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紅い桜

2006-06-12 09:06:25
亡命作家ではないけれど、“かの国の時を知る”という意味でのフィルターとして、なかなか面白い本『紅い桜』に出合えたので、ここでご紹介。



書籍名  『紅い桜』
語り    斉藤淑
聞き書き 鈴木俊之
       鬼塚忠 
出版社   講談社
価格    1680円


「文化大革命」激動の時代、疑心渦巻く中国。監禁されてしまう夫、我が身に課せられた強制労働。夫を、子をもう1度この手に抱きしめる日まで、愛を信じ、過酷な運命に立ち向かったある日本人女性の実録記。

出版社からのコメントとしては−『ワイルドスワン』を超えた感動の実録記−とあるが、それよりもむしろ『海峡を渡るバイオリン』の印象に近い。聞き書きの鬼塚忠氏がこちらも書いているので、当たり前かもしれないけど。。。
とつとつと、淡々とした斉藤淑氏の語りによって進められていく文体が、戦争などの有事を体験してきた祖父母のような語りと重なり、かえってリアルに響く。

同じく、文化大革命をテーマに扱った『ワイルドスワン』や映画『覇王別姫』があるけど、あわせて見ると、文化大革命とは何だったのか? が良く判る。

と、文革についてあげさせてもらったけど、それよりも、人種・国籍を問わずに人間の根底にある“愛”や“希望”“不屈の精神”は共通なんだな。。。と再確認する一冊だった。

ちょっと不謹慎かもしれないけど、戦争体験者の方々はもうかなりお年だし。。。私たちがきちんと語り継いでいかなければならない“人が引き起こす不幸の歴史”は、きちんと耳で聞いて、目で読んで頭の片隅にでも記憶させていきたいなぁ。。。そして、次世代にちゃんとバトンタッチしていきたいものだと深く思う週末でした。


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