たまの休日に写真機材を抱えて京阪神のいずこかに出没、目指すは紀信かアラーキーか。みずからの愚かさ、未熟さ、時にはクライアントの理不尽さに嘆きつつも、世界を股にかけ写真を撮りまくることを夢想する・・・。
デジタル化の波に否応なく呑み込まれ、もみくちゃにされながらもどっこい生き残りを賭ける赤貧写真家の徒然なるブログである。

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遥かなり龍宮城 [2007年05月17日(木)]
先月、下関の亀山八幡宮で浦島太郎よろしく亀を助けたが、実は以前にも似たようなことがあったことを、その時思い出していた。

それは数年前の初秋、台風が接近する夕方、帰宅途中での出来事だった。
なんだか道路上をモソモソと石ころのようなものが動いていた。すぐに体長15〜20センチはあるカメだと判ったが、イッタイゼンタイなんでこんなところにカメがいるのかが不思議だった。

カメが向かう先には、確かにカメが棲息してそうな沼があった。道路を挟んだ反対側は田んぼで、ここもカメがいてもおかしくない。が、両者の間には段差やら茂みもあり、歩道を含めて距離も10数メートル以上離れていて、完全に分断されている。それはカメにとって外国に相当するくらい別世界だと思う。

これを容易にカメが通ってこれるとは思えないし、道に迷ったとしても、あまりにもカメがいる場所としては似つかわしくない。

ならば何か明確な目的があって、道路を隔てた沼に向かっていたんだろうか。だとすると車の往来の激しい、その道路を渡る危険を冒してまで、果たしたい目的とは何なのか。カメが「危険」というものを認識できるのか。いや、そもそも、カメがそんな強固な意志を持って行動するのか。私の頭の中は、そんなちょっとした混乱を起こしていた。


道路にこんなデカいカメがいたら嫌だ
(奈良・明日香村の亀石)

やがて車が近づいてきた。カメはその気配に感づいたのか、逃れようと短い脚を必死に動かしているように見えた。車はカメを避けたが、次の車が気付いてくれるとは限らない。空はどんよりと曇り、薄暗くなってきている。日が落ちる前に、カメなんぞ視界には入らなくなるだろう。

ようやく達した路肩を乗り越えようと、カメは短い脚をバタつかせていたが、段差からそれが不可能なことは、明らか。

「何をしたいんだ、お前は」
心の中で私はそう叫んだ。そしてひたすらもがき続けるカメをむんずと掴み上げ、人間にとってはほんの数歩先、柵があってそれ以上前に進めなかった沼に放り込んだ。多少手荒だと思ったが。
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