アフリカ系アメリカ人が世界の大国であるアメリカのリーダーになるかもしれないという可能性を秘めている今、同じくアフリカ系アメリカ人として1963 年当時と2008年現在の間のアメリカ社会に巨大で不可欠な影響を残した人物の祝日が今日1月21日でした。
マルティン・ルーサーキング牧師
つい最近のジーナ6事件からしても、差別が皆無であるとはとてもいえないアメリカで、彼の功績が国民の祝日として評価されるにいたるまでには多くの葛藤と苦悩と矛盾があったことが想像できます。救われるのは、当時の苦悶の社会で彼と共に必死に戦った人々が今も存在し、その人々の直接の声を、聞くことができるということです。
キング牧師の夢を今一度思い起こし行動に移すために、全米各地でさまざまなイベントが開かれています。その中の1つに参加した私は今日、1960年代の彼を間近に体験したJ議員の言葉を心に刻み付けました。
当時アフリカ系アメリカ人の平等を訴えかけるキング牧師のそばで社会活動に参加していた大学生のJ氏は、市内の公園のベンチで彼の演説をいつものように聞いていました。その日は30度を超える真夏の暑い日。全員が額に汗をかき、ひーひー言いながら彼の話に耳を傾けていたのです。耐え切れなくなった学生の1人がキング牧師に尋ねました。「なぜ涼しい建物の中に入らないのですか」
彼は答えたそうです。「私がこの居心地の悪い場所に君たちをおいているのは、今私たちが置かれている状況を居心地よく感じてほしくないからだよ」
差別の存在するこの社会を、真夏のかんかん照りの太陽の下でもがくことに例え、今のこの状況を変えるために行動を起こすことを呼びかけた彼の言葉は、J氏を含む当時の学生たちの心に響いたのです。
J氏は声を高らかに言いました。「私たちはキング牧師になることはできない。しかし私たちのベストを尽くすことはできる。その1人1人のベストの努力が社会を変えることにつながるのだ」と。
キング牧師の「I Have a Dream」は「We have Dreams」という言葉に変化して、今の社会にもなお活き続けています。