bP2 義父とケーキのおはちゃん
2008-05-16 23:03:44
忠は今夜も隣の夫婦と夕食を食べ終わると、部屋のその辺にただ転がり、ゆっくりとした時を過ごしていた。自分の部屋では義父となった人があたりまえなのだが義父が、おもいきっり存在していた。そのためか、忠はこうして隣の人の部屋にいると、何かやすらぐ思いがしていた。(この人たちの子になりたい)とさえ思った。
あまり隣に居ると母・今子が連れに来た。義父は、夜になると御膳の前に大きな体をどっしり置き、何も喋らず酒を飲んでいた。そんな義父を前にして忠は、夕食を今子に食べさせてもらっていた。
ある時、忠は仕事から帰った義父と風呂に入ることになった。部屋を出て廊下から風呂に通じる階段を義父に抱かれ降りた。脱衣場で義父が忠の服を脱がせだした。慣れないためか、服をなかなか脱がせられないでいた。次第にいらついた顔になった。忠がはいているズボンが膝にからまり、余計にいらついた。伸びない忠の膝を無理に伸ばそうとした。
当然、忠は痛がった。感極まった義父は「おおい、これみろ、おーい」と部屋に向かい大声をあげた。今子が音をたてて階段を駆け降りてきた。
「ズボンなんとかしろ」
義父は今子にいらつきをぶつけていた。今子は慣れた手で素早くぬがせると、義父のいらきから逃れるように風呂場をでた。忠を抱き体を洗う義父。なんとなく親しみのない感じだった。
最後に忠だけを湯船に入れ沈ませると、「ようく温ったまれよ」と優しい言葉をかけた。義父との風呂はこれっきりなかった。
朝、義父は仕事に行き、今子も午後から近くの店にパートにでた。今子が出かける時、忠が言う゛ケーキのおばさんちに預けられるか、さもなければ窓際に座椅子を置きそれに座らせて出かけた。窓から下を見ると水がはられた田んぼに若緑の稲がそよ風にゆれていた。あぜ道で忠と同じ年の子らがオタマジャクシを採っていた。それを゛いいなー゛の思いで見ていた。
そして夕、義父が帰宅し忠も少し気持ちが固くなった。自分で気持ちをコントロールしていたが、それが効かなくなると「ケーキのおばさん」と言って、隣に行く。このパターンが幾日が続いた後、ケーキのおばさんはここを越した。忠にとっては大変な出来事で、寂しく心ぼそく思えることだった。
それからまた少し時が過ぎ、義父は一定の期間、東京へ出稼ぎにいくようになった。ケーキのおばさんが越してしまった後、正直、安堵感のようなものを感じた。忠は気楽な感じで毎日長い廊下を磨くようにして動き回り遊び、夕暮れは外に連れて行ってもらい、砂利の地面に魚を入れるトロ箱を幾つか並べた上で遊んだ。夏の夕暮れの中で。
毎日窓から見ていた緑色をした稲が実をつけ黄色くなり、重そうに穂を垂れていると思う間もなく、田は稲刈りも終わり、忠の苦手な冬が来た。寒くて動くことが少なくなり、部屋の隅で体を丸めていた。
年の暮れ義父が出稼ぎから帰省した。妹や弟は歓迎しているように見え、忠も同じ様子を見せた。でも、気持は重かった。義父は忠の思いを裏付けるかのように、忠には無愛想だった。
今子が「父ちゃんはね、あんたが可哀そうに思うから何も言わないの」と言うため、忠はその言葉を何年も頭に置いていた。
年明け間もなく、義父は出稼ぎ出て行った。そして春、忠たち家族もまた引っ越しをした。
あまり隣に居ると母・今子が連れに来た。義父は、夜になると御膳の前に大きな体をどっしり置き、何も喋らず酒を飲んでいた。そんな義父を前にして忠は、夕食を今子に食べさせてもらっていた。
ある時、忠は仕事から帰った義父と風呂に入ることになった。部屋を出て廊下から風呂に通じる階段を義父に抱かれ降りた。脱衣場で義父が忠の服を脱がせだした。慣れないためか、服をなかなか脱がせられないでいた。次第にいらついた顔になった。忠がはいているズボンが膝にからまり、余計にいらついた。伸びない忠の膝を無理に伸ばそうとした。
当然、忠は痛がった。感極まった義父は「おおい、これみろ、おーい」と部屋に向かい大声をあげた。今子が音をたてて階段を駆け降りてきた。
「ズボンなんとかしろ」
義父は今子にいらつきをぶつけていた。今子は慣れた手で素早くぬがせると、義父のいらきから逃れるように風呂場をでた。忠を抱き体を洗う義父。なんとなく親しみのない感じだった。
最後に忠だけを湯船に入れ沈ませると、「ようく温ったまれよ」と優しい言葉をかけた。義父との風呂はこれっきりなかった。
朝、義父は仕事に行き、今子も午後から近くの店にパートにでた。今子が出かける時、忠が言う゛ケーキのおばさんちに預けられるか、さもなければ窓際に座椅子を置きそれに座らせて出かけた。窓から下を見ると水がはられた田んぼに若緑の稲がそよ風にゆれていた。あぜ道で忠と同じ年の子らがオタマジャクシを採っていた。それを゛いいなー゛の思いで見ていた。
そして夕、義父が帰宅し忠も少し気持ちが固くなった。自分で気持ちをコントロールしていたが、それが効かなくなると「ケーキのおばさん」と言って、隣に行く。このパターンが幾日が続いた後、ケーキのおばさんはここを越した。忠にとっては大変な出来事で、寂しく心ぼそく思えることだった。
それからまた少し時が過ぎ、義父は一定の期間、東京へ出稼ぎにいくようになった。ケーキのおばさんが越してしまった後、正直、安堵感のようなものを感じた。忠は気楽な感じで毎日長い廊下を磨くようにして動き回り遊び、夕暮れは外に連れて行ってもらい、砂利の地面に魚を入れるトロ箱を幾つか並べた上で遊んだ。夏の夕暮れの中で。
毎日窓から見ていた緑色をした稲が実をつけ黄色くなり、重そうに穂を垂れていると思う間もなく、田は稲刈りも終わり、忠の苦手な冬が来た。寒くて動くことが少なくなり、部屋の隅で体を丸めていた。
年の暮れ義父が出稼ぎから帰省した。妹や弟は歓迎しているように見え、忠も同じ様子を見せた。でも、気持は重かった。義父は忠の思いを裏付けるかのように、忠には無愛想だった。
今子が「父ちゃんはね、あんたが可哀そうに思うから何も言わないの」と言うため、忠はその言葉を何年も頭に置いていた。
年明け間もなく、義父は出稼ぎ出て行った。そして春、忠たち家族もまた引っ越しをした。



忠