学校給食事業の現場

2007-10-06 08:01:31
先週、カブウェで活動しているドイツ系NGOの学校給食プログラムの現場を見てきた。

現在ドイツ人2名、オーストリア人2名のボランティアが手伝いに来ており、月曜日の野菜(キャベツとトマト)配達に同行させてもらったのだ。



この組織は、8校のコミュニティースクールに対し、学校の建設・運営を行い、現在は無料の学校給食に力を入れている。

日本のテレビCMで時々みかける「世界食糧計画(WFP)の学校給食プログラム」に似たものだが、通常のメニューはシマ、カペンタ(川魚の煮干し)、キャベツにトマトソース。週に一回は鶏肉の日があり、料理用の薪や炭も配給している。



これらのコミュニティースクールに通っているのは孤児や貧困家庭の子供たちなので、ここで食べる1食のみがきちんとした食事という場合もある。給食だけでなく、児童の自宅や困窮家庭に主食のミルミル(とうもろこしの粉)と食用油、石鹸、洗濯洗剤なども定期的に配布している。また、児童に対する必要なワクチン接種、駆虫剤の投与、結核診断、健康管理など医療面のサポートもしているが、医療面での人的・物的支援が不足していると話していた。



政府系学校(以下、公立校)はあるのにコミュニティ校を作った理由として、公立校では制服、PTA会費、施設維持費など金銭的な負担が発生するが、孤児や困窮家庭の子供はそれが用意できない。それでコンパウンドと呼ばれる貧困者の住む地域に、学校建設を始めたそうだ。コミュニティ自体は土地の提供や建設、メンテナンスなど労働力を提供している。現在8校で、計4100名に教育の機会を提供しているそうだ。



さらに、これらコミュニティ校で働く教員を募集するため、若くて経験のない教師や代用教員に対し金銭的な支援を行い、2年間の教員養成講座を受けさせている。講座終了後は3年間コミュニティ校で働かせるという契約にして、質の高い教員を育てながら一定期間学校に繋ぎ止める方法をとっている。公立校のほうが給料や条件が良いので、契約期間後は公立校に移る教師が多いそうだが、給料の支払いが遅れ気味な公立校に対して、毎月末きちんと支払われる給料や教員にもふるまわれる給食、学校が町に近いことなどはここで働く利点になっているようだ。



カブウェに暮らしながら、コンパウンドに初めて足を踏み入れた。ザンビアは広大な土地に恵まれているため、東南アジアの人口過密で不潔になりがちな所に比べると、貧困であっても清潔でゆったりと生活しているように思えた。

この記事のURL

http://www.cafeblo.com/brokenhill/archive/193

コメントする

名前:
Email:
URL:
クッキーに保存
小文字 太字 斜体 下線 取り消し線 左寄せ 中央揃え 右寄せ テキストカラー リンク

コメント


Aiさんへ

ずっとこのブログをほったらかしにしていたので、コメント頂いたのを気づかずにいました。失礼しました。
ザンビアの人たちは優しい人が多いと思います。ただ、私はなかなか交流を持てないで終わりました。残念ですが。
Posted by:Aiさんへ at 2008年02月17日(日) 12:11

素敵なBlogですね。
ザンビアの人達は温厚でとっても人懐っこいため大好きです。
Posted by:Ai at 2008年01月15日(火) 00:52

実は私も個人だけでなく国もこういった援助に頼りすぎではないかと思ってしまいました。ザンビアの人で「俺たちがやるんだ」とやる気になってくれる人が出る、そんな環境になればと思いますがそれも理想主義ですね。
Posted by:uta at 2007年10月08日(月) 07:11

>utaさん
この組織の運営は、長く駐在しているドイツ人一家によって、うまく機能しているように思えます。ただ残念ながら、運営面で(特にお金を)まかせられるザンビア人のローカルスタッフがいないようです。
良い教員を長く引き留めるために、給料などの面で公務員なみにできればいいんですけどね。コミュニティ校でも、自分たちで運営している所も多いので、援助に依存し続ける体質ができあがるのも良くないんです。私などは、薪や炭くらい自分で調達すべきじゃないのと思うのですが、土地を持たない人にそこまで要求できないのかも。


>ケニーMさんへ
給食費未納の話、本当に驚きます。わざと払わないような家庭の方がいるなら、是非こういう所に見学に来て欲しいです。恵まれている環境を実感できず、不満を抱いている子供達にも。


>Mark & Ikukoさんへ
ザンビアでは学校全体の3分の1がコミュニティースクールで、多くの場合「学校までの距離が遠すぎる」ことでコミュニティが独自に作っているようです。政府もそれなりにやっているのですが、とにかく国土が広すぎて行政がカバーしきれないし、教師も年間で1000人くらいがエイズなどの理由で死亡しており、教員の雇用・育成・活用も期待通りには進まないようです。でも、各種手当ての支払いが遅れるのは、中央の執行能力が低いと言われてますね。
欧州からのボランティアは、重たいキャベツの袋をさげて汗だくで、よく働いていました。こういうのを見ると、日本でも若者が社会奉仕活動を一年くらいやる機会を作ってもいいんじゃないかと思います。
Posted by:猫林@ザンビア at 2007年10月08日(月) 01:16

>マダム猫林さん
教育の機会を当たり前と思ってしっかり勉強しなかった昔の自分の姿を思い出し、反省させられました。
NGOが、教育にとどまらずあたかも役場のように機能しているというのは驚きです。どこの国でもそうですが、政府は本当に必要なところでは十分に機能していないのでしょうね。巧みな仕組みで教員を確保している点も見習うところがあると思います。
貧困家庭の子供を基準に考えるところに彼らの人間的な温かみを感じます。
Posted by:Mark & Ikuko at 2007年10月07日(日) 07:31

こんにちは。
こういった記事を読むと、今日本で起きている給食費未納等々って何なんだろう?と気が重くなってしまいますね・・・。
私の子供の時は払わないなんてありえなかったけど、今はそれが普通という感覚もあるようで・・・恐ろしいです。
「恵まれすぎている不幸」の極端な例なんでしょうか。
Posted by:ケニーM at 2007年10月06日(土) 16:10

資金の調達を考えると多くの人が献金をしているんだろうなあと思わされます。世の中捨てたものではないですよね。清潔な感じがするというのもなんだかうなずけます。学校の先生の登用制度もよく考えてありますよね。看護婦のお礼奉公制度と少し似ています。そうやって優秀な人材がチャンスをもらうというのはすばらしいですね。最終的にそこを卒業した子供たちが大人になってこういった活動をサポートできたらなおさらすばらしいですよね。
Posted by:uta at 2007年10月06日(土) 13:19

2007年10月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31






(c) 1999-2008 Cafeglobe.com All rights reserved