2007-03-26 21:27:03
今日は、豊橋で講演をさせていただきました。
その懇親会で経営者の方々から伺ったお話のひとつに、
深刻な事業承継の問題がありました。
株式公開していない企業にとって
会社の株式や余剰金に対する相続税は、
事業の継続性を絶つ可能性がある大問題。
問題は大きく二つ。
ひとつは、相続の在り方。
何百人もの従業員を雇う企業の
株主である創業者が亡くなると、
その株は、いきなり創業者の親族へ。
たとえ、その事業を引き継いでいるのが
長男であろうとも、その企業の株式は、
相続のルールで、
配偶者やその他の子どもたちに相続される権利があります。
事業を引き継いだわけでもない人物に株式が渡り、
株主として、経営への口出しや干渉が起こり、
経営が混迷するということもしばしばとか。
お話くださった社長さんの地域でも、
3人の経営者がその争いの中で、
自殺に追いやられたとか。
昔、先祖から引き継いだ田んぼを
農業をするわけでもないのに、兄弟で分け合って、
代々の田畑を失ってしまう人を
「ばかもんの田分け」といったそうで・・・
「たわけ者」って、こういう語源があったんですね。
多くの従業員を預かる企業の事業承継は、
これからますます大きな問題になるはずです。
戦後に立ちあがった企業の経営者の方々は、
今まさに70代。
事業承継に対する相続の在り方を見直さないと
バタバタと大切な企業が消えていくかもしれません。
そして、もう一つが、減価償却の在り方。
日本の企業会計での減価償却期間は、
海外に比べて長い。
スピードの時代に、海外企業はどんどんと
新しい設備を取り入れ新たな生産体制を敷いていく。
ところが、日本は減価償却期間が
7年や10年といった長期に設定されているため
簡単に新たな設備の導入には踏み切れない。
「これじゃあグローバル競争には勝てないよ。
減価償却のルールが変わらなければ、
いずれ日本を捨てて、わが社は海外に出るかもしれない」
そんな風におっしゃる社長もいらっしゃいました。
相続や減価償却など、税金にかかわる問題は、
これ以外にも、きっと多くあるでしょう。
日本の借金は、とうとう1000兆円を超えました。
このままでは、日本の財政はどうなるのか・・
税収をいかに増やすか・・という議論もありつつ、
一方で、
税金によって、企業が活力を失ったり、
日本を捨てる企業が出てくると、
結局国の景気は低迷の方向へ。
税金の在り方や国家としてのお金の使い方について、
広い視野で、そして長期的な目線で考えることが
ますます必要になってきています。
こうした中小企業の現状は、
なかなか大きな声になりません。
経済団体の多くが、大企業組織。
そして大企業の経営者の方々は、
残念ながら、事業の未来を左右するほどの
大株主じゃないんですね。
これから、折を見て、
さらに中小企業のこうした現状を調べてみようと
しみじみと思った豊橋での講演会でした。
お話を聞かせていただいた社長様たち、
ありがとうございました。



