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『かもめ食堂』☆2つ

2007-05-07 18:29:15
 『かもめ食堂』観ました。映画そのものに関心があったわけではなく、ヘルシンキが舞台だから、という動機で。
 う〜〜〜〜ん。
 まあ、こういうとりたてて筋のない話というのは嫌いではないし、「緩い雰囲気」も心地悪いわけではなかったんですが、女優さんの魅力だけに支えられた映画というか。。。言い方が悪かったら申し訳ないけど・・・女優さんがすっごい美女とかだったら勿論そういう映画もありますが、この作品は出ている人はみな個性的な人ばかり。そういう女優さんの魅力だけに頼って出来た映画というのは珍しい気がしますね。。。

 なので、特によくも悪くもない映画だったはずなのですが、ひとつだけとっても気になったことが。それは、「日本のソウルフード」であるはずのが全然美味しそうじゃないの 勿論映画なんだから、ライトの当て方とか、小道具のおにぎりそのものの作り方だとか、色々と技術的な問題なのでしょうが、観ていて「おにぎり」にソウル(・・・じゃなくてか)を感じないんですよ。。。温かみとかが全然ないの。鮭とかカツとかも出てくるんですけどね、全然美味しそうじゃないの。市場のシーンもあって、その時の野菜も全然美味しそうじゃないんだけど、この映画は全体的に風景も人も書割り的というか平板な感じで撮られているから、それはそれでいいんだけどね。食堂で出しているおにぎりとか日本の他のメニューは市場のパプリカとは違う意味があるんだから、も少し際立って見えるはずなんでしょうが、私にはそう見えなかった。
 そもそも、お店の内装がフィンランドのイメージカラーの水色で和食の色と合わないっていうのもあるし、コーヒーやシナモンロールと同じ店で出してるっていうのも「和食ソウル」が機嫌損ねてそうな気がするし この映画の和食にはなんの感触も記憶も感情も想起されなかったんですよね。コーヒーのほうがよっぽど「ほっとする」とか「温かい」というイメージが伝わりました。。。

 これってやっぱりヘルシンキだからなんでしょうか?ものすごく違和感があるというか、「やっぱ、ヘルシンキでおにぎりはねえ・・・」と思ってしまうのですよ。。。私、和食は好きなんだけど、旅先で食べたいと思ったことは一度もないの。留学中も日本料理に入ったのは一度だけ。それも、結構美味しいはずのお店だったんだけど、やめておけばよかったと思ったぐらい。なんとなく所在ないというか、味がしないというか、場違いなんですよね。この映画観ていても、そんな感じがしてしまいました。

 単に気分の問題なのかな。

『恋愛睡眠のすすめ』☆4

2007-04-28 21:34:02
 今日はSparkyに誘われて、M・ゴンドリーの『恋愛睡眠のすすめ』を観てきました。仕事辞めてからというもの、早くて9時起きと学生なみの生活をしている私ですが、特典つきの初回を狙うSparkyと渋谷で待ち合わせたのが9時半。。。早ッ!ちなみに特典は、メモパッド、ポリスとかいうフレグランスのサンプルとアロマキャンドルという、ちょっとコンセプト的に難のあるセットでした。まあ、旅行には使えるかも。。。
 映画ですが、そもそもSparkyと私はガエル君が一応目当てでして、私は個人的に監督がゴンドリーであることに一抹の不安を抱えていたのでありました。なんか、ひらめき系の人って、独りよがり&一貫性に欠けることが多くて観てる側の興味が2時間もたないことが多いんだもの。。。
 でも、この映画はなかなか良かったです。ストーリーはパリのアパルトマンで隣になったステファン(ガエル君)とステファニー(ゲーンズブール)の恋物語が一応メインで、ステファンのつまらない仕事への夢のなかでの復讐&やや奇天烈な同僚のからみ、という感じ。

 ・・・え?全然わからない?・・・だって、実際観てもこんな感じなんだもの。

 実写&アニメ(漫画じゃなくピングー的な立体クラフト系アニメ)で、夢も現実も描写パターン(というか、シーンというか)が複数あるというごっちゃごちゃなつくりですが、混沌ぐあいがちょうどよいというか、わざと整理されていないところもあれば、一応それでも観客が置いていかれない程度にわかりやすくシーン分けもされていて、さじ加減が上手。パッチワークのように離れて全体を見ると意外とすっきりみたいな感じ、かな?
 ストーリー自体は甘ちゃんというか、ん・・・という感じでしたが、この映画でストーリー展開を語るのが野暮かも。。。ゴンドリーの豊かすぎる発想とそれをスタッフに伝えてここまで具現化して、さらに整理してみせた力量はほんとに凄いと思いました。ので、☆4つ!

 あと、どーでもいいんですけど。ステファンは両親の離縁後父親について行ってメキシコで育ち、父が亡くなったのでパリの母親の元に戻ってくる、という設定でして、アパートの自室は子供時代のまま、ということのはずなんですが。。。。

 ・・・ベッドサイドの壁に貼ってある
12インチのジャケが
the Smiths
なんですけどっ!!!


どうして?どうして?どうして?やっぱりどうでもよくないっ!モーレツに気になるっ!なんでスミスの12インチ?確かに「往年のドラマ」シリーズはものすごく秀逸なデザインではあるけど、
子供部屋の、
しかもベッドサイドに
the Smiths
ですか?!
コレが気になった人って他にいないのかな?・・・私だけですかね。
 映画の話題はここまでです。


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『ゆれる』☆5つ!

2007-04-27 12:01:53
 昨年、観に行こうかと思ってやめてしまった『ゆれる』を、昨晩ようやくビデオで観ました。 

すごくよかったです!!!


 正反対の兄弟を演じた香川照之&オダギリ・ジョーが素晴らしい この二人を兄弟にするか?という感じのキャスティングですが、よかったです。あの歳になっても(ってそこまで歳じゃなけど)10代みたいなナイーブさを表現できるオダギリ・ジョーって、稀有な存在ですね。田舎に残って辛抱の兄と都会に出て好き放題やってる弟の相克、といういわば古典的なテーマですが、脚本もよく練られていたし、映像も陰影が深く、くすんでいて、はかなげで、映しているものは現実的なのに生々しい物理的な感触が薄く、登場人物の感情の「ゆれ」が表面に出ていて素晴しかったです。

ここ数年で観たなかでもトップ3に入るかな。未見の方、是非お勧めです!

どうでもいいことですけど・・・
 私はいつもお風呂上りにはコンタクトをはずして眼鏡に変えるんですが、眼鏡は随分昔につくったもので度があってないのね。「今日はこれから映画観るから、コンタクトしておかなきゃ!(気が利くなあ、自分)」って思って、よぉく考えたらこれは日本語だから字幕見ないでいいんだよな ←普段は99.9%洋画派なもんで、映画=字幕。
 しかも、いざDVD入れて始めたら英語の字幕が出ていて、「ふ〜ん」って思って数分そのまま観てました。で、ようやく気づいたの、字幕は消せるって。。。もちろんすぐ消しました。。。

テレビで映画:あんまりだー!

2007-04-17 01:24:36
 夜、BS日テレで『リード・マイ・リップス』をやったので観ました。普段テレビで映画を観ることはなくて、それはなぜかというと、特に主義主張があるわけでなく、単に私の好きな映画ってテレビであんまりやってくれないから機会がないだけです。。。

 で、この映画は以前観たことがあったのですが結構好きで、また観たいと思っていたのでした。主演はヴァンサン・カッセル(←かなり好みじゃない・・・)とエマニュエル・ドゥヴォスとかいう人で、この女優さんが上手いのよ。

 話は難聴で読唇術を会得している冴えないOLカルラがアシスタントにポールというワルを雇うところから始まって、結構映画的&派手な話に展開するのですが、見どころのひとつが、これまで仕事も男も運がなかったカルラがポールに巻き込まれた結果、ダルな日常から見事脱出するというところ。

 特にこの映画で上手いな〜と思ったのは、カルラの心情の変化(の表現)とその結果としての変身ぶりで、補聴器をつけたり取ったりすることで喧騒と静寂の切り替えをしたり、カルラのしぐさの変化とか、話の筋とは直接関係がないところが良かったわけ。V・カッセルに惹かれるという設定は個人的に全く理解できませんが、ね。

な・の・に、

BS日テレひどいぞーっ!

いいところ少しずつカットしやがってーっ!!!

たしかに「話の筋とは直接関係がない」けど、これじゃあニュアンスが伝わらんじゃろーっ。カルラが夜明けの人っ子一人いない通りをスキップするところも、クラブで補聴器はずすところもカットしただろーっ! あんなに映画的に美しい場面をカットするってどういう神経だ?。(←ほかにも何箇所もあったし、最初もエンドロールも全部切りやがった) 映画って筋がわかればいいってもんじゃないでしょ

あんまりだ。あんまりだ。あんまりだ。

もう絶対テレビでなんか映画観ないからっ!

折角仕事がひと段落して、ご褒美のつもりだったのに。哀しいぞ、私は 

『パリ ジュテーム』☆☆☆☆

2007-04-04 22:21:27
 『パリ・ジュテーム』


・・・今時なめとんのか、おい!っていう激甘タイトルですな。しかもポスターも安直で。ほんと、これ悩んだの。行くか行かないか。で、水曜=1000円ということで行ってみた次第。ちなみにタイトルは原題そのまま、です

 この映画、タイトルも、「パリを舞台にしたオムニバス」という企画も今時どうよ、な気がプンプンするのですが、その一方で監督&俳優が錚々たるメンバー。監督は、W・サレス(←最初に挙げるか)、コーエン兄弟、G・V・サント、A・クアロン等々。俳優に至っては挙げだしたらキリないです。この落差は一体なんだろう、と不気味だったの。。。なんでも撮影はそれぞれ2日間で、テーマは「出会い」という設定が共通していたもよう。

 で、結果的には、結構よかったの!もちろん全部粒ぞろいというわけにもいかないし(C・ドイルのとか、M・ギレンホールが出てるやつとかは)、V・ナタリみたいに「どー考えても変だろ、お前!」っていうのも混じってたり(カナダ人旅行者のお約束、「リュックのド真ん中に国旗」という小技はウケたけど。あと、E・ウッドはそろそろ人間役でまっとうさせてあげて欲しい)。でも、総じてなかなか面白かったです。

 私が特に気に入ったのは、
・フランス人に絡まれる不幸な「とりあえずモナ・リザしかわからない」アメリカ人旅行者の話(コーエン兄弟)、
・マレ地区の男の子同士の「・・・・・・」な出会いがやけに瑞々しい(・・・)G・V・サント、
・フラ語歴2年で単身デンバーからホリデーでやってきたアメリカのおばちゃん編、
・アフリカ移民のぐっとくる出会いと別れのエピソード

あたりかな。。。W・サレスは多分人物をじっくり描きたい派で、奇をてらった演出やストーリー、映像を使わない実直な人なので、こういう短編は苦手なのかも。悪くはないんだけど、こういう競作になるとちょっとインパクトが弱いのは否めなかったです。

 でも、なんといっても最高だったのは、ドパルデューの「カルチエ・ラタン編」。

だってだって、ジーナ・ローランズが出てるんだもの!
(ベン・ギャザラの競演もお約束どおり)

 たとえ、「まとう」というより「たすき掛け状態」のヒョウ柄の大判スカーフが完全に「関西のオバちゃん」風であろうとも、ジーナ・ローランズが最後に来た時点で私にとってこの映画は、「観てよかった!」と思えるものとなったのでした(←単純)。

 ほんと、このタイトルさえなんとかしてもらえればよかったのに、なんなんだろう、この気合の入らなさは。。。せめて邦題で『パリところどころ』みたいにタイトルつけてくれればいいのに。。。いかんせんエピソードが多すぎるので、ものすごくいい、ってほどではないけれど、このタイトルのせいで観るのを躊躇している方には是非お勧めします。

『ロシアン・ドールズ』☆2.5

2007-01-10 12:23:21
 以前感想を書いた『スパニッシュ・アパートメント』の続編『ロシアン・ドールズ』見ました。ロシアン・ドールズって?なんかの隠喩かしら?と思って観ていて、話の内容からまさに

「ああ、マトリョーシカ?」

って思ったところで、主人公が「マトリョーシカ人形みたいに・・・」と言い始めたので笑ってしまいました。ちなみに、人形そのものは全く映画とは関係ありません。

 第1作でバルセロナにエラスムスでなんちゃって留学したフランス人の男性が今回も主人公。その5年後が舞台で、彼はパリで作家、というかライターになっていて、バルセロナ時代にフラットシェアしてた何人かとはまだ近い関係、という設定です。前回は色々な人を取り込もうとしすぎて「EU揶揄してんのはわかるけど、シェアの人数多すぎで、設定段階からして破綻がみえみえ(←いくらなんでも破綻自体がテーマじゃなかろう・・・)」、という感じでしたが、今回はかなり主人公のグザヴィエに集中しています。前編を観ていないとわからないというほどの人やネタのつながりもないので、これだけ見てもそこそこ楽しめるかとは思います。

 ただ・・・。今回は、第1作で島国根性ぶりを冷笑されていたイギリス人のウィリアムがかなり尊厳を回復していて、その設定が一番笑えるので、観る方は是非第1作から観て下さい!

 単独での感想は、結構この2作目、「2作目」にしてはいいかも。前作は、いわゆる異文化モノというかちょっとナイーブな感じがしたのですが、今回は相変わらずステレオタイプが出てくるものの、それ自体を笑いのネタにしているような視点が強いし、主人公も成長したし、ということで、見ごたえが増したかな?
 
 ただ、前回のフラットメイトがかなり淘汰されたので、ちょっと勿体無い気も。再会の場面もう少し複眼的にしても面白かったかな〜という気もしますが、第1作で掘り下げが足りない人物が何人もいたので二の舞は避けたかったのかな。。。
 あと、監督さん、アイデア豊富なんでしょうね。映像といい場面設定といい。ちょっと詰め込みすぎ?映画ってそうそうバカバカ撮れるわけじゃないから(←ウッディ・アレンは別ですが・・・)、ついあれもこれもとなってしまうんでしょうか。「あんた、やりたいこと沢山あるんだねー」、と少々呆れますが。。。

 全体的にエンターテイメント性は高いし、前作よりは成熟(?)した演出なので、そこそこお勧めです。

 話には関係ないんですが、今回はロンドンも舞台になっていて(←だからひよったのかよ?!、グザヴィエのようにかつて私もロンドンのあの辺りをさまよっていたので、ぐわ〜っと懐かしさがこみ上げてきました。ピカデリーはもちろん、ジョージアン様式の家並みとか、公園とか。今年、久しぶりに行ってみようかな、と思いましたです。

『ファミリー・プロット』☆5つ

2007-01-04 12:22:03
 大晦日は映画をみて過ごしました。予定では映画を観終わって、いざ新年のはずだったのですが、DVDのおまけのドキュメンタリーを見ているうちにいつのまにか2007年を迎えていたという・・・。年明けヒッチコックかよ。。。

 ということで、なぜかこれまで観てなかった『ファミリー・プロット』。ヒッチコック最後の作品で撮影当時健康状態もあまりよくなかったそうですが、そんなことは微塵も感じさせない作品でした。
 二組の男女がメインで、片方が悪い人たち、もう片方はまあ普通(?)←女性が(エセ)霊媒師なんですけどね
 話の筋も面白いけれど、最初から最後までほんとに無駄がなく、笑いあり、手に汗モノの緊迫シーンありのエンターテイメント性満点の映画です。特に墓地で2人の歩くところを高い位置から取った構図なんて、「ほぉー。」って感じ。
 でも、何が一番かというと、主演のバーバラ・ハリスの演技でしょう!なりきり霊媒師で声色を使い分けるシーンはかなり笑えます。

 DVDのおまけって普段あんまり見ないんですけど、これにはドキュメンタリーが付いていて、俳優や裏方さん、プロデューサーなどが撮影時の裏話や、ヒッチコックの思い出について当時を振り返って語っています。これがまた結構面白かったので是非お勧めです!

『マン・オン・ザ・ムーン』☆☆

2006-12-31 10:54:33
 年の瀬はテレビが全然観たいのがないので、ツタヤで映画を数本借りてきました。これで準備万端、今日も安心。
 で、一本目は『マン・オン・ザ・ムーン』。ジム・キャリー主演のコメディアンの人生を描いた作品です。2000年くらいの映画ですが、最近多いですね〜実在の人物モノって。
 私はアメリカ文化にかなり疎いので、このアンディ・カフマンという人物を全く知りませんでした。知ってたらもっと感慨深かったのかもしれませんが。。。
 あくまでもモデルを知らないで観た感想としては、ん〜微妙。もう少しカフマンの普段の生活や、彼のパフォーマンスを「外から」見る視点がもっとあったほうが多面的で人となりに深みが出たような気がしました。アメリカの人はこの人知ってるから必要ないのかな。

 あと、もともとREMの曲のほうを知っていて、コメディアンについてだというのもどこかで聞いたことがあったようなないような、という感じだったんですが、そのせいか、BGMにはちょっとイメージが強すぎたような印象です。M・スタイプの声に説得力がありすぎて曲の存在感が大きかったなあ、という。。。いい曲だしね。私はこの曲名がカフマンの何かネタに由来しているのかと思っていたんですが、逆に映画のタイトルをこの曲から採ったんでしょうか?

 映画とは別に。。。ジム・キャリーっていい役者だと思うんですが、イマイチ評価が低すぎるような気がします。あと、彼だけじゃないんですけど、どうしてアングロサクソン系のお笑いの人ってみんなあんなに神経症っぽいんでしょう?イギリス人より北米の人のほうが自虐度が高い気もします。。。見てて面白いってより気の毒な感じがしちゃうんですが、文化的なものなんでしょうか?

 ジム・キャリーがひとつ前(多分)に演じた『トルーマン・ショウ』といい、アメリカの映画ってメディアそのものに言及したものも結構多いですね。メディア論やってるBAの学生さんには材料に事欠かない、というかメディア自身が自意識過剰というか説明的すぎて読み解く面白さがないくらいですね。これも不思議。やっぱり日本とはメディアの日常生活へのかかわり方が全然違うのか、それとも向こうのギョーカイの人が変なのか。。。

『カポーティ』☆5つ

2006-12-13 21:06:17
 いやあ、素晴しい映画観ました。この前も書いてた例の『カポーティ』。ようやく観たんですが、想像以上に素晴しかったです
 監督のベネット・ミラーはこれが長編第1作と思えない実力派。次作も気になる監督になりました。脚本も良かったし。カポーティ役のホフマンがいいっていうことは聞いてたし、確かにその通り素晴しかったんですが、犯人のスミス役のクリフトン・コリンズが出色の出来。この人の存在が非常に大きかったです。ハーパー・リー役のキャサリン・キーナーも良かったし。いい台本、いい役者、いい監督、ん〜もう満点!
 私の場合、カポーティへの思い入れもあったから余計感動したのかもしれませんが。繰り返しになりますけど、もともと私はカポーティの『遠い声遠い部屋』を中1くらいのときに読んで圧倒されるほどの衝撃を受けたのが原体験で(音楽で言うと、やっぱりそのころケイト・ブッシュのデビュー作聴いて同じような衝撃を受けたのでした。どっちも13歳には早い気が・・・)。そのあと、『ティファニーで朝食を』や『冷血』、その他の小品もほとんど読んだんですが、あまりに最初の作品で受けた衝撃(とそのころの有名なポートレート)、その他の作品、そしてカポーティその人の人となりの印象(セレブになってからの彼)がバラバラで、好きとか嫌いとかではなく気になる存在ではあったんですよね。
 今回の映画では『冷血』を書いたときのカポーティが題材で、「いいネタ」にありついたという作家としての野心と、犯人の一人であるスミスとの交流で生まれた個人的な感情との間のでの揺れ動きが見事に伝わってくるものでした。もちろんこれで「カポーティがわかった」というつもりはないけど、なんとなく今までそれぞれの作品から垣間見られる素朴さと奇抜さという両極端なイメージの真ん中で欠けていたものが見つかったような気がしました。
 あと、以前から『アラバマ物語』の作者のH・リーとの関係が不思議だったのですが、幼なじみだったんですね。この二人のこともなるほど〜という感じでした。
 ちなみに、今回は珍しくパンフレットも買ったのですが、それでわかったことがひとつ。音楽がマイケル・ダナという人なんですが、この人は、『スウィート・ヒアアフター』(エゴイヤン)、『アイスストーム』(アン・リー)でも音楽担当した人だそうです。私はこの両方とも好きなので、ここでもちょっと感動
 東京では多分もうすぐ終わってしまいそうですが、もし皆さんが見る機会があるようだったら、是非『冷血』を読んで、また、カポーティの人となりについて少し知っておくと感動が大きいかと思います。・・・でもやっぱりカポーティの代表作は『遠い声遠い部屋』だよね←しつこいっ。


『飾窓の女』☆5つ

2006-12-06 12:41:05
 はい、好きな映画評〜!第一弾は『飾窓の女』です。送り仮名が違ってたようで、Yahoo映画でチェックしたら「り」は不要のようです。え、どうでもいいですか?・・・そう。

 さて。この、というかこんな映画ご存知の方は多いのかしら?まさか、とは思いますが、以前渋谷のツタヤに行ったらK・スミスの『クラークス』が何本も置いてあって、しかも全部貸出中だったという事実に戦慄を覚えたので、ちょっと気になったの。もしかして、『飾窓〜』もすっごく有名でみんな知ってるのか、とね。。。
 
 一応ご存知ない方のために説明しますと、これはフリッツ・ラングという有名な監督さんの作品でして1944年作だそうです。うろ覚えですが、確かこの人はドイツから逃げ出して米国に渡り、かの地では割りきって娯楽作を撮ったという人だったような。で、この作品は、もちろん娯楽作のほう。
 ラングを語るなら天才がマジモードで創ったらこうなるという例、『メトロポリス』でしょうけどね。確かにすごいです、これ。20年代の作品なんですが。機会があったら是非観てください。どのくらいすごいかというと、『2001年宇宙の旅』ぐらいの衝撃。っていうか、もっとすごいか。

・・・でも語りたいのはラングじゃなくて『飾窓』のことですから、私の場合。

 で、『飾窓の女』。これは、あるアヒル顔の博士が突如冒険に巻き込まれる!というサスペンスものでして。そりゃあ、手に汗握るんですわ。だってぼんやりアヒル顔の博士が慣れない冒険するんですから!いい意味でクラシックなつくりでして(当り前だ、1944年なんだから)。もう完成度がめちゃくちゃ高いんです。「博士ーっ!駄目じゃ〜ん!」という悲鳴あげたくなるような展開で、いつのまにかアヒル顔にも愛嬌を覚えてしまう私。。。

でもね。本当の衝撃はラストに!!!!

ここで書いちゃいけないんだよね。やめとこ。

最早あらゆるオチが定番となってしまい、驚きがなくなった今だからこそ、

「これ使うかーっ!」というどうしようもないショックで席を立てないこと必至。
 多分当時の人はそれなりに納得する最後だったんでしょう。が、映画文化がそれなりの年月を積み重ねてきた現代の私たちには当時の人が味わえなかったショックと笑いと感動が待ち受けてるわけですよ。

 ただ定番なオチってだけなら「クラシックな映画のひとつ」で済むんですが、途中の伏線の作り方が異常に上手くてですね、普通なら「もう今時観る映画じゃないでしょ」と思わされるところが、「あとから考えれば、そりゃそうなんだよな(絶句)」と無理やり納得させられて怒る気も萎えるという、監督の手玉にとられた格好になってしまいます。

 この映画観たのは大学生の頃だったんですが、今でもあの衝撃を「この意味で」超える映画ってないですね。

 ラングの代表作ではないだろうから多分この映画薦める人って少ないと思いますが、みなさんにも是非このやるせない気持ちをわかちあい、一生背負っていただきたいっ!

・・・なんか熱いな、あたし(恥)。
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