ペニンシュラの話が続いて恐縮ですが・・・
ペニンシュラ東京の着工から竣工 オープンまでを現場取材撮影したカメラマン、山口規子さんの写真集「メイキング・オブ・ザ・ペニンシュラ東京」が発売になりました。
日頃海外取材に飛び回っている彼女は、いつの日かホテルができあがるまでを写真に撮りたいと思っていたそうです。そんなとき、ザ・ペニンシュラ東京の開業を知った山口さんは、そのメイキングオブを記録にとどめたいとホテル側にお願いをしにいったのです。
通常ホテルは裏側をみせることを嫌うもの。しかしペニンシュラ東京ならびに香港の本社はこのプロジェクトを受け入れて協力することを了承。彼女は2007年1月から工事現場にはりついて取材撮影を始めました。
建築現場って職人さんたちの世界で女の子がカメラかついで入っていっても、オラオラって邪魔にされたんじゃないの?
と聞いてみたらやはり最初はそうだったそうです。でも寒い冬の日の早朝から、あまりに毎度顔を出して熱心に撮影していたため、次第に仲間として受け入れてくれて、最後には、現場でいつもかぶっていた必需品、「写真 山口」の名前入り大成建設さんのヘルメットを「記念に」とプレゼントされたそうです。うぅ、いい話だ
本書は写真だけでありません。ペニンシュラにまつわる話あれこれがみっちり文章でくわえられ、読み物としても楽しめる作りになっています。
ことにGMであるマルコム・トンプソン氏のインタビューに続いて綴られた、プロジェクトディレクター、建築家、デザインや内装作りにかかわったデザイナー、アーティスト、職人さんなど、裏方のスタッフの仕事ぶりに至るまでが紹介されるモノクロページが私は大好き。ホテルマニア、ペニンシュラファンならたまらないバックヤードストーリーが満載です。
取材を通していろいろな話を知っている私でも、ペニンシュラが一度1989年に、東京タワーのふもとにあったボウリング場の跡地に進出する予定だったという逸話は知りませんでした。
また、噂に聞いていた日活国際会館時代からの館の守り神「ガーゴイル」様の姿が拝めるのも貴重。この守り神は日活から日比谷パークビルになってからもずっとこの建物の鬼門封じのためにまつられていたのですが、ペニンシュラは建物を壊している間もガーゴイル様をきちんと保管して、竣工時に7F外側の北東にあたる部分に設置しなおしたのです。
うぅ、これまたいい話

でしょ?
もちろん肉眼でも丸の内側の角を見上げると拝むことができますよ。ザ・ペニンシュラ東京のトリビアNO1って感じ。
メイキングオブを読んでいるといかに丁寧にホテルの客室が作られているかがわかります。また正面のTHE PENINSULAの文字は夜間照明のライティングにてらされたときの見えかたを確認するため、途上で3段階の深さに配置され、どれが最もきれいに見えるかをチェックしているなんていう細かい工程も紹介されています。さすが、現場取材はこうでないとね、
ブラボー山口さん
山口さんと私は文藝春秋クレアの仕事で海外出張するときに紹介されて以来、よく仕事で一緒します。美的連載でもたびたびお世話になっていて、ザ・ペニンシュラ香港の取材もお願いしました。スピーディにちゃきちゃきと撮影してくれるので非常に仕事がスムースに進みます。実は今月23日に発売される美的連載の「ザ・ペニンシュラ東京の巻」でも山口さんに出動お願いしたんですよ。そのときにこの写真集の話を聞いていたので、こうして立派な本の形になって私も感慨無量。
本のp74−75にあるスタッフ@エントランスに全員集合の写真は、山口さんが1人、クレーンにのっかって撮影したとか。みんなの目線の先には小柄な山口さんがクレーン上でカメラを構えている姿があったわけで、私はこの写真を見るとき、どうしてもクレーンの上にちょこんといたであろう山口さんの姿を加えて見てしまうんですよネ。いつも元気な山口さんがカメラのこちら側にいるからスタッフ全員がものすごく嬉しそうにニコニコ見上げているんですよ、きっと。