たまの休日に写真機材を抱えて京阪神のいずこかに出没、目指すは紀信かアラーキーか。みずからの愚かさ、未熟さ、時にはクライアントの理不尽さに嘆きつつも、世界を股にかけ写真を撮りまくることを夢想する・・・。
デジタル化の波に否応なく呑み込まれ、もみくちゃにされながらもどっこい生き残りを賭ける赤貧写真家の徒然なるブログである。

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10月の所感 映画編 [2007年10月30日(火)]

『エディット・ピアフ 愛の賛歌』 '07 仏・英・チェコ

フランスの国民的歌手の半生、といってもこれを観るまでまったく知らない存在だったけど。世界的ヒット曲は、なるほど聞いたことある。この人の歌だったのね。

図抜けた歌の才能とは違って、恵まれなかった少女時代、そしてデビュー後も私生活は不遇。このあたりのエピソードを時代が脈略なくいったり来たりして、ストーリーが繋がらず、判りにくい。この人は誰、あの後どうなったの?

最後47歳にしてドラッグに蝕まれ、歩くことさえおぼつかないまるで老婆のようなエディットを演じたマリオン・コティヤールの演技力は上手かっただけに、もったいない。

『キューポラのある街』 '62日活 監督:浦山桐雄

デビュー間もない吉永小百合の、初々しい演技で名高い作品。確かに可愛い。全然擦れていない(当たり前か)。他にも子どもたちの演技が上手い。
そしてこれも有名な在日朝鮮人たちの帰国風景のシーン。まさに帰国事業たけなわの時期に作られただけに、「金日成将軍の歌」が高らかに響く中、絶望的な貧しさと差別から脱却するために見知らぬ祖国に旅発つ様子は熱気がみなぎり、当時の様子をよく伝えていると思う。

『ダーウィンの悪夢』 '04仏・墺・ベルギー 監督:フーベルト・ザウパー

一抱えもあるような巨大な魚、ナイルバーチ。グロテスクで不味そうだが、本当は美味いらしい。日本にも盛んに輸出されているそうで、白身魚フライとかなんとかで知らないうちに食べているかもしれない。

輸出元タンザニア・ビクトリア湖畔の街はその水揚や加工業で賑わうが、これはごく一部の話。その恩恵に預かれない大部分の人が、少しでもおこぼれを貰おうと群がるが、そこには出口の見えない貧困の泥沼地獄しかない。
売春、AIDS、空腹を紛らわせるために発泡スチロールを熱湯で溶かし、そのガスを吸引する子どもたち、前任者が射殺され夜警の職に就いた男性が、「戦争で兵士になる方が収入がいい。怖くないさ」と嘯く…。
ただ蝕まれていくだけの現地住民。この地の人たちは一体何のために生まれ、何のために生きているのか。

私たちが何気なく口にする輸入食品の背景を、この映画ではしかし、その実態の、ほんの一端を伝えているにしかすぎないと思う。

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