道端の少年たちと話すようになってしばらくたったころ
気になっていたことを聞いた。
「ここで稼いだ小銭で何を買うの?」
「パン」
「あとは?」
「・・・・」
しばらくの沈黙。
「パンを買って、あとはお母さんが取り上げる。」
小さいからChicoと呼ばれる子が言った。
「お母さんはそのお金でビールを買うんだ。」
その次に口を開いたのは町から川を渡った湿地に住むアルマンド。
「おれはパンを買って家に持って帰るけど、
あいつは、エルネオは・・・スルメを買ってるよ。」
「スルメ?」
懐かしい響きだった。
開かれたイカの姿が頭に浮かんだが
それとはかけ離れた言葉が聞こえた。
「・・・マヤク。麻薬さ。」
エルネオの幼い顔を思い浮かべた。
あの無垢な顔と麻薬が結びつかない。
そして、この日頃の食べ物にも事欠く町で
麻薬が売られてるとはにわかに信じ難かった。
「そんな〜、うそでしょ?そんなわけないじゃない・・・」
「じゃ、セニョーラ、売ってる所に連れて行ってあげるよ」
町中の住宅街の細い道に入って行くと
木で出来た小さな机の上でたばこを売っている男の人がいた。
一見たばこしか売ってないように見えたが
話せば売ってくれるのだという。
それでもまだ半信半疑だった私は
通りの向こうに当のエルネオを見つけた。
「エルネオ!なにしてるの?」
他の子たちと駆け寄った。
「あ、セニョーラ・・・」
様子が変だ。視点が定まらない。
どうやらアルマンドの話は本当だった。
ケリマネの夕暮れ (ホテルChuaboから)