たまの休日に写真機材を抱えて京阪神のいずこかに出没、目指すは紀信かアラーキーか。みずからの愚かさ、未熟さ、時にはクライアントの理不尽さに嘆きつつも、世界を股にかけ写真を撮りまくることを夢想する・・・。
デジタル化の波に否応なく呑み込まれ、もみくちゃにされながらもどっこい生き残りを賭ける赤貧写真家の徒然なるブログである。

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奥の細道2007 青森竜飛崎 [2007年10月02日(火)]
9月5日 『津軽海峡夏景色』

「ごらんあれが竜飛岬、北のはずれと
海峡を臨む駐車場脇にある石川さゆりの大ヒット曲『津軽海峡冬景色』歌謡碑から、時おり大音量で聞こえてくる (作詞は先日亡くなった阿久悠。JASRACは大丈夫か?) 。ボタンを押すと曲が聴ける仕組みだ。なんかおかしいな? と思ったら1番はすっ飛ばし2番だけ。何人かの観光客が面白がってボタンを押し、繰り返し聴かされると、うんざりしてくる。だから、自分からは押したくない。これではかえって情緒ぶち壊し…のはずなのに、「パブロフの犬」ごとく歌詞が頭をよぎり、それを頭の中で掻き消そうとしている。うーむ、これはしてやられたな。

曇りだか雨だか晴れだかよくわかんない予報は、確かにあたった。青森駅を出るとき降っていた雨は、津軽半島を北上するとともに止み、竜飛崎につく頃は雲が薄れ、晴れ間も覗いてきた。季節外れのややしおれたアジサイや、淡い青紫のチッコリーの花に彩られた竜飛崎すぐ沖合いでは、潮流の関係で渦ができ、眼前いっぱいに拡がる津軽海峡を経て、対岸の北海道松前半島が雲に重なりながらもくっきりと見える。


    竜飛崎ほぼ北端。断崖の岩場に、夏場といえど人を
               寄せ付けない自然の荘厳さを見た

そんな竜飛崎の一角に、草花に覆われたわずかなコンクリート片が見える。かつて戦争中、津軽要塞竜飛崎砲台として数基の砲台があった跡だ。

戦争末期、米軍による都市空襲の矛先はしだいに地方の中小都市や距離が遠くこれまで攻撃圏外だった東北北海道方面にも向けられはじめた。
1945年7月14日と15日、本州と北海道をむすぶ物流の大動脈、青函連絡船を分断するため、米海軍機が襲撃した。わずかな対空砲火を備えていたとはいえ民間輸送船にすぎない青函連絡船は、容赦なく次々と攻撃され、当時就航していた12隻が沈没、座礁などで全滅した。そこで急きょ代替船として稚泊航路(北海道稚内と樺太大泊を結ぶ連絡線)の「亜庭丸」を投入するも、8月10日、再び空襲に遭い沈没。もともと津軽海峡に迫る対敵艦船用15cm砲は、ほとんど役に立たなかった。
今ののどかな光景に、それらの惨状は結びつかない。


左上) 今は砲台に代わって自衛隊のレーダーが海峡を睨む
左下) 砲台跡と竜飛崎
右) 旧津軽要塞監視所が海峡全体を見渡せる崖の中腹にあった


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