※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
2007年03月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
リンク集
本しゃべりずむ

原作と映画

2007-03-07 04:24:02


最近なんだか映画づいている。しかもそのほとんどにハズレが無いのが不思議である。3月は好い映画が多いと言われているそうだが、そんな定説を初めて身を以て感じたように思う。映画業界が頑張っているのか?たまたま好い映画に出くわしたのかは判りませんが。。。

先々週末『華麗なる恋の舞台で』、今週末『パフューム』と2週続けて原作に忠実な作品を観た。たいていの場合「映画化決定!」となると、私はいつも葛藤を覚える。「観たい」という気持ちと「絶対、がっかりする」という気持ちのせめぎ合いがあるからなのですが、やっぱり「観たい」気持ちが勝ってつい観に行ってしまうのだ。

『華麗なる。。。』は先日このブログでも紹介したサマセット・モームの『劇場』の映画版。ページのボリュームを見ただけでも、絶対に2時間強の映画では収まりきらないはずなのに、うまい演出がカバーして、おもわず唸ってしまう。何よりも主人公のジュリアをアネット・ベニングが演じているのも、原作にイメージとぴったり。彼女が恋する年下の青年役も、本を読んで想像していた通りの「見るからに馬鹿で軽薄そう」なキンパツ君だった事も、登場シーンからくすくす笑ってしまえるくらい。痛快で、ちょっと切なく素敵な映画でした。




で、面白かったのは一緒に行ったK氏との映画の後の会話。K氏も私も原作を読んでから行ったので、きっとお互いこの『劇場』の世界観が出来上がっていたから余計に興味深かった。実は私は「食べるという事」がこの本の裏のキーワードで、その流れで最大の山場はそこにアルと思っていたのに、映画では「飲む」に変わっていて、ちょっとだけ失望したのだが、映画化だから許容範囲と思い「原作に忠実でしたね」とK氏に声をかけたところ「食べるがカットになってましたね」と返事が返って来た。K氏も同じところを原作の同じシーンを山場と思っていた事に正直びっくりした。

私たち人は皆、それぞれ興味の範囲も違い、感じ方だって違う。よく「価値観が違う」と軽々しく人は言うが、違う人間なんだから、そんなことは当たり前である。でも、ごく稀に思ってもみなかった自分の「オタク」な部分や「ナナメにみる視点」に一瞬だけ他者と合致する瞬間がある。そんな時「ピンときた」が降臨するのだろう。ま、たまさか意見があっていただけで、逆に思いもしなかった箇所をつかれたりするのもまた、愉しいものである。そう思うと、本を読んだり映画を観たりした後に語り合える友人・知人がいる事は、けっこう幸せな事である。

『パフューム』の原作『香水-ある人殺しの物語-』は、私が未だ実家暮らしだった何年前かももう忘れてしまうくらい昔に、父の書斎から拝借し、貪り読む程あっという間に読み終えてしまった本である。読後の一番最初の印象は「エンターテイメント性が高く、面白くあっという間に読んだけど、嫌な本を読んだ」だった。父にそのままの印象を伝え「なんであんな本を大事に取っているの?ちょっと気分が悪くなった」と聞いたところ「君が、嫌だ嫌だと思いながらも、夢中で最後まで読んだなら、そこにはきっと何かがあるんだよ。落ち着いたらもう一度読んでみると良いよ」との答え。





その後、父の言う事を聞かず、すっかりこの本の存在を忘れていた昨年の暮れに友人であるR氏から、この映画化を知らせれる。実家に帰って探してみてもなかなか見つからず、書店で購入したものの、もう一度読んでみる間もなく映画を観に行ったのだが、非常に面白かった。細かいディテールも脳の記憶を連鎖して呼び起こすような、そんな作品だった。思わずあちこちの匂いをつい嗅いでしまいたくなるような、匂いたつ映画だった。残念なのは、父と一緒にこの映画を観に行けなかった事。というか、誘いもしなかった事。きっと一緒に行ったら、帰りがてら愉しい話しが出来たに違いないのに。。。
うーん。どうして思いつかなかったんだろう?残念である。

この記事のURL

http://www.cafeblo.com/chica/archive/125
http://www.cafeblo.com/chica/index1_0.rdf
ネットワーク (2)






(c) 1999-2008 Cafeglobe.com All rights reserved