たまの休日に写真機材を抱えて京阪神のいずこかに出没、目指すは紀信かアラーキーか。みずからの愚かさ、未熟さ、時にはクライアントの理不尽さに嘆きつつも、世界を股にかけ写真を撮りまくることを夢想する・・・。
デジタル化の波に否応なく呑み込まれ、もみくちゃにされながらもどっこい生き残りを賭ける赤貧写真家の徒然なるブログである。

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8月の所感 映画編 [2007年09月11日(火)]
『夕凪の街 桜の国』 ’07アートポート 監督:佐々部清

原作はベストセラーとなった同名漫画。短編3部作からなり、ひとつひとつを読むと少し物足りない、消化不良のような終わり方をしているが、3作を何度か読み返すうちに、じわりと伝わってくる。
その短い物語をどう映画にしていくのか気になったが、おおむね原作通りで、文字で見た広島弁がセリフとして耳に入ってきて面白かった。

この作品は反戦や反核を声高に訴えているものではない。年頃の二人の女性の何気ない行動や言葉に、封印したい原爆によって引きずられる漠然とした恐怖と葛藤するさまを淡々と描いている。それをそれぞれ主演の麻生久美子と田中麗奈が観る者をうまく作品に導いてくれる。さらにこの二人のアップをスクリーンで見られるのもいい!

ただ皆実(麻生)の最期が原作と違っていた点はがっくり。原作にあるホワイトアウトのような最期は、ある意味残酷の極みであり、強烈な爆風、熱線とは違う原爆の持つもうひとつの静かな殺傷力である。皆実の最期の言葉を、原爆を使った連中に聞かせてやりたい。−「やった! またひとり殺せた」とちゃんと思うてくれとる?−

『ヒロシマナガサキ』 ‘07米 監督:スティーブン・オカザキ

邦題がそのまんまなのがちょっとね…。このタイトルじゃないと通じないとすれば、なんだか悲しい気がする。原題“WHITE LIGHT/BLACK RAIN”という暗示的なタイトルのほうが(副題“The Destruction of Hiroshima and Nagasaki”)伝わるものが大きいように思う。
そのヒロシマ、ナガサキの被爆者や作戦従事者日米合わせて10数人の証言を、“その”事前、瞬間、直後、そしてその後と時間を追って細かくつないでいく編集手腕は圧巻。その状況が複眼的に、まるでそこに居合わせるかのように響いてくる緊迫感と臨場感は、ハイテクCGをはるかに凌駕する真実だけがもつ迫力と重みだろう。


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