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サンゴ草の伝言(メッセージ) [2007年10月18日(木)]
 
オホーツク海沿岸の海跡湖である能取湖は、日本最大のアッケシソウ群生地です

厚岸草(アッケシソウ:学名 Salicornia Herbacea)は、明治24年、北海道釧路の厚岸湾で発見されたアカザ科の一年草。塩分を含んだ湖岸の湿地帯に生息し、海水を栄養分にして育つ海生植物です。高さ10〜25cm、枝の節から多数の枝を対生し、枝はプリプリ感のある肉質。

5〜6月に芽生え、春から夏は濃い緑色、8月に花を咲かせ、9〜10月に群落ごとに赤く染まります。


10月上旬、能取湖の湖面は深紅の絨毯がいっぱいに広がっていました

赤く色づくと珊瑚のように見えることから、サンゴと呼ばれ、親しまれています。
赤くなるのは茎部分なので紅葉とは呼べないのですが、そのメカニズムは草紅葉と同様です。


サンゴ草は、満潮時に海水を吸い込み、干潮時には太陽の光を浴びて成長します。

浸透圧を調節して、体内の塩分濃度を制御する機能を持っていて、
細胞に塩分が侵入するのを抑制しています。

一般の植物は、葉の気孔から光合成や水分放出しますが、
塩生地では、植物体内の塩分濃度が高く浸透圧が高くなるので、
葉に水分を供給するのが困難になります。

そのため、葉の面積をできる限り小さくして水分消費を節約し、塩分吸収を抑制します。
こうした理由からサンゴ草は、葉を退化させていきました。

過酷な塩生地にあえて生育する理由とは?
最大の理由は、他の植物に邪魔をされずに十分な光を得るためと考えられます。
小さくか細い植物が、生き残りと子孫繁栄のためにたどり着いた先が、最果ての塩沼地というわけです。

海に四方を囲まれた日本は、遥か昔は海岸に広く塩沼地が分布していましたが、
近代化の開発の波とともに姿を消していき、
それに伴いサンゴ草も絶滅の危機にさらされています
近年、野生生物の保全のため、渡り鳥の生育地として
湿地の役割の重要性が注目されています。
1975年、ラムサール条約(水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)が発効されました。
一度開発されると二度と元には戻せないのが自然です
(能取湖はラムサール条約湿地の登録地ではありません)


どこまでも澄んだ秋空、朝の太陽が湖面にキラキラと輝く水面と深紅のサンゴ草。
オホーツクの厳しい自然が織りなす、束の間の秋の芸術・・・

北国の秋は駆け足で過ぎていきます。
秋の能取湖、次の春へ夢を託した鮮やかな赤色は、たくさんのメッセージを私たちに伝えています。

交通: 網走駅から常呂・湧網線バス20分 卯原内下車





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