『王様は。。。』
2007-08-24 00:43:30
先日、もう結構いい年なのに、書店で見かけて思わず姉にねだって本を買ってもらった。昨年このブログで紹介した『ベトナムから来たもう一人のラストエンペラー』の著者、森達也氏の新刊『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』である。

もともと、森氏のドキュメンタリー映画『A』に興味を覚え、氏のマスメディアに対する姿勢やジャーナリズムの抱える諸刃の剣的な考え方に、普段から私の感じているモヤモヤを投影させて見ていたので、例えオサイフが少々頼りなげでも、是が非でも早く読みたかった本だった。だから、久々に会った姉にネダルなんて、強硬な真似をしたのだろうと、自分にいい訳しながら、むさぼり読んだ。
以前紹介した、森見登美彦の『新釈 走れメロス』も頭の中にあったので、オビ文句の「誰もが知っている15の物語に託した痛烈パロディ」という誘い文句にすっかり騙され「森氏は宗旨替えして、文芸にいったのか?」なんて激しい誤解をしていた事を、読み進めるうちに理解し、赤面する。森氏が試みたのは、寓話を元にした、独創的な社会論であった。
おとぎ話や童話の寓意を元に、現代のイデオロギーや事件・時事ネタと照らし合わせて巧みに紹介していく様は、読み進めて行くうちに思わず、前のめりの体制にさせる程、興味深く、読み応えがある。これまた、以前紹介したレーモン・クノーの『文体練習』の1遍を読んでいるかのようだ。「なるほど、立場を変えて、見方を変えればひとつの物語とは、こんなにも大きく膨らみ、また、全くちがう話になってしまうのだなぁ。。。」と。
絶品の1冊です。















