日頃から、あまりテレビを観ない私でも、毎週楽しみにしている番組がある。水曜の深夜に放送される『CBSドキュメント』だ。その中のレポート「60minutes」で、紹介された一人の男性、ダニエル・タメットについて興味を持ち、最近購入した本が『ぼくには数字が風景に見える』である。
サヴァン症候群やアスペルガー症候群といった症状をご存知だろうか?私も含め、きっと多くの人は映画『レインマン』で知っているか、耳にした事があるだろう。よく耳にするのは、自閉症の症状で、数学的なセンスや芸術的なセンスなどが突出する傾向がある事。そんな風に、ぼんやりと知っていた。ただし、そんな才能をもった多くの人たちが、その突出した才能を、アスペルガー症候群という自閉症の症状のせいで、他人に巧く説明出来ず、なかなか解明する為の突破口が見いだされていなかったのである。
この著者ダニエル・タメットは、そんな才能を持ち合わせる一人である。ただ、彼のアスペルガー症候群の症状は、非常に軽く、彼がどのように感じ、どのように数字を見て、どうやって考えているのかを人に伝えていく事が出来るのだ。その事によって、彼の出現が、そんな突破口の役割を果たすのである。
アマゾンから内容を転用すると
小川洋子さん絶賛。「思慮深く、優しい声で、ダニエルは私たちにそっと教えてくれる。この世界は、生きるに値する場所である、と」
著者ダニエルは数学と語学の天才です。それは、ダニエルが映画『レインマン』の主人公と同じサヴァン症候群で、数字は彼にとって言語のようなものだから...。
複雑な長い数式も、さまざまな色や形や手ざわりの数字が広がる美しい風景に感じられ、一瞬にして答えが見えるのです。ダニエルは、人とのコミュニケーションにハンディをもつアスペルガー症候群でもあります。けれども、家族や仲間の愛情に包まれ、一歩ずつ自立していきます。
本書は、そんなダニエルがみずからの「頭と心の中」をいきいきと描いた、驚きに満ち、そして心うたれる手記です。
この、アマゾンの内容紹介でも記されるとおり、この本は、決して学術書ではなく、ひとりの男性の自叙伝と言ってしまっていいと思う。明るさを失わない大家族の中で育つ事の大切さが、どんなに素晴らしい事であるか、と考えさせられる1冊である。