カタ・ジュタからホテルに戻ってランチを食べた後、私たちが滞在するホテルセイルズ・イン・ザ・デザートのPR担当・ミーガンと待ち合わせた。このホテルは、エアーズロック・リゾートを運営するボヤージズ(VOYAGES)というリゾートホテルグループのひとつで、ミーガンはこのヴォヤージュの広報担当だ。そしてとびっきりの美女。
「ここは砂漠だけど、草木もあるし、歴史もカルチャーも、いろんなものがあるんですよ。それらを守ることとリゾートビジネスの成功とは、相反するものではなくて、この環境と共に生き、この地に身を置くことで、ビジネスはきちんと成り立つのです。ボヤージズはその成功例だと言えます」
エアーズロック・リゾートには、5つのホテルとキャンプ場がひとつある。注目すべきは自然への配慮で、まず電気は油田から採掘された天然ガスを燃料に、エアーズロック地区にある発電所でつくられた電力が、リゾート施設に供給されている。乾燥した砂漠地帯で水はとても貴重な資源で、幸いなことに地下水に支えられている。が、これも有限な資源だと思うと、大切にしなくてはと心底思う。
私たちが驚いたのは、2階建て、3階建てのホテルの建物も、少し離れれば、穏やかな丘陵に隠れて完全に見えなくなることだ。だから、ウルルを鑑賞するとき、建物が視界に入ることはないし、ほんとうに「なんにもない」ように見える。「この環境と共に生き、この地に身を置く」ための、人の知恵と技術なのだ。
そもそもの話になるが、オーストラリアは乾燥が激しく過酷な地だったため、アボリジニは農耕を行わず狩猟だけで5万年以上生きてきた。野草や地中から食べ物を探し、水を掘り当て、生きて伸びてきた。農耕を行わなかったことが、後になってみれば何よりの自然保護だったわけで、農作物を育てるために土地を耕したり遠くから水を引いたり、害虫を駆除したり、そういった自然に逆らうことは何ひとつやってこなかった。「農耕をしない」生き方こそが、自然と共に生きる方法だったのだ。
では、現代ではどうか。農耕をしないわけにはいかないが、土地の大部分は依然として厳しい砂漠だ。けれど、そこで生きる術をもっている。原子力発電はもちろんない。資源が自分たちのすぐ足元の地球であることを思えば、自然を大切にしようと思うのは当たり前。そして、観光地であるウルルでもその思いは徹底されている。けれど、あまりにも当たり前のことすぎて、「大事にしましょう」とゲストに強いることはない。そこが、オーストラリアのいいところだ。ホテルの部屋はどれも窓が大きく電気なんて使わなくてもいいし、たとえ夜でも外で集まって語らっていたほうが星が見えて心地いい。だからテレビもいらない。
そんな過ごし方を提案する代表的なホテルが、
ロンギチュード131°だ。Longitude131°は経度131度のことで、そのままこの場所をさしている。アフリカのサファリテントのような5つ星のエコ・ロッジで、15のテントからできている。朝夕の食事はゲストやスタッフみんなで語らいながら、日中は施設内のプールやライブラリーで寛ぐ。
一緒に来るなら、英語のできる男性がいいと思う。すごい上手な必要はないけど、ゲストみんなで一緒に楽しむための“社交性”としての英語が。その意味ではジュンは最適だ。大人だし、キスなんて挨拶代わりだし、いろんな年代のいろんな国の人とすぐに仲良くなれる。ミュージシャンをやるうちに、身についた処世術だろう。そう思うと、ジュンを手放すのは惜しい気がしてくる。どうしたんだろう。この旅で初めて、ジュンへの気持ちに揺り戻しがきている。
それに対してYurikoは「大人にならないと来ちゃいけないところね、ここは。年齢という意味ではなくて、何も予定のない時間を楽しめるか、ふたりで読書してるだけでも幸せを感じられるか、という意味でね。リョージは…10年早いかな。暇だなぁとか言って、DSやり始めちゃうもの(笑)」(続く)
何もしなくても、幸せを感じられるか。私たちが今後パートナーを選ぶときの基準になった。
■まとめ
<食>ホテルでランチ(タイふうヌードル、サラダ)
<祈>何もしなくても幸せを感じることができますように
<恋>ジュンを手放すのは惜しい…?
>ウルルについて
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>エアーズロック・リゾート内のホテルとロンギチュード131°について