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本しゃべりずむ

『ガルシア・マルケスに葬られた女』

2007-04-15 23:39:16
ここんとこ、とんとブログの更新をサボってしまっていますが、こういったサボリ癖はいけません。日々、読んだ本について「こんなこと書きたいなぁ」と思う瞬間が、何冊分もたまってくると、自分の頭の中だけでもまとまらなくなってしまうから。。。

で、これまでのブログ更新のお休み中に読んだ本の中で、何故この『ガルシア・マルケスに葬られた女』を選んだかというと、何となく最近私が思っている事のもやもやを誘発した本だから。もやもやと云うのは、以前まだ私が某男性向け雑誌でデート・マニュアルのような記事を書いていた時、友人が特別に教えてくれたお気に入りの店を出してしまって、非常に不愉快な思いをさせてしまった事の悔いが残っているのだと思う。

友人は「モノを書く人にとっては、そんな思いもネタになっているんだね」と苦言を呈された。もう何年も前の事なのに、あの時の申し訳ない気持ちは、まだ私の中で鮮度を失わずに残っているし、消したくないと思うのだ。



この『ガルシア・マルケスに葬られた女』をアマゾンから転用するとこうである。

第3回開高健賞受賞作家、受賞後第一作。
『予告された殺人の記録』のモデル、マルガリータは、処女でなかったとの理由で実家に返され、実兄は彼女の昔の恋人を殺害した。著者はコロンビア取材を敢行し、彼女を巡る様々な謎に迫る。

また、ここでベースになっている『予告された殺人の記録』の内容も、アマゾンから転用すると下記のとおり。

町をあげての婚礼騒ぎの翌朝、充分すぎる犯行予告にもかかわらず、なぜ彼は滅多切りにされねばならなかったのか?閉鎖的な田舎町でほぼ三十年前に起きた幻想とも見紛う殺人事件。凝縮されたその時空間に、差別や妬み、憎悪といった民衆感情、崩壊寸前の共同体のメカニズムを複眼的に捉えつつ、モザイクの如く入り組んだ過去の重層を、哀しみと滑稽、郷愁をこめて録す、熟成の中篇。



もともと、マルケス文学がとても好きで、中でも特に『予告された殺人の記録』は、1番好きな作品である。そんな中、先月書店で見かけて思わず買ってしまった、この本。驚いた。不勉強な私は、完全にフィクションだと思って『予告された。。。』を読んでいたのに、この本の内容自体が、ほぼノンフィクションなのだと云う事。それと、モデルにされてしまった女性が、その為に後の人生を狂わされてしまった事が、如実に記されていた。

とても興味深く、一気に読んだ。そして作家というクリエイティブな職業に必要なモラルについて少し考えてみた。是非を問うのでは決して無い。ただ、思いを馳せてみたのだ。マルケスほどの偉大な作家が、そのモデルとなったひとりの女性の人生を、結果としてめちゃくちゃにしてしまった事。それに反して、世界何十カ国で出版され、私のような全く関わりのない人間が読んで、非常に素晴らしいエンターテイメントを享受したと云う事を。。。

冒頭で書いたようなちょっとした反省があったのも手伝い「自分のプライベートが全て自分のものではなく、他人のプライベートでもある」と、考えるたちなので、手放しでフィクションだと思って120%楽しんだ作品が実は、知らず知らずに他人の人生の覗き見をしてしまったような感覚に陥り、ごく個人的な評価として少なからずマルケスの評が下がった気分で居た。しかし、事実『予告された殺人の記録』は本当に素晴らしい本なのである。繰り返すが、是非を問うのではなく、ただ認識する事の難しさを知る良い機会になったと思う。

この『ガルシア・マルケスに葬られた女』はマルケス・ファンからは賛否両論ならしいが、著者の情熱が伺い知れて好ましい。私は、こんな著者や編集者の情熱がこぼれてきそうな本が好きだ。最後に、自分がそうするかどうかはともかく、作家としては実にエゴイスティックかもしれないが、マルケスは、非常に優れた作家であるし、その作品もまた素晴らしくエンターテイメント性も高いのである。



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