たまの休日に写真機材を抱えて京阪神のいずこかに出没、目指すは紀信かアラーキーか。みずからの愚かさ、未熟さ、時にはクライアントの理不尽さに嘆きつつも、世界を股にかけ写真を撮りまくることを夢想する・・・。
デジタル化の波に否応なく呑み込まれ、もみくちゃにされながらもどっこい生き残りを賭ける赤貧写真家の徒然なるブログである。

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悠遊国記 ここまで来て…3 [2007年04月06日(金)]
下関火の山公園のふもとに着いたとき、あ然、愕然、呆然としてしまった。「ええーっ、山頂に行けない?!」

火の山公園とは関門海峡の最も狭いところ、関門大橋のすぐ東にある標高268mの山にあり、眼前の海峡はもちろんのこと左手に瀬戸内海、対岸の北九州門司、小倉、右手にやや霞んだ玄界灘までが見渡せる展望のいいところ。
それゆえ、かつては軍事要所として要塞化され、民間人立入禁止区域だった。要塞のあった山頂一帯は戦後、公園として整備されたが、そこへのアクセスがよくわからなかったので、直前にネットで調べたところ、麓−山頂間の市営ロープウェイが4/1から季節営業開始、それにともない、代替交通手段だった山頂までのバス路線が3/31廃止、と観光ガイド公式HPに出ていた。

ふむ、ロープウェイ大人片道200円。こりゃまた安いな! 乗る気まんまんで乗場まで来たのに、チケット売場にはシャッターが降ろされ、「ロープウェイ営業期間 7/1〜9/30」と貼り紙がしてあった。「どういうことや!」


関門海峡。この狭い水道を一日何百隻もの船が通過する
クリックすればパノラマ写真が見られます

そういえば、朝、下関駅にある観光案内所に立ち寄ったとき、職員がこんな会話をしていた。
「火の山公園のロープウェイは、動かないんだってね」
「そうなんですよ、云々」
確かにそう聞こえた。が、HPの情報を鵜呑みにし、その会話を完全に無視した私は、大バカものでしかないが、しかしイッタイゼンタイなんでこんなチグハグはことになったんだろう。

ロープウェイが夏季営業なら、バス運行が3月末までなのはおかしい。ロープウェイ乗り場手前で降ろされて、あとは自力で登ってね、では観光客はたまったものではない。バス会社とロープウェイを運営する下関市はどんな取り決めをしているんだろうか。まさか、観光振興うっちゃらかして、赤字路線(なんだろうなあ)の押し付け合い? おそらくは多くが自家用車やレンタカーで登っていくので、これらの利用者が少ないんだろう。自動車社会の弊害なのかなあ、とぼそっと思った。


数十年の歳月を経て、少しずつ自然に回帰していく
 

砲台跡。海峡を通過する敵艦を標的にした大砲は、
一度も使用されなかった。
関門海峡両岸には多くの要塞が築かれた


ここまで来て、ロープウェイだのバスがないから、山頂には行けません、ではあまりにもバカげたこと。そこから山頂までは徒歩30分ほど。そんな事態もなきにしもあらず。まだ時間は早い、明るいうちに充分往復できる。そう覚悟して、歩き始めた。

山頂までは、少々汗をかきつつも思ったほどきつい行程じゃなかった。そして山頂の展望台から目の前に広がって見える海峡の光景は、そんな徒労感を完全に吹き飛ばすだけの値打ちのあるものだった。
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