医の激務
外科医の傲慢
研修医の憂鬱
拝金主義の経営陣
権利ばかり振り回す患者たち

ラスト近く、麻酔医・氷室の
「これじゃあ、医者も壊れるぜ」
というセリフも仕方が無い事のように思われますが、その言葉を
「もともと壊れていたヤツが、今さら何を言ってやがる」
と切って捨てた主人公・田口。

著者は現役医師とのこと、田口のセリフは著者の心を代弁しているのだと思うし、このような医師が現実の医療現場に沢山いてくれることを心から望みたい。

個人的には愚痴外来の専任看護師・藤原さん(マコリン)の懐の深さに惹かれました。
奥田英朗のドクター伊良部シリーズに迫る傑作。
星4つ★★★★
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