小さい頃、母が物語集を定期購読で買ってくれており、それを楽しみに待っていました。
私は読むのが早く、本が到着したその日に全部読んでしまい、次が待ち遠しくてしかたなかったです。
代表的なお話(シンデレラ、とか白雪姫)はもちろんのこと、いろいろなお話が載っており、挿絵も充実していました。
今見ても、『ゼイタクな喜びを、子供のうちから経験させてくれた』という感謝の思いがします。
この物語集で読んだのではないですが、
『赤いろうそくと人魚』という童話を読んだことを思い出し、『そういえば、どんな話だったけ?』とネットで調べたのですが、
ゴゴーン…

悲しいお話でした。
そう、全て思い出しました。子供心にものすごい理不尽さや、せつなさを感じ取って、繰り返し読むにはいたらなかったのでした。
この『赤いろうそくと人魚』は大正時代の児童文学ですが、はぁ…。これが子供向けのお話なんですね…。子供、だと軽んじてはいけないのはわかりますが、悲しいですよ。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4039635809.html
以下はmizuのよみがえった記憶から。
人魚の母親は人間の世界に憧れており、せめて娘には暗い海の寂寥な暮らしではなく、あかるいお日様のもとで、美しい景色を見て育って欲しい、と願っていました。
『人間はこの世でいちばん優しい生き物だと聞いている』から。
ある日神様に願掛けをします。『どうか優しい人にそだてられますように』と。
そこへ、子供のない夫婦が通りがかり、『神様の思し召しだ』とその赤子を
『人間ではなくてもかまわない』とたいへんに喜んでつれて帰ります。
その夫婦はろうそくをつくっており、人魚の娘はそれをみながら日々成長してゆきます。
大好きな養父母にせめてもの恩返しと思ったのか、人魚の娘は養父母がつくるろうそくに、自分なりに絵を描きます。
すると、そのろうそくがとぶように売れるのです。なんでもそのろうそくを持って海にでると、船が沈まない、というのです。
でも、そんな楽しい日々は、ある日突然終わります。
そのうわさが広まり、どうやら娘が人間でないことも広まったのでしょう。
香具師が養父母の家にやってきて、娘を売れとせまります。
『見世物にして、ひともうけする』のだと。
もちろん、最初は『とんでもない、この子は私たちの大事な娘なのだ』と断り続けます。
しかし…
大金に目がくらんだ人間の養父母は、
とうとう、その話を承諾してしまうのです。
大金、と引き換えに…
人魚の娘が悲しくて悲しくて、最後にせめても、とろうそくをつくるのですが、
悲しみのあまり、描いた絵がにじんでしまい、それは何度描きなおしても真っ赤に染まるのです。
とうとう、香具師が娘を引き取りにやってきました。
泣く泣く連れていかれました。そして娘の乗せられた船は何故か沈んでしまいました。
その少し後に、養父母の家の戸を誰かが『トントン』と叩く音がするので、養母が出てみると
そこには真っ青な顔をして、髪振り乱したやつれた女が
『その赤いろうそくをください』といいます。
養母は娘のつくった最後の赤いろうそくを、その女に渡します。
そうすると、洪水が起こり、なにもかも流され、とうとうその村も沈んでしまいました。
という、話でした。記憶もよみがえったばかりなので、まだうろ覚えな箇所がちらほらありますが。
その真っ青な女、は人魚の娘のお母さんなんですよね。
あんなに、『人間はやさしくて、すばらしい』と思っていたのに、このくだりは心をえぐられるようでした。
mizuは『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』のように、人間と自然界を題材にし、特に人間の罪深い部分をそれとなく批判するような物語がけっこう好きなのですが、小さい頃にこんなお話を読んでいたせいかもしれません。それにしても、悲しいお話でした。