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韓国を食べる [2006年04月07日(金)]
折からの韓流ブームで
ソウルにおでかけの方も
多いと思います

ソウルといえば焼肉
と思う前に
韓国の食の奥深さを
この本で読んでおくと旅がいちだんと
興味深くなることうけあいの本

それが「韓国を食べる」by黒田勝弘氏です

日本以上に人と人とのネットワークで生きている韓国の人たち、「ウリ=われわれ」の身内意識についてがまず最初の前書きに語られ、なぜならば、

「食は人間の生活の核心であり、基本的な文化である。そして人と人をつなぐ重要なきずなである。食は一大総合文化といっていい。だから韓国の食を語ることは、韓国・韓国人を語ることでもある」

のだから。

話はソウルの裏道食堂にとどまらず、チェジュ島、ウルルン島、江原道、全羅道・・食べ物もウマ肉から松茸、ワタリガニ、イカ、豆腐、アユ、ウナギ、クジラ、フグ鍋、猪の生き肝、北朝鮮料理、回転寿司、日本食・・・

これらが食の話にとどまらず、文化、政治、経済、男同士の話、シモネタ・・にまで背景を広げて語られるのだから、読み物としておもしろいことこの上ない。ずんずん読んでいるうちに、いつのまにかムズカシイ南北問題や韓国内の政治の現状、まずは精をつけなきゃ料理じゃないという韓国料理の秘められた真髄などに詳しくなったりしちゃうのだ。

たとえば日本でも流行りつつあるスントゥプ(固まる前の豆腐)鍋の話のところに、

「日本の演歌は北が舞台だが、韓国の演歌は南に向かう 帰れ釜山港だって南だ」

と演歌の話になったり、「受刑者が刑務所から出所すると家族や友人は生豆腐を持って迎えにいき、刑務所の門で出所者の口に豆腐を押し込んで食べさせる」のだという韓国の習慣の話が出てきたり、

サムゲタンの話をした後で

トリの手羽先は旦那に食わすな なぜなら羽が生えて飛んでいく=浮気するから 

だとか、ともかく話しの種になるエピソードがいっぱいなの。

とっかかりは冬ソナでもチャングムでもヨン様でもピ君でもチャンドンゴン氏でもいいのです。少しでも韓国に興味を持っていたら、ぜひこの本を読んでみてください。ますます韓国に興味を抱いて旅立ちたくなるから。

私はこの本ですっかり黒田氏という人物にお会いしたくなり、折から企画中だった昨年秋のHanakoのソウル特集号でぜひに、とお願いして、黒田さんの案内するディープなソウルの食事情のページを作っていただきました。取材は編集部のO氏が担当になりましたが、黒田さんにお会いしたいので、私も自分の取材を終えた後でついていきました。

裏道の魚定食や、エイの刺身や、納豆チゲなど、本当におもしろいゴハン処に連れていってくださいました。そのどのお店でも黒田さんは店のおばちゃんに愛されているんです。

一軒目のおばちゃんにはいい魚があるからと持たされ、
2軒目に向かう途中の韓定食屋さんでもおばちゃんに見つかり「なんでうちに寄っていかない」といわれ、
2軒目では帰り際におばちゃんにつかまって話しこまれ
3軒目ではおばちゃんと肩を組む勢いで酒を酌み交わし・・・

そう、黒田さんは通訳の女の子が電話かけたときにこの人は日本人じゃなくて韓国人のおじさんなんじゃないの?と思っちゃったほど韓国語ペラペラなのです。

「本職は、竹島問題とか教科書問題なんだけどなー」とつぶやきつつも、ちゃんと希望に沿ったお店を紹介してくださる黒田さん。そう黒田勝弘氏の本業は、新聞社の論説委員兼ソウル支局長なのです。

昨年秋、黒田さんは「四半世紀にわたり韓国に特派員として駐在し、その政治、経済、歴史、文化のみならず日韓関係全般を、広く深く報道し続けた功績」により菊池寛賞を受賞しています。

韓国を食べる 文春文庫 \619+税
黒田勝弘著

*黒田さんに登場いただいたHanakoは05年11月2日の858号 丸ごとソウル大特集本でして、私も2月にソウルに遊びに行ったときこの号を持参しましたが、街歩きの友としてとても助かりました。バックナンバーを扱っている書店にあればぜひ次回のソウル旅のお供にどうぞ

*そうそう、チャングムの誓い地上波を見ている方は今週からまた土曜放送になりますね お間違いなく!

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