羨ましくなっちゃう話
2006-06-23 13:46:33
東京で生まれ育った私は、地元(田舎)がない。
高校・大学生の頃、夏休みやGWになると、ひと足先にに自立した友達達が「実家(地元)に行ってきてさぁ。。。」なんて言っているのをみて「いいなぁ。地元があって。。。」と、ちょっと羨ましかった。ちょっとだけね。。。
しかしながら、最近の東京のめまぐるしい変化によって、どんどんとこの羨望は大きくなり、拍車がかかってくる。だって、地元をお持ちの皆さんには所謂『原風景』がある。めまぐるしく、ひと月空ければ知らない店が立ち並ぶ下北沢で育った私には、そんなものない。私の青春時代の象徴といっても過言ではない原宿の『オーバカナル』も『同潤会アパート』もいまはもう、ない。進化をNOと言っているのではない。私だって、便利になったりきれいになったものを使うことに享受しているのだ。でも、寂しいのだ。六本木ヒルズやその他に立ち並ぶビル群が私の『原風景』となることが。。。
そんな私の『羨望』に決定打を加えた1冊を紹介したい。

『忘れられた日本人』
この本の著者、宮本常一氏は民俗学に精通し、諸国をくまなくあるき、その地方、その村々の民間伝承を面白おかしく紹介している。
口頭伝承だったり、門外不出の文書を通して、昔あった事件や、のびのびとしていた人の暮らしの営みをおおらかに綴る内容は、落語でも聞いてるかのようにいきいきと伝わってくる。
場所は変わるが、沖縄の民間伝承をたっぷり盛りこんだ小説、池上永一氏の『風車祭』のように、日本の北から南まで、津々浦々のアレコレを教えてくれる。まるで家のおじいちゃんやおばあちゃんの存在のような1冊である。
私のように、都会の喧騒に少しマイってしまっている人は、週末にでもこの本を読んで、ちょっと旅行にでも出た気分にひたるのは、いかがかしら?



