たまの休日に写真機材を抱えて京阪神のいずこかに出没、目指すは紀信かアラーキーか。みずからの愚かさ、未熟さ、時にはクライアントの理不尽さに嘆きつつも、世界を股にかけ写真を撮りまくることを夢想する・・・。
デジタル化の波に否応なく呑み込まれ、もみくちゃにされながらもどっこい生き残りを賭ける赤貧写真家の徒然なるブログである。

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悠遊国記 亀山八幡宮にて [2007年04月06日(金)]
下関市唐戸にある亀山八幡宮は、かつては島であり、カメのように見えたことから、まんま亀山と呼ばれるようになった。

江戸時代になって付近を埋め立てる工事が行われたが、早鞆の瀬戸と呼ばれる潮流の速い関門海峡での工事は難攻した。そこで「お亀」さんという遊女が人柱となり、これを切り抜けたという。そこから境内にはお亀明神が建てられ、カメがうようよいる小さな池があるという、カメづくし。それは成人後仙崎から下関に移り住んだ童謡詩人金子みすゞの詩にも出てくるから、とってつけたような語呂合わせでもなく、昔から人々に親しまれてきたんだろう。

左) おかめ明神                               右) ひたすら甲羅干しする池のカメたち 

同神社手前の駐車場は、その金子みすゞが生前最後の写真を撮った三好写真館の跡地なわけだが、そこに奇妙な石みたいなものがあった。近づいてみると、それはカメだった。まったく動いてなかったので、死んでいるのか、それとも置き物なのか。そこでつついてみると、頭も足も引っ込めたので生きている。

そいつがお亀明神の池から這い出してきたことは、容易に想像がつく。が、イッタイゼンタイこいつは何のため、どうやってここに来たのか。

お亀明神は島だった頃の名残で、駐車場よりも数メートルも高いところにあり、当然柵もある。わざわざ柵を乗り越えてまで、ここに来る目的はあるのか。それ以前に物理的に柵を乗り越えられないだろうし、乗り越えたとして、そこからは駐車場へまっさかさま、落っこちるしかない。

いくら硬い甲羅に覆われているとはいえ、あの高さから落ちれば、無事ですむとは思えない。それとも長い階段をのそのそと降りてきたのか。よく見ると前足を怪我していたが、“落っこちた”ときに、怪我したのかどうかも、判りようがない。

私は、まったくそこから動く気配のないそいつをむんずと掴んで、今降りてきたばかりの階段を登って、池に放してやった。それからも、そいつはまったく動こうとしなかった。

亀山八幡宮から東へ500メートルほどにある赤間神宮は、壇ノ浦の合戦で入水死した安徳天皇を祀ってあるところなので、大して興味はなかったが、夜7時頃、列車の時間までまだ少しあったので、寄ってみた。赤間というくらいだから、見事なまでの朱塗りの建物(水天門)は、安徳天皇が海の底で暮す龍宮城をイメージしているという。

そこでのんきに写真を撮っているうちに、時間が迫ってきた。下関駅行きのバスを待つのももどかしく、全力疾走で駅まで走った、走った。よく、走りきったもんだ。

これって玉手箱なんだろうか。
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