たまの休日に写真機材を抱えて京阪神のいずこかに出没、目指すは紀信かアラーキーか。みずからの愚かさ、未熟さ、時にはクライアントの理不尽さに嘆きつつも、世界を股にかけ写真を撮りまくることを夢想する・・・。
デジタル化の波に否応なく呑み込まれ、もみくちゃにされながらもどっこい生き残りを賭ける赤貧写真家の徒然なるブログである。

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ソウル・オリンピック競技観戦記  ノング;テニス:チュック;ヨジャ・ペグ  [2008年08月01日(金)]
ソウルるん滞在記 '88 XII オリンピック競技観戦 9月20日(火)〜23日(金) 
ノング;テニス;チュック;ヨジャ・ペグ



20日(火)
ソウル総合運動場は広大な敷地でありながら、どういうわけか食堂がひとつも見当たらなかった。売店でカップラーメンとかキムパップ(海苔巻)やスナック菓子くらいしかなく、腹ペコでしょうがない。また暑かったので冷たい物を飲もうとするが、韓国の自動販売機のジュース類は、冷えていないものが多かったため、買おうにも一瞬ためらい、賭けでもするような心境。日本のようにそこらじゅうに自販機があり、いつでもどこでも冷たいものが飲めることに慣らされているから、こんなことを不満に思うんだろうな。

オリンピックの花形競技、陸上の開始を3日後に控えたメインスタジアムは、警備厳重ではあったが、常にニラミを利かせているわけでもないようで、選手用ゲートから観客のいないなか、聖火が灯された聖火台やフィールドでトレーニングに励む選手たちの様子を見ることができた。本番目前、静かな緊迫感が伝わってきたように思う。

夜からはナムジャ・ノング(男子篭球=バスケットボール)予選、中央アフリカ共和国対ユーゴスラビアとソ連対オーストラリアを観る。中央アフリカは結局敗れたものの、一人の選手の活躍がとても目立つなど、スピード、ジャンプ、パス、シュートどれもさすがはオリンピックと唸らせる素晴らしいゲーム内容だった。
ちなみにこの時も客は少なく、2等指定席でもよりよい席を求めて何度も移動した。


22日(木)
競技観戦の勝手を知り、欲が出てきた。いろんな競技を見てやろうとオリンピック公園テニスコートに来る。センターコートを囲む数面のコートは、料金もセンターコートの半額ほどだったが、センターコートでも4000ウォンと安いので、せっかくの機会だからそちらにした。が、選手が一体どこの国の誰対誰なのか判らず、それ以前にルール自体もほとんど知らないので、どっちが勝っているか、何がどうなっているのかもわかんないことに気付き、観ていてもさっぱり面白くなかった。おまけに体中の水分がなくなるかと思うくらい暑かったので、陽の当たらない所へ移動したが、屋根のないセンターコートではほとんど意味がなかった。

夜からは市中心部に程近いトンデムン(東大門)運動場でチュック(蹴球=サッカー)、フランス対中央アフリカを観戦。こりゃあ、旧宗主国対旧植民地国の戦いだな…。
サッカーの方がルール等試合の面白さを知っているので、楽しく見られたが、今ほどサッカーに関心のない時代だったためか、ここでも観客はガラガラ、4000ウォン(約750円)。日本の物価水準にすると800〜1300円くらいか。オリンピックの試合がこの値段で見られるなら安い!

23日(金)
ヨジャ・ペグ(女子バレーボール)日本対東独、韓国対ソ連(*)の試合は券の入手が困難とみて早めに会場、男子のときと同じハンニャン大学体育館に行った。案の定たくさんの人が並んでいた。そのため当日券は臨時で増発され、ちょうど私の分までの枚数があったようだったが、複数枚買った人がいたため、残念、一人前で売り切れとなった。が、諦めずにしばらく付近にいると、券が不要になった人から8000ウォンを1万ウォンで手に入れることができた(白人だった。ダフ屋?)。

ゲームは前半シーソーゲーム、手に汗にぎる見応えあるものだった。セットカウント2−1とリード、日本の勝利は間違いないと期待は膨らんだが、続く第4セットはあれよあれよのまに点を取られ、というよりつまらないミスの連発でくれてやり、その後、試合の流れは堤防が決壊したかように止めることができず、なすすべもなく、結局2−3で負けてしまった。

女子バレーは3日前の試合で宿敵ソ連を大接戦の末破った。この様子を民泊先のCさんが熱く語ってくれ、私は聴いているだけで興奮した。低迷傾向ながらもメダルを期待される日本女子バレーが、ソ連に勝ったとなれば勢いがつく。今日の試合は俄然勝利を確信、まさか格下の東独相手に敗れるとは思わなかった。

試合会場には日本が登場するとあって、当然、日本人がうぢゃうぢゃいて、例の「ニッポン チャチャチャ」コールはすさまじく、周囲にいたドイツ人(たぶん西)は怪訝そうな顔をしていたが、彼らも負けじと、東独の旗を振りながら、「D.D.R. チャチャチャ(*)」とやりだした。こういった様子は他の会場でも見られ、東西に分かれようと同じドイツ民族なので、理解もできたが、敵の敵は味方なのか、それとも同じ分断国家の悲哀なのか、反共国家の国民、地元韓国人観客のほとんどが“共産主義国”東ドイツを応援していたのには驚かされた。場内は試合の熱気と、双方の「チャチャチャ」コールが飛び交い、反響し合う異様な空間が出現していた。

(*)ソ連=ソビエト社会主義共和国連邦
D.D.R.=Deutsche Demokratische Republik。ドイツ民主共和国、旧東ドイツの略称
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